迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

紙一重に揺れる。

2021-12-12 22:58:00 | 浮世見聞記
今日は天氣も氣温も穏やかにて、昼食後に散歩へ出やうと支度をはじめた頃、いきなり部屋がガタガタ……! と揺れて「また来たか……!」と半ばウンザリする。震源は常州、私の住む町の震度は三云々。晴天で暖かな気温だらうが、大地の揺れはお構ひなしに發生する。散歩途中で逢った菊や、まだ實をつけてゐるムラサキシキブを樂しむことも、地震にとっては知ったことでない。東日本大震災の時もさうだ . . . 本文を読む
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班女な今昔。

2021-12-12 11:14:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送で、寶生流の「班女」を聴く。美濃國野上宿の遊女花子は、東下りの途次に宿をとった吉田少将と相思相愛となり、再會の約束に互ひの扇を取り交はして別れたが、約束の期日に少将が現れなかったことから思慕のあまり扇いじりに心を奪はれるやうになり、挙げ句に宿を追ひ出され“班女”と呼ばれる狂女となって都を彷徨ふうち、帰京した男と再會する──水道橋の能樂堂で、やはり寶生流でこの曲を観たとき、演者の唐織姿にお . . . 本文を読む
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