中国の歴史０４ 三国志の世界

中国の歴史０４　後漢　三国時代三国志の世界／金　文京　著／講談社／刊行中／２６００円（本体価格）

内容とコメント歴史書の記述が少ない呉について、近年（８０～９０年代）の様々な発掘資料をもとに、孫権の海洋展望、、民間による呉と倭の交易の可能性など、当時の情勢を想定しています。
蜀については、やはり「名士」の扱いに困り滅亡を招いたことを紹介しています。
その他、三国時代の宗教、文学、暦などの文化や国際関係も詳細です。
「正史」と「演義」を対比し、「演義」の時代考証の甘さと、地理的誤りを指摘し、その理由を解説しています。
また、三国時代以降の「三国志」書籍が、書かれた当時の政権や民族などの時代背景を反映していることも述べています。

この武将がキラリ！
魯粛。「演義」ではお人よしなイメージを定着されてしまったけど、この本では主君（孫権）には理解されなかった彼の戦略を詳しく述べ、その正しさと先見の明を高く評価しています。
荊州の領有をめぐる「単刀会」のエピソードも、史実では関羽（著者は呉の強硬派と見ています）に激しく叱責し、なおかつ同盟による和平維持に努めたことを紹介しています。
関羽に一言も返させなかった堂々たる態度がかっこいい～

この武将が？？？
孫権。北方と結んで魏を挟撃する計画や海外との交易を試みたなど、（いずれも失敗したものの）海洋戦略の壮大さには目を見はるものがあります。…が、交易に失敗した派遣隊を処刑するなど、マイナス要素も多い人物です
ともあれ、孫一族に海への独特な感覚があったという著者の見方に、彼らの新たな魅力を垣間見ることが出来ました。

「三国志」の民間説話集

三国志外伝　民間説話にみる素顔の英雄たち／湖北省群衆芸術館　（編）／立間　祥介・岡崎　由美　（訳）／徳間書店／未確認（絶版？）／１６００円（本体価格）←１９９０年当時の価格です

内容とコメント
「三国志」の民間伝承を集めた「三国志外伝」（湖北省群衆芸術館・編）を抄訳したもので、関羽の出生、孔明とその妻、張飛のお裁き、軍才に長けた小喬、董卓暗殺のために華佗の「改造」を受ける貂蝉などのエピソードを紹介しています。
他にも、劉備、姜維、周瑜、孫策など、民間に人気のある武将も登場します。曹操の話は、やはり良い話ではありません。
また、イ族に伝わる孟獲の話も収録されています。

この武将がキラキラ♪
花関索（かかんさく）と鮑三娘（ほうさんじょう）の夫婦、そして関羽の三女・銀屏（ぎんぺい）。「正史」には登場しないものの、かなり細かい設定や波乱の人生だったことなど、リアルな人物像が伝えられています。

この武将がキラリ！
関羽と孟獲。関羽は青龍刀、名前の由来、「月下に貂蝉を斬る」など、「正史」や「演義」にも引けを取らない魅力的なエピソードが多いです。「月下に…」は情景が美しいです。
孟獲の伝説も結構ドラマチックです。孔明を五度も捕らえた話もあり、ちょっとイメージが変わるかもしれません。

襤褸の馬超

馬超　　曹操を二度追い詰めた豪将／風野　真知雄　著／ＰＨＰ文庫／刊行中／５３３円（本体価格）

内容とコメント襤褸（らんる）とは、「ぼろの着物」という意味です。「錦馬超」という華々しい呼び名を持つ馬超を、著者は襤褸であったという見方で執筆されています。父への思慕も曹操への怒りも砂塵にさらわれていくような、淡々とした心情で描かれていて、今までの激情家のイメージを持ったまま読むと違和感を持ってしまいます。父や妻子を殺されて、心の中では激情が渦巻いているのに、周りの人には冷淡に見えてしまいます。…それは読者に対しても同じかもしれません。
文章もただ、馬超のエピソードを淡々と語るだけのような印象です。…一応登場人物や少年期の場面には脚色が見られますが、文章になんだかそっけなさを感じてしまうのです。
とは言え、馬超が主役の貴重な一冊です♪

