Daily Bubble

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明野薪能

2006-04-09 22:11:52 | ibaraki
桜の花の満開の下、薪能を拝見しました。
以前、このブログでもご紹介しました「明野薪能」が昨日行われたのです。
今年の桜は早かったから今週には散ってしまうかと心配しましたが、満開の桜がはらはらと花びらを散らせる薪能にうってつけの風情。しかし、残念なことに前日の天気予報は雷・雹・霰という散々なものだったため、今年はホールでの薪能となったようです。
以前も外で拝見したことがあるのですが、花冷えどころか真冬並みの寒さに幽玄の世界というより凍てつくように寒い北国の世界を見た思いがしたので、実は少しホッとしたのです(笑)。

プログラムは、地元の子どもたちによる小舞「柳の下」「暁」と狂言「附子」、小田原・子どもと生活文化協会の子どもたちによる舞囃子「羽衣」に続き、狂言「苞山伏」、能「天鼓」というものでした。
詳しくはコチラ

小舞とは、狂言のなかで舞われる短い舞のことで、紋付袴姿で独立した演目として演じられるそうで、小学生くらいの小さな子どもたちの地謡と舞が可愛らしい。
可愛いんだけど、舞はよく分からないのですよ…。ま、可愛いからいいの。

続く狂言「附子(ぶす)」は面白かった!友人は、「教科書で読んだことがある」って言ってたけれど、私もどこかで聞いたことのあるお話。
和尚さんの留守に、小坊主二人が「毒だから気をつけろ」と言われていた壺の中味をこっそり食べると実はお砂糖で、とうとう全部食べてしまうという他愛の無い可愛いお話。
子どもたちのお砂糖を食べる様子が楽しくて、会場も大笑いしてました。

舞囃子「羽衣」は、囃子も地謡も子どもたちによるものでなかなか立派。囃子方の子の「いよーっ」っていう声が子どもらしい高い声で、すっごい可愛いの。シテの女の子の舞が(分からないながらも)ちゃんと天女の舞のようで、素敵でした。

狂言「苞山伏」
シテ(辺りの者)野村万蔵 アド(山人)吉住講 小アド(山伏)野村扇丞
お話は、山人の苞(お弁当)を盗んで食べてしまった男と、お弁当を盗まれた山人と、山伏の三人三様に疑いをはさんだ争いなんですが…。
ちょっとシュールで怖い結末の狂言でしたね。山人に鎌を持って追いかけられた男は、その後どうなってしまうんでしょう?
それにしても狂言で使う表現って面白い!「ぎりぎりぎり…」とか「ざくざくざく…」なんて擬音を聞くと楽しくなってくる。

能「天鼓」
後シテ(天鼓の霊)前シテ(天鼓の父王伯)清水寛二 ワキ(勅使)森常好 間(勅使の使者)小笠原匡
大鼓 大倉正之助 小鼓 幸信吾 太鼓 金春国和 笛 松田 弘之
秋の季節の曲のようです。(コチラをご参照ください。)
「お能は難しくない」とは言いますが、やっぱり難しくて分からない。第一に、何を見て何を聴けばいいのかよく分からないんです。
この曲の場合、いちばん重要なのは舞台の真ん中に据えられた鼓なのかしら?天から降ってきた鼓。カラフルなテープのようなものをめぐらした不思議な台座に乗っていました。
前シテの重い苦悩を感じさせる面に対して、後シテの若々しく綺麗な少年の面の美しさが印象的でした。そして、ぴかぴかと光る豪華絢爛な衣装。中央の鼓を打つのにふさわしい美しさ。
基本はやっぱり「舞」なのかしら?うーん、いつか能を面白いと思える日は来るのかな?
恥ずかしい程に意味のない薪能鑑賞記でした。


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