わたしは栗駒駅まで、彼を見送ることにしました。
どうしてもそうしたかったんです。
もちろん、役者としてではなくて、旅先で出逢った一人の人間として。
神社をあとにしようとした時、ちょうど夕陽が地平線に沈んだところで、空はその名残りに、まだ茜色に染まったままでした。
駅に着くまで、彼とは殆ど会話はありませんでした。
彼が前を歩いて、わたしはそのちょっと後ろを付いていく、そんな感じで…。
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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