夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

1月13日(日)のTW:#事物、#価値、#欲求

2019年01月14日 | 法の哲学

 

 

 

 

 

※20190114追記

ここでは「die Sache」を「事物」と訳したが、「事柄」とも、単に「もの(物)」とも訳すこともできる。人間の所有の対象はかならずしも「物」のみに限らないから、とりあえずここでは「事物」と訳しておいた。「die Sache」と     「die Dinge」の違いがここではよくわからない。

この「die Sache」はのちにマルクスが「商品(die Ware)」として、資本論のなかで詳細に分析し、そのなかに含まれる要素として、使用価値と交換価値 Gebrauchswert und Wert(Wertsubstanz, Wertgrose) を見出し、さらに、その価値の実体として人間の労働力を対象としたことで知られる。

しかし、価値の実体とは、ここでヘーゲルが明らかにしているように、欲求一般という普遍性であり、「特殊な欲求」を抽象化することによって、その真の実体として「価値」を人間の意識の対象としたものである。したがって事物の真の実体、価値の実体は「人間の欲求」であって、かならずしも「人間の労働力」ではない。

 

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