ヘーゲル『哲学入門』 第一篇 存在 第一部 質 第八節[質]
Erster Teil. Das Sein.
第一篇 存在
Erster Abschnitt Qualität
第一部 質
§8
Die Qualität (※1)ist die unmittelbare Bestimmtheit(※2), deren Veränderung (※3)das Übergehen(※4) in ein Entgegengesetztes ist.
第八節
質は直接的な規定性であり、その変化は対立物への移行である。
※1
質(Qualität)とは、「あるものが何であるか」ということ。
※2
質は「直接的な規定性(unmittelbare Bestimmtheit)」と定義される。つまり、媒介されておらず、存在に直に結び付いており、その質が失われればその存在そのものが消滅する。
※3
質の変化(Veränderung)とは、あるものが、対立する他のものへと変化することである。たとえば、生から死ヘ、歓びから悲しみへ。また、水は、0℃以下で氷に変化する。
※4
Übergehen(転化・移行)は、存在するものが、自己を否定することによって他者へと変化する動きのこと。「存在」するものは、有限であるゆえに否定性を含み、その限界を超えると自己を否定して「他なるもの」「対立物へ(in ein Entgegengesetztes)」と転化する。
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