Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

筑波西武亭

2006-08-17 21:01:11 | ibaraki
「アクアさん、アクアさん、なんか好きそうなの見つけましたよ」
後輩Yちゃんが教えてくれた「寄席・筑波西武亭」に行って来ました。先週の土曜日のことです。
落語に興味はあるものの寄席に足を運ぶのは少し躊躇われていました。回りに落語好きな友人・知人はおらず、訳も分からずに友達を誘うのも気まずいし、一人で行くのもやっぱり気まずい。デパートでお気軽に(しかも無料で!)落語が聞けるんだったら、これはお得だわ!とうきうきと出かけました。
落語を聞くのは、はとバスの大江戸ツアーかなんかで一度寄席に行ったきり(浅草寺と深川のどじょうと浅草演芸ホール(鈴本だったかな?)のツアーだったはず。)。そのときは、落語よりも紙切り芸が凄かったなぁとぼんやり思ったものでした。

さてさて、「筑波西武亭」はその名のとおりつくば市にあるデパート・西武が主催する寄席で、西武の6階にあるホールで行われています。以前、映画館だった場所ですね。
筑波西武のサイトにupされていた写真には、中年男性の後ろ姿ばかりが映っていたので、(一応)女の子(ということにしておく)は浮くかなぁと思ったんですが、夏休みということもあってか小学生低学年くらいのお子様もたくさんいました。さすがに前方は、落語好きの雰囲気を醸し出している男性が多いようでしたけどね。

最初は、柳家小権太さんの「子褒め」。
あ、落語のタイトルはお知らせしないものなんですね?「酒」「赤ん坊」「落語」で検索してタイトルを見つけました。
未だお若い噺家さんだからでしょうか?大きな声でがっつりとした話し方。
ただでお酒にありつきたい熊さんが、ご隠居に「上手な人の褒め方」を教わるところから繰り広げられるばかばかしいお話。「毎度ばかばかしいお話で」って本当にばかばかしいお話だなぁそして凄くかわいいお話だなぁととニヤニヤしたり感心したり。
隣に住んでる40歳の番頭さんに45歳ってことにしてくれだとか、地黒の番頭さんが故郷に帰ったらますます黒くなるだとか、くだらないお話を一生懸命に話す熊さん(小権太さん)が面白かったなぁ。
落ち(サゲというのが正しいのかしら?)は、生まれて7日の赤ちゃん(数えで一つ)が若く見えるってことで「どうみても、ただ」だって。
うーん、くだらない。くだらないけど、面白い。

続いて、柳家〆治さんの「猫の災難」。
小権太さんとは打って変わって静かな語り口。それでも、すーっとお話に惹き込まれてしまうのは芸の力ってやつなんでしょうか。
お話はまたばかばかしくて、隣の猫の食べ残しの鯛を貰った熊さんが、友達が買ってきたお酒を飲み干してしまい猫のせいにしてしまうというそれだけのお話。
この熊さんのお酒の飲みっぷりと酔いっぷりが可笑しい。「あぁ、こんな人今もいるよねぇ。お酒好きな人って、ずーっと変わらないんだろうなぁ」としみじみと可笑しい。〆治さんのちょっと暗い熊さんがなんだか可愛くて。
朝からお酒を飲んで恐らくとても貧乏な生活を送っているんだろうけど、それでも暮らしていける江戸の町っていいなぁ。江戸に関する少ない知識を絞って長屋の色や匂いを想像し、そこに繰り広げられる噺家さんのお話を乗っけると、隣の猫のにゃあと鳴く声が聞こえる気がしました。
私の前の席には小学生(1、2年生くらい?)の男の子がお父さんと座っていましたが、心の底から楽しそうにコロコロキャラキャラと笑っていたのが印象的。「テイって鯛のこと?」なんて聞きながら。
落語は全然難しいものじゃないんですね。気楽に下駄履きで楽しめる芸能なんだってことが分かって嬉しかった。
そのうちに、寄席デビューしたいなぁ。
次回「筑波西武亭」は10月開催のようです。また覗いてみよう


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