GOGO三国志!

2014年に復活した白井恵理子先生の劉備くんシリーズや長池先生の「破龍」(完結)他三国志作品を応援しています!

三国志読本(北方三国志・別巻)

2005-05-07 22:02:37 | 三国志/関連本
三国志読本(とくほん)北方三国志別巻/北方謙三 監修/角川春樹事務所/刊行中/571円(本体価格)

内容とコメント「北方三国志」の文庫化に際し、発行された手引書。「三国志」への深い思い入れを語った著者インタビュー、三国志時代の地理的検証、軍事、戦闘艦、武器、鎧の解説、官職と給与の紹介、曹操の詩作や食文化といった資料、「北方三国志」の内容に沿った人物の精神論、人物事典、年表、新聞「三国志通信」(単行本各巻付録を改訂)を収録しています。
戦闘艦の解説は図が欲しいところですが、その他の資料と共に興味深い内容になっています。

この項目がキラリ!
北方氏ロングインタビュー。武将一人一人に対して好意的で、書いてて楽しかったり、思い入れが強すぎたために先の執筆が非常に辛かった事を語られていたのが嬉しいです。
執筆当時の、西村京太郎氏や角川春樹氏とのエピソードがほほ笑ましいです。

この武将がキラリ!
張遼。彼の人物像はある武将の人格をフォローする役割があった事が明かされ、正直ショックですが、それだけに留まらない独自の軍事センスの持ち主と想定されていたのが嬉しいです。
個人的には張遼は関羽の人格もフォローしていると思います。張遼の生きる理由が関羽のあの台詞に尽きると見ていますので。

北方謙三 三国志

2005-05-04 20:24:55 | 三国志/小説(正史ベース)
三国志(全13巻)/北方謙三 著/角川春樹事務所/刊行中/文庫版 各571円(本体価格)

内容とコメント著者の肉付けによる人間的な群雄、そして女性たちがそれぞれの思惑や信義を持ち乱世に生きる姿を描いています。既存の三国志のイメージで読むと、戸惑いや反発を覚える人物像ですが、その生き様に気付けば惹きつけられています。
戦闘では騎馬隊の描写が圧巻です。騎馬群が生き物のようにうねり、突撃する様や、去った後の戦場の荒涼とした様がそのすさまじさを物語ります。

この武将がキラキラ♪
呂布と張飛。愚かしさも見苦しさも無く、まして野心も無い呂布。乱世を生き抜くべく戦い続け、誇りを貫こうとした、三国志作品随一(?)の「かっこ良すぎる呂布」です。
張飛は、粗暴な言動の裏に温情が隠されている(隠している?)好人物です。

この描写がキラリ!
呂布と馬超の恋愛模様。赤い布と玉璽という、それぞれが作用し、象徴となる「小道具使い」が絶妙で、劇的な場面を鮮やかに印象付けています。馬超は台詞も良いです(少女漫画風?)。

この女性がキラリ!
董香(とうこう・張飛の妻)と甄氏(しんし・曹丕の妻)。張飛に母性的でまっすぐな愛情を注ぎ生きた董香には素直な好感を抱きます。
一方で、曹丕と最後まで愛憎劇を繰り返した甄氏の謎に満ちた胸中に対しては、複雑でやるせない思いに駆られます。二人の他、様々な女性が乱世に翻弄されながらも、健気に生きています。

三国志早わかりハンドブック(偕成社三国志・別巻)

2005-05-02 20:51:34 | 三国志/関連本
三国志・別巻三国志早わかりハンドブック/渡辺仙州 編著・佐竹美保 絵/偕成社/刊行中/1000円(本体価格)

内容とコメント「三国志」全4巻の解説書。巻頭は群雄のカラー絵から成り、本書に沿ったあらすじや年表、主要人物の系譜、度量衡の換算値を掲載する他、当時の中国の情勢(異民族や政治体制、暦など)を解説しています。
面白いのは官位の名や位の高さ、役割を解説した「官職早わかり表(50音順)」と、武将同士のつながりを列挙した「登場人物おもしろ組み合わせ」。三国志を深く楽しめる趣向になっています。

この項目がキラキラ♪
出師の表の原文と訳文掲載。諸葛亮が魏へ北伐する際に蜀主・劉禅にあてた上奏文で、先代・劉備に受けた恩義や蜀の内政の充実を忠言するなどの内容をわかりやすく訳しています。

この項目がキラリ!
巻末の三国志人物事典。「三国志」(全4巻)に登場する500人あまりをほぼ挿絵つきで紹介しています。例え話に登場する春秋・戦国・前漢時代などの人物まで出て来ます。