人類が最初に美術を始めたのは、
氷河期のヨーロッパだった。
この謎に人類発展の秘密が隠されている。 . . . 本文を読む
< 岩壁画、4人の狩人とリーダー、スペイン東南部、8000年前 >
今回は、クロマニヨン人の心に起きた変化を埋葬と美術から読み取ります。
その変化がもたらしたもの、さらに原因について考察します。
前回、定住の影響を見ましたが、さらに重要なのは、家族や集団に濃密な時間が増えたことです。先ず育児に良い影響が出たはずです。また現代の狩猟採集民のように、集えば長話を楽しんだことだろう。これは知能 . . . 本文を読む
< チェコのDolni Vestonice 遺跡の再現図、約29000年前、Don’s Mapsより >
これからは原初美術誕生の意味と謎を探ります。
原初美術を誕生させた人々に迫ります。
人々が、なぜこの地に、またこの時期に芸術を開花させたのかを明らかにします。
今回は、現世人類の各大陸への展開を追います。
< 現世人類の展開 >
地図は、我らの直系の祖先(現世人類)が、世界 . . . 本文を読む
< 地図2番、巨石人頭像、高さ176cm、メキシコ、3200年前頃 >
今回で、世界各地の原初美術を紹介する最後となります。
南北アメリカの最古の美術からマヤ・インカ文明の始まりまでを概観します。
< アメリカ大陸、最古のロックアートと古代文明地域、赤色1,4がロックアート、黄色2がマヤ・アステカ、黄色3がインカ >
人類はアラスカ経由で15000年前頃にアメリカに初めて進入し . . . 本文を読む
< 火焔土器、新潟県、日本、縄文中期(約5000年前) >
今回は、日本と中国の原初美術を見ます。
その特色ある縄文美術から日本列島の原初の姿が見えて来ます。
また中国美術の源流に簡単に触れておきます。
< 左、最古の土偶、高さ約6cm、茨城県、約8000年前。右、「縄文のビーナス」と呼ばれる土偶、長野県、高さ27cm、約5000前。 >
日本列島では12000前頃から世界 . . . 本文を読む
< ビーマベトカのロックアート、盾と剣を持った戦士 >
今回は、インドとオーストラリアの原初美術を見ます。
< 原初美術の遺跡分布図、赤い部分が主な氷河期美術域、番号1~7が他の原初美術域 >
< 地図3,インド中央部高地にあるビーマベトカ山 >
ビーマベトカ山には、壁画がある岩陰や洞窟遺跡が3百ヵ所ほど見つかっている。
概ね1万年前から描かれ、後に農耕先住民によって描き加えら . . . 本文を読む
< スペイン、Minateda、女性と子供、レバント美術の岩絵 >
光彩を放った氷河期美術にやがて衰退が訪れます。
この衰退は、新たな展開の始まりを予兆していました。
この大きな変化を少し辿って見ます。
< アジール文化、彩礫と骨角器 >
1万年前を境にして、彩色豊かな洞窟壁画や生命観溢れる動産美術は突如として作られなくなりました。
一方、それまでのフランス、ドイツ、チェコ . . . 本文を読む
< 振り返るバイソン : マドレーネ、2万年前 >
今まで5回にわたり、ヨーロッパで起こった氷河期美術を見てきました。
今回は、氷河期美術の特徴から、美術誕生の意味を考えます。
< ドルニーのビーナス:チェコ、約30000年前。 ネーブラのビーナス:ドイツ、15000年前。 >
氷河期美術全体の特徴
1. 描かれ造形されたもの
馬、バイソン、鹿が多く描かれたが、容易に捕れる魚、 . . . 本文を読む
< 図1、Trios Freres 洞窟、シャーマン >
今回は、氷河期ヨーロッパの最後を飾る素晴らしい美術品を見ます。
これらはやがて忽然と姿を消す運命にありました。
氷河期最後を華々しく飾るのはスペインのアルタミラ洞窟(約14500年前)です。
北側に5kmに海があり、標高160mのなだらかなカルスト丘陵にある。
< 図2,大天井 >
< 図3,バイソン >
壁画が . . . 本文を読む
< ドイツ、ゲナスドルフ遺跡の女性線刻画 /「ゲナスドルフ」G.ボジンスキー著より >
前回は、氷河期最後を飾った動産美術(女形のブローチ、ライオンマン)を見ました。
今回からは氷河期の見事な洞窟壁画を見ていきます。
人類は突如として芸術を生んだかのようです。
最初に、前回の補足説明をします。前回示したネーブラのビーナス像が男根に見えるとの指摘がありました。ネーブラと同じビーナス像を . . . 本文を読む