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新イソップ物語3 : シマウマとライオン

2012年11月01日 | 連載中 平成イソップ物語


< ライオンの母子 >
昔々、広い草原にシマウマとライオンの家族が別々に暮らしていました。

ライオンの雄は牙と爪が鋭く、たてがみが豊で見るからに勇壮です。雄の唯一重要な役割は、他の雄や敵から家族を守ることで、この闘いで傷を負うことは多い。

雌は数匹の子供をいつも連れており、育児と狩りは雌が行います。狩りをするときは複数の雌が集団で行います。その獲物を1匹の雄が独占し、後で雌と子供達がおこぼれを分け合うことになります。


一方、シマウマもライオンと同様に、1頭の雄のもとに多くの雌とその子供達が一つの家族として暮らしています。違いは、シマウマの家族はさらに大きな群れを作り、いつも雄とその家族が一緒に暮らしていることです。



< 雄ライオンの格闘 >

ある時、ライオンの子供がつぶやきました。
「なぜ父さんは狩りをしないの、なぜ母さんの捕った餌を横取りするの」
母さんは言いました。
「父さんは偉いのよ、怖い敵から皆を守ってくれているのよ」
遠くで昼寝をしていた父さんはあくびをしながら言いました。
「・・・アー・・アー・・。お前も強くなれば、多くの妻と餌に不自由することはないぞ」



< シマウマの群れ >
離れた場所で、シマウマの子供が悔しそうに問いました。
「父さんが強くないから、私達はライオンに襲われる、悲しいな・・」
母さんは言いました。
「父さんも母さん達も弱いけど、多くの力を合わせて身を守り、一人づつ大事に子育てしているのよ」
隣にいた父さんは付け加えました。
「あの強い牙には勝てないね。しかし見てごらんライオンの雄はけがだらけだし、雌は痩せているし、栄養の足らない子供だって長くは生きられないよ。私達は皆で子供を囲うようにして、分け隔てなく餌を食べているよ」


それから長い年月が経ちました。草原には溢れんばかりの数十万頭のシマウマが草を食べていました。一方、ライオンは数十km内に数頭しかいなくなりました。


私達の世界にもこのような状況はあります。

生活水準が高く、国連の人間開発指数も共に上位を占める国は概ね女性の社会進出が進んでいます。日本女性の教育水準と健康面では優れていますが、先進国の中では就労差別が目立ちます。特に結婚と出産後に問題があり、就労機会が不平等で低賃金に押さえられています。

このことは長期的に見れば、人口逓減による低経済成長と高齢化をさらに呼び込みます。しかし一番の問題は、女性の職業選択の自由、生き方の自由が制限せれていることです。日本は人権意識が低く、海外の人権条約をいつも遅れて、急かされるように批准している始末です。これを改めないとますます国力は落ちます。その影響は尖閣や竹島の比ではない。人口の半分が女性なのですから。















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