GOGO三国志!

2014年に復活した白井恵理子先生の劉備くんシリーズや長池先生の「破龍」(完結)他三国志作品を応援しています!

長池とも子三国志「破龍」官渡決戦

2006-10-29 20:28:36 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第十三話「官渡決戦」/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/雑誌価格600円(込)

内容とコメントジャンルは少女漫画ながらも最近は本格的な戦記ものになって来た、長池とも子さん版三国志の「プリンセスGOLD11+12月号」掲載分。
タイトルどおり今回はようやく袁紹対曹操の官渡決戦が描かれます。圧倒的優位の袁紹軍に苦戦する曹操。多くの命が失われる戦を止めようと必死の孔明は曹操を優位に立たせ袁紹と停戦交渉をさせる為に呉の孫策の同盟を取り付けるが…。

誰もが知る官渡の戦の話(戦闘描写や関羽の出番などはありませんが)と、その裏で孔明が奔走する話に孫策・周瑜の天下獲りの夢が交錯し、それが一つにまとまった時、曹操と孔明が決裂する出来事が描かれる、その見せ方がすごいです。
曹操と孔明が決裂する事になった決定的な出来事とは…!?
武将については、今回の夏侯惇はちょっと世話焼きな役どころです。

この演出が…
孫策と周瑜の場面。衝撃の展開の前のあのシーンは読み終わった後になると切なくなります。その演出の仕方がおやくそくながらも心憎いです(苦笑)。

袁紹を探せ!
「袁紹の出番は1コマだけ」と頭に入れていたにも関わらず、最初に立ち読みした時、てっきり次回あたりになると思っていた展開が描かれ、ビックリしたあまり袁紹がどこに出ていたかすっかり確認し忘れました(汗)。
雑誌を買った時はちゃんと頭の中で「袁紹」と意識しながら読み直してみましたが、どこにも出て来ない。小さいコマとか気を付けながら読み返したりもしましたが…。曹操や許攸(きょゆう)の出番は多いのに、一体どこ?と思いながら最初から読み直していたら、確かにちゃんと出ていました!でもこの袁紹一言も喋っていません(効果音も無し)。だから大ゴマなのに気付かなかったのかも…。確かに出ていた事にはなりますがちょっと残念です。もしかしたらこれが最後の出番だったかもしれないと思うので。

今回の出来事で「破龍」となった曹操に対し、孔明や劉備、それに呉はどう戦っていくのか今後も楽しみです。

あと、番外編で鄒氏(すうし)の視点での宛城戦の話も是非読んでみたいです!(少女漫画とか様々な事情で実現は難しそうですが…)



曹沖の「象の重さを量ろう!」

2006-10-28 20:29:43 | 三国志コラム
今日の午後「破龍」の記事を打っていたら、テレビ朝日系列で古代人と芸能人が知恵比べする番組「モアイの歩き方」で、曹沖(そうちゅう。曹操の息子)が象の重さを量った話が紹介され、芸能人がタイに渡って実証しようという試みが放送されていて驚きました。まさかこんな所で曹沖の話が出て来るとは思ってもみませんでした。

曹沖の考えた象の重さの量り方は、まず象を船に乗せて水に沈んだ所に目印を付け、そのあとその目印の水位になるまで石などの重しを乗せ、その石などを合計する。その数が象の重さと同じになると考えたのでした。

…実際には象がなかなか船に乗ってくれなかったり、象の重さで沈む船の沈み幅に目印を付けるのにも船が傾かないようにしたり、タイの人々に船に乗ってもらって後で体重を量るのが小規模の民族大移動という感じで大変な作業でした

人々の全体重と象の重さには多少誤差が出てしまいましたが、専門家の話では誤差は生じるものらしいので実証は成功という結果になりました。
作業にあたった人たちの作業中のにぎやかさや量り終わった後の充実した様子は見ていてほほ笑ましいです。

昔もこんな感じで計量していたのかもしれません。


「三国志マガジンVOL.11」その2(終)キラキラな武将他編

2006-10-01 20:31:20 | 三国志/漫画
内容とコメント「三国志マガジン」第11号で、武将の描写がなかなかかっこ良かった(個人的に見てですが)作品と、その他の作品のご紹介です。著者はカッコ内です。

