迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

「偲姿―オモカゲ―」17

2010-02-22 11:25:30 | 戯作
わ、やめろ…! …と、身を捩りながら平手で琴音さんの顔面を掴んで力一杯押し返すと、琴音さんは後ろへ倒れた勢いでそのまま一度湯に沈んで、その時に鼻と口から湯を吸い込んだらしく、手足をバタバタさせて溺れるのを、わたしは放ったらかしにして、脱衣場へ逃げました。 わたしはタオルで体を拭くよりも、唇をこするように何度も拭きました。 アノ生々しい感触は、なかなか消えませんでした。 何なのよ、一体…! . . . 本文を読む
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