2021年6月、2022年4月と、同じテーマで当Blogでもご紹介しましたが、サンデーサイレンスとディープインパクト、両スーパー種牡馬の産駒成績を、2022年12月11日現在で比較してみたいと思います。
サンデーサイレンス ディープインパクト
①JRA勝利 2749勝 2680勝
②JRA重賞勝利 311勝 281勝
③海外重賞勝利 15勝 43勝
④JRAGⅠ勝利 71勝 71勝
⑤海外GⅠ勝利 3勝 29勝
⑥JRA3歳クラシック 23勝 24勝
⑦英仏愛3歳クラシック 0勝 6勝
⑧リーディングサイヤー 13回 10回
⑨JRA+海外 重賞勝利 326勝 324勝
⑩JRA+海外 GⅠ勝利 74勝 100勝
【比較する上での留意事項】
◎サンデーサイレンスの産駒が活躍していた時代と、ディープインパクト産駒が活躍していた時代では、前提条件が異なるため、単純比較が出来ないことは、まず毎回申し上げておきたいと思います。ただし、この比較には相応の意味もありますので、敢えて不定期にお伝えして参りたいと思います。
◎前提条件の違いとは、例えば、サンデー産駒の時代の海外遠征と、今では隔世の感があります。また、国内GⅠの数も違います。一方で、産駒世代数は実質12世代と同じ。それからデータですが、海外はGⅢ以上の重賞競走のデータは残っていますが、一般レースのデータは入手できていないので、通算勝利数はJRAのみで比較いたします。
ディープインパクトの産駒は走るのは、あと数年だけではありますが、さて、上記項目のうち、ディープがサンデーを超える項目はどれになりそうか?
まず、最大のテーマと言える、①JRA通算勝利数は、年内での2700勝達成は難しくなりました。サンデーの不滅の記録『2749勝』到達は恐らく2023年の夏競馬くらいになりそうな状況であります。
一方、②JRA重賞勝利数は、まだ差が30もありますので、既に相当厳しい状況だと思います。ゼノヴァースなど障害重賞を勝てる馬が出てきたので、障害重賞勝利数を幾つ積み上げられるかもポイントになりそう。
ちなみに、⑨海外重賞(GⅢ以上)も合わせた重賞勝利数では、すでに勝ち数の差は2。これを超えるのはもう時間の問題だと思います。
なお、③JRAのGⅠ勝利数(J‐GⅠを含む)は、アスクビクターモアの菊花賞勝利で、勝ち数が71勝で並びました。そして、⑥3歳クラシックは、ラストチャンスの2022年の菊花賞で24勝となり、ディープがサンデーを超えることになりました。
最後に、⑧のリーディングサイヤー回数は、もう無理と申し上げておきましょう。サンデーサイレンスの13年連続13回の記録は不滅であります。しかも、あの頃はライバルが不在のため、20億円から30億円程度の賞金額でも1位が取れました。今は、最低でも50億円を超えないとリーディングサイヤーは無理。今年度は、ギリギリでディープがロードカナロアの上に行く情勢になってきましたが、2023年はもう出走頭数が激減しますので、無理な状況であります。
上記①~⑩のうち、②と⑧を除いて、ディープインパクトがサンデーサイレンスを超える気が致します。その時はもう、JRA史上最高の種牡馬という称号を得ることになるでしょう。
ただし、10年後の評価は判りません。ちゃんと、サイヤーラインを伸ばせたかどうか。すなわち、ディープインパクトの子供たちの種牡馬成績がきちんと残せるかで、その評価が決まって参ります。種牡馬の世界は、長く厳しい評価に晒される世界であります。
【追】特報です。ディープインパクト産駒の数少ない第13世代目に、凄い馬が出てきました。アイルランドのオブライアン厩舎所属の2歳牡馬オーギュストロダン。4戦3勝でGⅠも既に勝利。来年の英国ダービーの前売り1番人気になっています。最後の最後の産駒で、ついに英国ダービー制覇や、凱旋門賞制覇があるのか⁉
亡くなったあとでも、いつまでも夢を見させてくれるのですね、ディープインパクト。本当に凄い馬です。