この武将がキラキラ♪
張飛！です。劉備軍のもとに来た馬超とのエピソードが微笑ましいです。

この武将がキラリ！
ホウ悳。この作品に関しては、馬超よりかっこ良いかも。そして冷静にして非情。
この武将の描写もあっさりしすぎて惜しいです。もうちょっと心理描写があれば感情移入できるのですが。
しかし、郭援のエピソードがあったのはファンには嬉しいところです。鍾繇（しょうよう）ごめんなさい…

三国志の舞台

三国志の舞台（世界歴史の旅シリーズ）／渡邉義浩・田中靖彦　著／山川出版社／刊行中／２５００円（本体価格）

内容とコメント三国志の舞台となった名所を、その地にまつわるエピソードと共に紹介しています。２００４年初版の比較的新しいガイドブックなので現在の名所の様子がわかります。
三国志の人物の像の写真が豊富で、カラーであるのも（多くのガイドブックではモノクロが多い中）、とても貴重です。見やすく、色、質感も伝わります。
三国志の歴史や、現代中国での浸透ぶりも紹介してます。
巻末の人物小事典では「正史」と「演義」での違いを、年表では三国志書籍の歴史まで紹介してます。　参考文献の紹介も丁寧です。全体的に親切な内容になってます。

この武将がキラキラ♪
周瑜の赤壁抗戦を支持した魯粛など、名将を陰で支えた「名士」たち。
また、「名士の扱い」をキーワードに、袁紹と公孫瓚、対照的な二人の台頭と没落を解説しています。

この武将がキラリ！
夏侯紅（かこう　こう）。魏の女性武将で、張飛とのジェスチャー問答がきっかけで彼の妻となる人。この話は「演義」などにも見られません。ただ、張飛の妻が夏侯覇の従妹である事は「魏略」に記されています。
張飛の唯一の（？）ロマンスなエピソードです。

三国志 第弐集

三国志　第弐集／海洋堂（製作）／北陸製菓株式会社／発売中／３１５円（込）

内容とコメント「人形劇三国志」のフィギュア第２弾。　今回は諸葛亮（丞相バージョン）、冷豔鋸（れいえんきょ）を構える関羽、周瑜、曹操、呂布の彩色版５種と象牙版５種。同梱のゼリーはお馴染みナタデココ入りライチ風味。
２００５年３月１４日発売。コンビニやスーパーなどで取り扱ってます。
コンビニは店舗にも寄りますが、主にサンクス、サークルＫ、ローソンで取り扱っているようです。

この武将がキラキラ♪
今回は華麗な衣装シリーズ（？）、と言う訳で主役級の武将たち全員。
鎧や戦袍の細部まで施された刺繍まで、海洋堂が見事に再現しています。細かい～。
「人形劇」や写真集ではなかなか見られない後ろ姿もじっくり鑑賞できます。川本氏と海洋堂のこだわりが見えます。

この武将がキラリ！
冷豔鋸を構える関羽。武器の名前にしても、とかく関羽はロマンチックなエピソードが多いのです。

人形劇三国志

人形劇三国志／川本喜八郎（人形美術）／小川英、田波靖男、四十物光男（脚本）／桑原研郎（音楽）／細野晴臣（テーマ曲）／谷隼人、石橋蓮司、せんだみつお、森本レオ、岡本信人・他（声の出演）／発売中／ＤＶＤは各５０４０円（込）、ビデオは各３６７５円（込）

内容とコメント「三国志演義」（立間祥介　訳）が原作の人形劇。ＮＨＫで１９８２年～１９８４年まで放送された作品。
案内役の島田紳助氏、松本竜助氏がモデルの人形も登場します。
ＤＶＤは全１７巻、ビデオは全２３巻。ＤＶＤには映像特典もあります。
全国のＤＶＤ取扱店や、ＮＨＫソフトウェアのホームページをご覧下さい。
放送当時圧倒的な人気で「三国志」ファンを増やすが、影響力が強すぎて一部の武将のかなり悪いイメージを新規ファンに植えつけてしまいました。

この武将がキラキラ♪
川本喜八郎氏による、絢爛豪華な武将たち。衣装の刺繍や甲冑のデザインなど、かなりこだわりがあります。じっくり鑑賞していただきたいです。
名だたる俳優陣による熱演も魅力。

