1話では原子炉の安全性について考えました。
あまりにも安全を保証するには不確定要素が多く、予測不能な事故とシステムの巨大さが災いでした。
2話では信頼性を検討しました。
これも単純に技術的問題として扱えません。むしろそれらを作り扱う産官学の閉鎖的な組織がはるかに問題でした。
不都合な情報は隠蔽、捏造され、やがて過信と独りよがりになっていきました。
それを生んだのは、莫大な費用がかかり . . . 本文を読む
今日は世論の中身、原発に賛否を表明する人々の心を見てみます。
これはある研究所の分析と各国データーを材料にします。
原発賛否の意志とはどのようなものなのでしょうか?
シンプルに原発の危険性を認識して反対、それとも必要性を考慮して賛成なのでしょうか?
有名タレントがTVで原発がクリーンであると言ったから賛成したのでしょうか?
東大の原子炉学者がその著作で限りなく安全であると書いてい . . . 本文を読む
今まで、原発そのものと推進母体の様子を見て来ました。
しかし目に見えない、より重要な問題が日本に根を張っています。
私達はここ30年ほど原発をどのように認識していたのでしょうか。
おそらく原発村以外の人々の大半は無関心だったでしょう。
当然、原発の安全性を理解出来るだけの知識はありません。
結局、多くをマスコミ報道(解説や記事)に頼っていたはずです。
エネルギー政策の良し悪し、原発 . . . 本文を読む
原発を急激に廃止にすることは大きな経済ロスと不安、そして抵抗を生むはずです。
そこで、かつて日本の産業構造が大きく転換したことに触れます。
2年前の電力業界の売上げは16兆円、労働者数12万人でした。
原発比率30%に相当する売上げ、資本、労働者がおり、加えて原発設備産業、関連学会、官庁(財団法人)などにも従事者はいる。
これらを背景に原発廃止に対する大きな抵抗力が生まれるだろう。
. . . 本文を読む
推進母体がどのように誕生し巨大化したかを見ます。
そこには既得権益保持の為に癒着と隠蔽が横行し、独りよがりになっていく姿があります。
原子力開発の経緯と影響
1954年、中曽根らが世界に乗り遅れまいと原子力利用を唱え、政府主導で開始。
巨大な資金と技術が必要なだけに旧財閥系企業に託され、各社乗り遅れまいと追従し、読売新聞の正力が科学技術長官として牽引した。
研究開発を続けるうちに危 . . . 本文を読む
< チェルノブイリ原発事故 >
原発事故の特殊性
この最悪の背景にあるもの
航空機業界の信頼性は、①設計・製造時の破壊・耐久テスト、②製造と運行の厳格な管理、③事故調査による設計・製造の改良にあると前回述べました。
既に述べたように原子力業界にはこれらの内、②と③が完全に欠如していることが判明しました。
産官学癒着による低い想定枠(津波高さ、震度)、改造案件の無視などは国会事故調の報 . . . 本文を読む
< 大飯原発 >
前回は、原子炉の安全率と事故率を検討しました。
今回は、それに輪をかけて酷い状況を列挙します。
原子炉の安全率と事故率は計算上問題が無いと当時から言われて来ました。
しかしそれを発言し支持する組織や人々がまったく信用出来ない状態に陥っていました。
福島の事故については国会事故調査委員会の報告にありましたが、ここでは遡って見ます。
< 活断層 >
原発企業の問題
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< 福島の原子炉格納容器 >
私は当初から原発には危惧を抱いていましたが、いつの間にか、原発依存を黙認するようになっていました。
しかし福島の事故で目を覚ますことになりました。
そこで原発政策がなぜこのようになってしまったかを反省の意味を込めてまとめました。
国や社会はなぜ猛進し、国民も盲信してしまったのかを見ます。
このような無謀なことが起きる深層の原因、将来についても触れます。
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