キラキラな武将たち
キラキラな呂布…「原色武将図絵」Vol.4(陳某)は前回の袁紹の記述が客観的だった事を思い出すと、思い入れの強い武将である為か、ずいぶん主観的な内容です。絵も実写的(入魂の作?)な画風です。
呂布の絵普通は赤や黒で強さや熱さを表されますが、陳氏の「頭も良い呂布」の絵は青系統でまとめられてクールな印象が出ています。浅葱色が爽やかです。
そんなクールな呂布も「火鳳燎原」でようやく再登場した燎原火のおかげで熱くなってしまうのか…?今号にはダイジェスト版もあるのがとても親切です。

キラキラな夏侯惇…「呂布が起つ!」(島崎譲)の夏侯惇は寡黙ながらも強烈な印象を残す好敵手。
少女漫画ではないので目玉を食らうシーンがちゃんとあります(汗)。その凄まじさに呂布もビックリ。

キラキラな顔良・文醜…「STOP!劉備くん!」(白井恵理子)の二人は顔がものすごく怖いけどそれ以上に良い人。普段の善行を目撃してしまったら確かに戦いづらいです…。
文醜は今回の「火鳳燎原」でも良い役どころだったのでファンは嬉しいかも?息子さんにDS(ゲーム機)買わせてあげたい~。
今回の「劉備くん!」はゲームネタに甲子園を沸かせたハンカチに、降格した冥王星といった時事ネタが早速盛り込まれています。芋煮会に挑戦する所が劉備くんたちらしくて面白かったです。

キラキラな曹操…「苦寒行」(加倉井ミサイル)では官渡で破った袁紹の残党を追う曹操の過酷な雪山行軍をする様子を漫画化しています。漫画では過酷そうですが、詩だけを見ると、雪山で詩を詠む事はどこか余裕がある気もします。当の本人はどうだったのでしょうか…?

読み物+漫画の「うまなみ三国志」(大澤良貴+荒木風羽)では囲碁の名手にも負けない実力を持つと紹介されていました。内政も外交も戦も謎解きも兵法書の訳も詩も出来たりと、色々本当に器用です。唯一の欠点(?)の背の低さも充分カバー出来ていると思います。
器用だけど、「劉備くん!」だとどうしても笑いを誘う英雄に。

「随筆三国志」(大澤良貴)も碁の話。「うまなみ三国志」で触れた三国志の碁のエピソードを補足した内容です。三国志の頃に棋譜が付けられていたら、日本でも閲覧出来たかも、と思うととても惜しいです。

出番が多くて良かった(?)袁紹…「アレ国志」(末弘)のエンショウ。扉絵の時にはミリ単位の小ささに描かれていましたが、漫画本編では普通の大きさで出て来ました。大きな水玉模様のマントをしている以外は外見や性格も割とまともです。どちらかと言えば部下の方がマイペースです。
初登場かと思っていましたが、第1回(白眉最良号)と前回にも出てました…。
個人的には何気にカクカ再登場が嬉しかったりします。(結構エンショウおざなり)

その他の作品
表紙イラスト…志水アキ先生が描く夏侯惇。力強い絵ですが、矢まで食べなくとも…

「三国志百景 詩篇」…三国志の情景を歌った後世の詩(今回は李白)を人VOL.5以来久々に登場した翁子揚氏のイラストと共に紹介する試み。今回の翁氏の画風は以前の原色の赤・緑に彩られたものではなく、水墨画のにじみを残し、人物や具足などは写実的に描かれています。
人物の顔はまだ若さを残していて、曹操の絵が何だか孫権に見えてしまいます。

三国志ニュースClip…三国志の情報コーナーで、今回は主にゲーム情報。来年1月25日にDSで発売される「三国志大戦DS」のEXカードの絵柄を掲載。あの武将がピンク色で彩色されています。イラストは小林智美さん。
末弘先生&赤兎馬ポストカード情報も。

三国志新聞(大澤良貴)…掲載漫画に即した内容で戦の顛末(てんまつ)やその背景で動く情勢を報じています。
今回は「アレ国さん」などのおまけ漫画はありません(残念)。

三国志名言譚(原作:寺島優 作画:末弘)…三国志の名言が生まれた場面を描く漫画作品。今回は武芸一筋だった呂蒙が勉学に励み魯粛に見直される有名な故事。その影には母の思いが…。