GOGO三国志!

2014年に復活した白井恵理子先生の劉備くんシリーズや長池先生の「破龍」(完結)他三国志作品を応援しています!

長池とも子三国志「破龍」趙雲登場編

2006-12-26 20:27:09 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第十四話 三顧の礼/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/雑誌価格580円(込)

内容とコメント少女漫画版三国志の「プリンセスGOLD」2007年1月号掲載分。
概要は孔明が劉備の三度の訪問を受け、劉備に仕える為に旅立つ話ですが、この作品では孔明の家庭の変化も絡めて描かれています。
官渡の戦いから9年、黄月英との結婚から5年が経った諸葛家。世はますます乱れる中、相変わらずのんびりと暮らしていた孔明に2つの変化が訪れます。
劉備に仕えていた徐庶が自宅を訪れ、彼が熱心に語る様子から、劉備に興味を持った孔明が、その人となりを確認し、ようやく会えた劉備の言葉により、ずっと抱えていた曹操への畏怖から解放され、出廬(しゅつろ)を決意する流れが無理なく展開します。
劉備の人物像はさすがに9年も経っているのでだいぶオヤジ臭い…もとい、渋くなられています。語る言葉も苦労・経験を重ねているせいか、重みが伴ってきた印象です。
この作品のもう一つの見どころとして、諸葛家の跡継ぎ問題が発生します。これも養子を取るよう勧められる話から始まり、月英の葛藤(心理描写)もあって自然に話に引き込まれます。ここでは強烈なキャラクター・孔明の姉が登場し、圧倒されました。

この武将がキラキラ♪
タイトルにもあるように、趙雲がついに登場しました!単行本が出るまでのネタバレ防止中ですが、(でも前回の記事でだいぶバレバレ)あの武将に似ています。違いとしては外見は髪の分け目が違います。顔は似ていますが、違う雰囲気になるよう、ちゃんと書き分けられています。清廉な人物なので趙雲ファンも安心出来ると思います。
この趙雲の登場が、後々(赤壁の戦)どう影響するのか、今後の役どころがとっても気になります。

再会の3人!
個人的に凄く嬉しい、徐庶と月英さん、諸葛均の再登場。調べてみたら、何と約一年ぶり(汗)の再登場でビックリしました。徐庶はきちんと髪をまとめていて見違えました。別れ際がやけに爽やかなのがちょっと怖い気もしますが…。頭はいいから、無茶はしないと思いますが、曹操(又は夏侯惇)の方が危険視したら…と考えると先々の展開が妙に不安に駆られます。それ以前にもう出番が無いかもしれませんが。
月英さんはもみあげがくるくると巻かれていて、相変わらずのかわいさでした。
また、以前のかわいらしさを残しつつも良妻の顔という美しさにも魅せられます。苦労する場面もあるのは辛い所ですが。
そして、月英の有名な話のからくり人形が麺を作る場面が出て来ました。
諸葛均はすっかり青年になり、お嫁さんと共に出て来ました。大きくなったなあ~という感じです。

待ちぼうけの2人…
張飛と関羽。劉備につきあわされて孔明を訪ねては不在だったり、待たされたりで不満顔の2人。セリフは無いもののしっかり表情が物語っています。
張飛も関羽もだいぶ貫禄のある顔つき(髯)になって来ましたが、以前のような大ゴマでの活躍が今後見られるのか不安はあります。
次回辺りで、今回待たされた事も含めた孔明への不満と確執が描かれるのでしょうか?

この人物がキラリ!
もしかしたら初登場の諸葛瑾!たった1コマですが、次男の子がわんぱくながらも良い子のようなので、父である諸葛瑾の人柄が窺い知れます。この方も今後に出番はあるのか、気になります。

今回までの話が来年2月16日発売の単行本4巻に収録されると思います。
曹昂に、すっかり少女漫画仕様でかっこ良くなった孫策に、今回初登場の趙雲も出ますよ~。あ、あと見つけにくい袁紹も


「破龍」趙雲登場編立ち読み感想

2006-12-18 20:27:17 | 長池とも子「破龍」
発売中のプリンセスGOLD掲載の「破龍」を早速立ち読みして来ました。
趙雲は長池先生の日記で触れられていた通り、あの武将に似ています。孔明は会って驚かないのが不思議です。程普や黄蓋たちがビックリしそうです。(出番があれば)
個人的にはや徐庶や黄月英がものすごく久しぶりに再登場した事が嬉しいです。
徐庶は見違えました。額に傷が無かったら「誰?」と思っていたかも。
趙雲も徐庶も既に劉備配下として登場して来ましたし、前回からかなり長い空白期間(その間に月英との話が入っている)がある事に読者の方が混乱しないかちょっと心配です。
あとは、今回も強烈な方が出て来ましたが、この方も出番は今回限りかも…。

