GOGO三国志!

2014年に復活した白井恵理子先生の劉備くんシリーズや長池先生の「破龍」(完結)他三国志作品を応援しています!

「三国志マガジンVOL.5」その1 お金と赤壁の戦い

2005-09-30 20:38:06 | 三国志/漫画
コミックフラッパー11月号増刊コミック三国志マガジンVOL.5/著者はカッコ内/メディアファクトリー刊/刊行中/550円(込)
内容とコメント「赤壁の戦い」徹底特集の今号は、色々興味深い内容だったので、いくつかに分けてご紹介します。
「うまなみ三国志」(大澤良貴、荒木風羽)
今回のテーマは「お金の話」。中国のお金の成立から発展、通貨の統一といった歴史から始まり、後漢に現れた董卓による通貨価値暴落とその狙いを説明しています。
貨幣改鋳(改悪)って、日本の江戸後期(荻原重秀が財政難打開の為に行い、結果は物価高騰)にもありましたけど、董卓の場合は利己的とは言え、その狙いと言うか、経済感覚は感心してしまいます。
董卓は、現在日本で流行っている株操作などをやらせてもとんでもない事をやらかしそうです
その前に、中国企業による買収なども今凄まじいです。中国の人って経済センスがあるのかもしれませんね。

「随筆三国志」三国時代のマネーサプライ(前)(大澤良貴)
「うまなみ三国志」でも取り上げた董卓の貨幣改鋳は何故行われたのか、その背景を補足しています。結論はやっぱり利己的ですが。
また、目玉として、「赤壁の戦い」の原因として江夏郡にある銅鉱山に着目し、ここから銅の供給を図ろうとして南下した為と推測しています。これが興味深い内容で、曹操にしては慎重さを欠く戦の仕掛け方も、これが原因なら少し納得できます。曹操も民の為に気を遣っていたのがちょっと意外です。→最終的には曹氏の天下の為ですが。これなら曹操らしいかも?

また、著者が指摘されていたように、江夏の重要性を知っているかどうかで、ここに劉を逃して劉備たちの落ち着き先としておいた諸葛亮の先見力や孫権の執着があったかどうかを考えてみるのも面白いです。
ただ、地図が掲載されていなかったので、文章を読んだだけでは地理の把握が難しいかもしれません。地図帳を片手にお読み下さい。


「三国志マガジン」3作品一挙単行本化!

2005-09-28 20:27:50 | 三国志ニュース
同誌(メディアファクトリー刊)に連載中の三国志漫画がこの秋遂に単行本になります!
発売は11月22日(火)で、価格は現在未定です。
タイトルはこちらです。
「三国志群雄伝火鳳燎原」(陳某 著)第1巻
「曹操孟徳正伝」(大西巷一 著)第1巻
「STOP!劉備くん!」(白井恵理子 著)第1巻

「火鳳燎原」は司馬懿に焦点を当てた作品。台湾の雑誌で連載され、日本でも話題になっていました。司馬懿や董卓のイメージが変わるかも?
「曹操孟徳正伝」は曹操の生涯を描いた作品。悪役や自信に満ちたイメージではなく、乱世に苦悩する一人の人間としての曹操が登場します。
「STOP!劉備くん!」は「NHK人形劇三国志」などに影響を受けた作者によるパロディ漫画。とは言え話も絵柄も独特で人気を集め、何度も連載中止に追い込まれながらもその都度復活を果たしています。
「劉備くん!」は待ちに待った単行本化です!今までの未掲載分もおそらく収録されると思います。単行本化が実現するまで、一体何年かかった事か…。諦めずに支持して下さったファンの皆様、本当にありがとうございます!
実際にこの手にするまでは何だか夢のように感じますが、発売を楽しみにしております!




長池とも子 三国志「破龍」孫堅恋愛編

2005-09-27 20:27:17 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝破龍 ~番外編~「碧眼の花嫁」/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/580円(込)
内容とコメント少女漫画雑誌「プリンセスGOLD」2005年10月号に掲載された「三国志」の読みきり作品。番外編の今回は孫策の父母・孫堅と妻の呉栄(ごえい)、二人の出会いと恋愛が描かれます。
水賊退治に明け暮れていた若き孫堅は、ある日青い瞳を持つ少女に出会い、すっかり心を奪われてしまいます。その少女が後に妻となる呉氏なのですが、この作品では青い瞳を持つ事で家族に忌み嫌われ、それを自覚しているという設定になっています。それも充分孫堅を惹きつける効果になっています。
出会いの場面や賊に捕らわれた栄を救い、彼女も想いを寄せてくるあたりは少女漫画らしい展開です。
孫堅は前回の柔和な印象から一変して、血気にはやる若者、という人物に描かれ、外見は孫策そっくりです。(親子なので当然ですが)柔和な感じになったのは、呉栄に拠るところが大きかったのかもしれません。驚きの変わりようです。

この設定がキラリ!
「碧眼」…碧(あお)い眼を持つという孫権の描写のために、気になる人には謎の一つとして捉えられてしまう、魔力を持った設定です。
「三国志マガジンVOL.4」の天真楼亮一氏の作品では孫権の母(呉氏ではない)がローマの人で青い瞳を持つ設定で、この作品では呉氏の父が胡人で、彼女の瞳はその遺伝、という設定になっています。詳しい民族名は伏せられていて、それがまた想像力を膨らませてくれます。…トルコ系かな?ロシア系かな?という感じです。

この武将がキラリ!
孫堅の弟、孫静(そんせい)。この作品では幼いながらもしっかりした弟ぶりを発揮しています。何気なく長池先生の弟キャラはしっかり者という共通項があります。
孫静は兄に従軍し、兄の死後は孫策を助け、活躍した後は故郷の守備に就いたエピソードや、軍で活躍したにもかかわらず意外にも争いを好まない性格だった事など、充分主人公の素質を持っていると思うので、彼を主人公にした作品も読んでみたいです!
でも少女漫画という事で必ず恋愛が絡んでしまいそうですね…(汗)。

このコメントがキラリ!
長池先生は孫堅の庶子、孫朗(孫匡‐そんきょう‐と混同される?謎の人)に興味をお持ちのようで、作品化への意欲も本誌で見せています。漫画化、楽しみにしております!!
ちなみに、孫朗は伴野先生の「呉・三国志」で影の主役として描かれています。