東洋文庫ミュージアムの「アジア人物伝─歴史を織りなす人々─」を觀る。
(※展示室内フラッシュ無しで撮影可)
古代から近代に至る亜細亜各國の歴史を、國境を取り拂ひ亜細亜と云ふひとつの地域として同時進行に見ていく企画展、支那や朝鮮はTVや映画の時代劇などである程度の知識はあるが、
(※朝鮮王朝初代李成桂の事績をまとめた「太祖實録」)
それ以外の東洋諸國についてはまったく知らないので、せっかく所藏文書が時代ごとに並列されてあってもピンと来ず、ああもったいないことだ、と思ふ。
ニッポンは島國なので、異國とは海を介して歴史が交差する。
人や文物が渡って来ることもあれば、武力が攻め込んで来ることもあり。
その海を渡って来た武力が、鎌倉時代の「元寇」なり。
ニッポン國の政權の頭は北條時宗、對する元の頭はクビライ・カアン。
古へのモンゴル族において、對外戰争などで“頭(リーダー)”を必要する場合は支配一族内の合議によって頭を選出云々、その頭の稱號を、“カン”云々。
チンギス・ハンの後をついだオゴデイは、“カン”より上位であることを示すため“カアン”を用ゐたことにより、以降チンギス・ハン直系子孫の皇帝は“カアン”、それ以外の王族は“カン”と稱し區別云々。
私は學生時代、元寇については“フビライ・ハン”の呼び名で習ったので、今回は皇帝一族でもさういふ違ひのあったことを學べたのが何より。
そして、ヒトはいつでもどこでも、上下に“階級”化したはうが識別しやすい生き物らしいことを知る。