紹介文はちゃんと雑誌を買った後に書いてこのブログにアップします。

次回は長坂坡(ちょうはんは)の話だそうです。長坂で活躍するのは何も趙雲だけでは無いので、張飛の出番もあって欲しいです。
…少女漫画だから難しいかも…



「三国志マガジンVOL.12」その2(終)連載作品編

2006-12-11 20:34:50 | 三国志/漫画
内容とコメント今回は三国志マガジンの連載作品のご紹介です。著者はカッコ内です。

読み物
中国「赤壁大戦前景画舘」取材報告…湖北省武漢市にある赤壁の戦いを描いた、高さ18メートル、幅35メートルの巨大な一枚絵のレポート。油彩風の彩色の為か、中世ヨーロッパの戦の絵のように見えてしまいます。絵の手前は模型によるジオラマだそうですが、写真で見ると絵と同化していてよく判りませんでした…。実物を見れば感動ができるのかもしれません。

三国志ニュースClip…今回はDS用ゲームソフト「横山光輝 三国志」の情報。
横山さん版三国志漫画をフルカラーで楽しめるデジタルコミックにシミュレーションゲームを加えた内容です。他にも三国志クイズなどもあるそうです。
漫画のカラー化はただ色で塗りつぶしただけでなく、横山氏の塗り方に忠実に再現されているので、とてもきれいです。
第一巻「桃園の誓い」は今月28日発売予定で、価格は3990円(込)。
全60巻を10巻ずつ収録予定、という事はソフトが全6本になる?

名言三国志(島崎晋)…三国志に出て来る故事名言の解説。有名な言葉ばかりなのでファンにはすっかりおなじみなのですが名言を生んだ場面を改めて読み返すのもいいかもしれません。挿絵の閑乃路夕華先生の呂布と劉備が幾分暴走気味。

うまなみ三国志(大澤義貴+荒木風羽)…三国志時代の医術がテーマ。周の時代(日本はまだ邪馬台国の頃)に既に高度な医療が発達していた中国。漢方の基礎になった「傷寒論(しょうかんろん)」や三国志の医療を語るのに外せない華佗の功績も漫画で紹介されています。
漢方薬や食事療法は納得ですが、大昔に既に獣医があった事には驚きました。今回も勉強になりました。

随筆三国志(大澤義貴)…曹操に医師として人もうらやむ位厚遇されたものの、それを不満に思い曹操に反抗した華佗の動機に迫った内容。職業上、病人に関わる事が多く、孔子にも卑しい職業とされ、風当たりの冷たかった医師と言う職業。華佗もそれを恥じていて医師として扱われるのが不満という話でした。
高度な医療で病人を救う事を大事と考えれば、華佗(医師)を優遇した曹操の考えは新しいものなのかもしれません。

三国志新聞(大澤義貴)…三国志の背景を記事にしたもので、掲載漫画の内容にあわせた記事を掲載しています。「天命人語」の文は馬謖?おまけ漫画の「アレ国さん」(末弘リョー子)はすっかりとうたくさんやリョフの異動先(活躍の場)になっています。

連作漫画
火鳳燎原(陳某)…いつの間にか劉備たちが再登場していると思ったら、読者の方のおたよりによると趙雲登場場面がカットされているそうです。カットされている所があるとは知っていましたが…正直ちょっと残念です。でも関羽の見せ場があったのは良かったです。
呂布と趙火の決着は持ち越され、次に舞台に上がるのは曹操?やっと出番が来たようです。

STOP!劉備くん!(白井恵理子)…日本の教育を脅かすいじめや未履修問題、予想外(内?)な出来事が早速ネタとして登場します。
周瑜が手に入れた「デスノート」ならぬ「ドスノート」の効果とは…。これやってみたいかも?
某霊視番組の美輪さんに扮した劉備やダリに変装した曹操、顔文字の関羽や張飛、食糧難の危機に見舞われた曹操軍がかなり笑いました。ダリヒゲはいつものヒゲとそんなに変わらないです。
趙雲が劉備の婚礼の為に呉へ行った時に孔明から渡された3つの袋のネタは意外にも初登場です。三国志漫画にありそうで、今まで無かったです。

