夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

史上最大の問題作!全米大学生の必読書、プラトン『ポリテイア(国家)』とは|納富信留

2024年02月17日 | 哲学一般

史上最大の問題作!全米大学生の必読書、プラトン『ポリテイア(国家)』とは|納富信留

 

たまたま納富信留先生の短い講義を動画で見て、あらためて文庫本の『国家』や『饗宴』を読み直してみたいと思いました。『国家』は危険な本なのでしょうか。しかし、まとまった時間もとれず、いつのことになるやら。ただプラトンの哲学の本質については、私は次のような認識をもっていました。

ちょっと時間にまかせて、私のブログの中で「プラトン」で検索してみると、意外に多くの論考で触れていることがわかりました。

民主主義の概念(1) 多数決原理 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/bzatIz
哲学の仕事 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/QtrzRq
哲学の仕事② - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/v3MXx2
『薔薇の名前』と普遍論争 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/XXPXHK
ヘーゲルのプラトン批判 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/mhqEaV
「汝自身を知れ」(グノーティ・セアウトン) - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/t2bi3Q
国家指導者論 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/RIpauR
『法の哲学』ノート§2 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/LjpzOm
哲学の伝統 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/DPN3Ja
ロゴス(ho logos)・概念・弁証法 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/y1JNgU
8月26日(月)のTW:世界史と理性 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/OlvfsQ
民主主義の人間観と倫理観──皇室と民主主義 - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/X5JJLP
2月3日(土)のTW:ソクラテスやプラトンの理解したノモス(nomos) - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/AmumTY
ヘーゲル『哲学入門』第二章 義務と道徳 第七十節[礼節について] - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/xmd6iP

これはヘーゲル哲学がプラトンからの深い影響の上に立っているせいかもしれません。

 

 

 

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保守自由党と民主国民党による日本政治

2024年02月05日 | 国家論

 

保守自由党と民主国民党による日本政治


きのうの私のブログを見ると、このブログを立ち上げてまだまもない二〇〇五年の九月ごろに書いた『自由と民主政治の概念』という論考が「このブログの人気記事?」の筆頭に上がっていました。 ── その記事を書いてから早いもので、すでに二〇年近くも経過していることになります。

 ──その当時から現在の日本の政党政治の現実を見ても、現況はさらに悪化しており、その停滞と混沌ぶりは目に余るものとなっています。年明けてまもなく、清和政策研究会(旧安倍派)や二階派、さらに現在の岸田首相の総裁派閥である岸田派などの自民党のパーティー券収入にかかわる政治資金規正法違反があり、旧安倍派などにあっては、西村氏や 世耕氏などの幹部クラスが検察の槍玉に挙げられて政治生命すら失いつつあるような状況にあります。

その一方、日本を取り巻く今の国際環境は、ロシアのウクライナ侵略やイスラエル・ハマス戦争、さらに軍事的に脅威を増しつつある台湾有事の懸念など、日本のおかれた国際的な環境は、軍事的にも片時も揺るがせにできない緊迫した中にあります。また、日本の国内状況を見ても、令和六年の正月すぐに能登地方を襲った大地震など、その支援体制と復興に一刻を争う中で、緊急を要する国内行政でも効率的で迅速的な有効な諸政策が講じられていません。国内政治も外交も混迷を深めるばかりに見えます。これでは国民に安定した福祉と幸福な日常生活は望むべくもありません。現在の日本の政党政治の改革をなんとしてでもやり遂げて行かなければなりません。

 20年ほど前に書いた「自由と民主政治の概念」という私の論考においては、日本の政党政治が、基本的には自由党と民主党の二大政党によって担われていくことを主張したものですが、それは二〇年近くも経過した今もなお実現されていないのは、我が国の現在の政党政治の現実に見る通りです。この堕落した無能力の政党政治を改革しなければ、国民の生活もさらに劣化していくばかりで、また軍事国防においても外国からの侵略から国家主権と国民生活を守り切ることさえもできないと思われます。

まず、根本的に重要なことは、政治家たちも国民一人ひとりも、日本国の国家理念を、「自由にして民主的な独立した立憲君主国家、日本」を国家理念として、国家目的として自覚して、必要とあればそれに命をかけても追求していくことだろうと思います。

この国家理念の追求は具体的には、自由の実現は「保守自由党」の手で、また、民主的な国家社会の形成は「民主国民党」にそれぞれ中心的に担わせ、この国家目的を、この二つの国民政党によって追求し実現していくのが理想的です。その一方で、日本国民の一人ひとりが、我が国の政党政治の中から「全体主義的な政党」や「カルト政党」といった性格をもつ政党を排除していくこと、そうした見識をもって行動していくことです。そうして国民の一人ひとりの生活の安定と幸福に直結する日本の政党政治の改革につなげて行くことです。

 

自由と民主政治の概念 - 作雨作晴 https://tinyurl.com/28435ams

日本国の「国家理念」の定式化とその意義について - 夕暮れのフクロウ https://tinyurl.com/25bdu6pm

民主主義の概念(2)  兵役の義務 - 夕暮れのフクロウ https://tinyurl.com/29bmuz5h

§280 Zusatz.[君主と完成された国家組織体] - 夕暮れのフクロウ https://tinyurl.com/22qjuqx9

 

 

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ヘーゲル『哲学入門』 中級  第二段  自己意識  第二十九節 [主と僕]

2024年02月01日 | ヘーゲル『哲学入門』

 

ヘーゲル『哲学入門』 中級  第二段  自意識  第二十九節[主と僕]

B. Herrschaft und Knechtschaft(※1)

§29

Der Begriff des Selbstbewusstseins als eines Subjekts, das zu­gleich objektiv ist, gibt das Verhältnis, dass für das Selbstbewusstsein ein anderes Selbstbewusstsein ist.(※2)

B. 主であることとしもべであること

第二十九節[主と僕]

同時に客体的でもある一つの主体としての自己意識という概念は、その自己意識に対して他の自己意識が存在するという関係におかれる。

 

※1
自己意識の概念の進展において、まず欲望において客体的でもありかつ主体である個人(前節)に自己意識が確立されるが、この自己意識の対象は、単なる物からつづいて他の自己意識へと向き合うことになる。その関係性は、さしあたっては「主であることとしもべであること」(Herrschaft und Knechtschaft)である。

金子武蔵氏は「主であることと奴であること」と訳し(岩波版『精神の現象学』)牧野紀之氏は「主人であることと召使であること」(鶏鳴出版『精神現象学』)、武市健人氏は「支配と隷属」(岩波文庫『哲学入門』)とそれぞれ訳している。

 Herr
主、主人、主君、殿
Herrschaft 
支配、主権、領土
Knecht
僕しもべ、使用人、召し使い、奴隷、 従者、下僕
 Knechtschaft
隷従、隷属、奴隷制

-schaft 接尾辞
 名詞・形容詞・動詞などにつけて、性質・状態といった抽象的意味を持つ女性名詞をつくる。
(註解において有用であればドイツ語についても文法的、語学的注釈もしていくつもりです。)

※2
「主であることとしもべであること(Herrschaft und Knechtschaft)」の関係性は、ただ個人の間ばかりとはかぎらない。それは諸動物において典型的に現れ、さらには国家や部族、民族、企業など、意志と欲求とをもつあらゆる主体同士の間にも現れる。たとえば敗戦の結果としてのアメリカと日本。

 

 

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