三国志名言譚(原作:寺島優 作画:末弘)…最終回である今回の名言は「泣いて馬謖を斬る」。有名な話を脚色した内容。馬謖が優秀な兄弟と比較され、劣等感を抱いていた人物像になっており、それが後の過信、過失を招く要因につながっています。
「名言譚」のもう一つの特徴(?)名将シリーズの最後を飾る王平の活躍がかっこ良かったです。

呂布が起つ!(島崎譲)…呂布シリーズも最終回。下邳(かひ)に追い詰められ、籠城(ろうじょう)する呂布軍は陳宮の策で曹操を挟撃を決行するが呂布の前に現れた曹操は巨大な日輪を背負っていた…。呂布の壮絶な最後が描かれます。個人的には陳宮との場面と、曹操の「この世には…」のセリフが良かったです。

この趙雲がキラリ!
何だか今回の「三マガ」は趙雲特集だったようですが、個人的に良かったと思ったのは「劉備くん!」の趙雲でした。
威厳たっぷりの関羽には、実は弱点がいっぱいで(苦手な食べ物とか)、それを知る趙雲が他人には黙っていたり今回のように見ないふりをしてくれるお陰で威厳が保たれているようです。


「三国志マガジンVOL.12」その1趙雲特集?とその他の作品編

2006-12-02 20:32:14 | 三国志/漫画
コミックフラッパー1月号増刊 コミック三国志マガジンVOL.12/著者はカッコ内/メディアファクトリー/刊行中/550円(込)

内容とコメント三国志関連の漫画やコラム、その他の情報を掲載した専門の雑誌。
今回は趙雲が出て来る作品とその他の作品を簡単にご紹介します。

趙雲特集?
雑誌表紙(中井覺)…赤子の阿斗を抱き、大剣を振り上げる趙雲の絵。炎のようなオレンジ色の彩色は珍しいです。趙雲というと普通はどうしてもこういうイメージになってしまうのが個人的に残念です。もっとかっこ良い場面があるのですが。

子竜と飛燕(こしじまかずとも)…劉備に出会う前の趙雲の話。常山で一大勢力を築いた黒山の飛燕と、それを支えて活躍する子竜だが、その強さと時の流れが2人に確執と転機をもたらす事に…。

アレ国志(末弘)…こちらの趙雲は糜(ビ)夫人に振り回される常識人にして苦労人。
壊れ気味の夫人は死にそうな気配は少しもありません。じゃあ、井戸に身を投げる必要無いじゃん(白井先生風)。何気にアトが頑丈(丈夫)ですし。
バチョーも相変わらず苦労してますが、今回は関羽も出たのが良かったです。(バイキング?山賊?)

その他の作品
鋼鉄三国志(作画:KYO 原案:鋼鉄三国志製作委員会)…新連載。玉璽(ぎょくじ)をめぐる争いに孫策や彼に父を殺された陸遜が巻き込まれていく話。読んだ印象では玉璽が力がみなぎるスーパーアイテムであるものの、同時に災いを呼ぶ呪われグッズでもあり、武将たちがそれに踊らされています。
呉が舞台という事で期待はしていたのですが…衣装が現代風なのと、画風や玉璽の設定が少年誌の漫画のようになってしまったのが残念です。

兄弟詠‐曹丕と曹植‐(加倉井ミサイル)…曹丕と曹植の兄弟の確執を甄氏の存在を話の中心にして描いた作品。曹丕はもっと色々悪い印象のエピソードが知られていますが、この作品では甘めに描かれていて、そこが読者ごとに違う読後感をもたらしそうです。
何気なく楊修も登場しています。

ハイバチュン(倭日向)…諸葛亮の南征よりはるか180年も前に漢族と戦った姉妹の伝説。
その当時の南越(ベトナム)に暮らす徴(チュン)姉妹は漢民族の蘇定の暴政に平穏な日々を奪われ、ついに漢から独立する為に戦を起こす。この時に馬騰・馬超の先祖で朝廷から派遣された馬援(馬超も)が登場します。

欺瞞の儒雅(ぎまんのじゅが)(中島三千恒)…馬超を追い詰めた烈女王異の話。曹操に反逆した馬超を迎え撃つ趙昂(ちょうこう)とその妻・王異。過去の戦での出来事により、戦人の妻として節義を固辞し、自分や子の命も惜しまなくなった彼女だったが、馬超との戦いでそれが正しいのか疑問が生じていく…。
この作品の馬超のほぼ完璧な非情さを持っている人間像が、王異の心境の変化に作用しています。