この武将がキラリ！
勝平くん。…お察しの通り、後の関平。関羽とのエピソードにうるうるします。
デザインではたくさんいますが、趙雲。趙（ちょう）だから蝶の刺繍なのでしょうか…？
ど派手な赤い衣装の曹操や忠実に兜や鎧を再現した馬超もすごいです。
さすが川本さん！！

この武将がトホホ
呂蒙。「演義」でもここまでは描いてないというほどの極悪人になっています
“義に厚い”関羽を描くためと思いますが…。
この作品で「呂蒙極悪人説」のイメージがかなり波及され、今も誤解されている方も多いかもしれません…。
負けるな呂蒙！

吉川英治版 三国志

吉川英治歴史時代文庫　三国志　（全八巻）／吉川英治　著／講談社／刊行中／各６６０円（本体価格）（１９９２年当時の価格です）

内容とコメント現代作家の多くに影響を及ぼし、今でも多くの読者を魅了してやまないロングセラーの三国志小説。
幼い頃に三国志に触れ、その後独自に三国志関連書を熟読した上、自己流に描いたのがこの作品。
中国というよりは日本の時代小説のような文章のためか、日本人には馴染みやすい。
（本場中国でも大人気らしいです）
特に武将たちがいきいきと描かれていて、この作品で初めて好印象を持った武将が多いです。

この武将がキラキラ♪
前半の主役・曹操と、後半の主役・諸葛亮。「演義」では悪役・やられ役の曹操の人間性を描く事で魅力ある人物になっています。この作品でハマった方も多いかも？
もちろん、劉備も仁徳の厚い人として活躍してます。

この武将がキラリ！
やはり曹操です。長所も短所もある所に好感を持てるのかもしれません。
それと、もともとお気に入りだった武将、新たに知った武将たち。
後に色々な作品を読んでもなかなか超えられない魅力を持ってます。

真・三國無双３ 無双選集

真・三國無双３　無双選集／有限会社Ｋ’ｍｄ（販売元）／発売中／５２５円（込）

内容とコメントＰＳ２用アクションゲーム「真・三國無双３」の武将たちを彩色フィギュア化。
劉備、諸葛亮、司馬懿、張コウ、大喬と小喬（セット）、周泰の６種プラスシークレット１種。
大きさは９センチくらい。台座付き。全国のホビーショップ、アニメショップなどで取り扱っています。

この武将がキラキラ♪
かっこ良く、華のある武将たち。フィギュア化も納得。

この武将がキラリ！
大喬と小喬。出て来た人は幸運？
シークレットを予想するのも楽しいかも。呂布かな？趙雲かな？
別のポーズが良かったけど、周泰も良いです。

三国志 第壱集

三国志　第壱集　／海洋堂（製作）　／北陸製菓株式会社／入手不可？／３１５円（込）

内容とコメントＮＨＫ「人形劇三国志」の川本喜八郎氏デザインの武将たちを海洋堂がミニ・フィギュア化。
劉備、諸葛亮、関羽、張飛、趙雲の彩色版（５種）とと象牙色版の（５種）の全１０種の内、１種が入ってます。
６センチほどの小ささですが、細かく彩色が施されてます。（工場の方たち大変だったかも…）
腕と頭が回せて、ちょっとしたポーズも取れます。武器や脇差にもこだわりが。
お菓子はナタデココ入りのライチ風味ゼリー１個同梱。おいしくてすぐ無くなっちゃいました。
全国のコンビニやスーパー、ホビーショップで取り扱ってましたが、販売が去年の１１月だったため、現在は入手が困難かもしれません。
お待ちかねの新作はいよいよ今月１４日発売です。

この武将がキラキラ♪
諸葛亮はお馴染み黒衣バージョン、劉備は中期バージョン？です。
ファンの方にとっては誰でもキラキラ♪

この武将がキラリ！
張飛。試しに１箱買った時出て来ました。

GOGO玄徳くん！！シリーズ

ＧＯＧＯ玄徳くん！！　続・ＧＯＧＯ玄徳くん！！　続々・ＧＯＧＯ玄徳くん！！／白井恵理子　著／潮出版社／いずれも刊行中／各４２０円（込）
内容とコメント内容、登場キャラとも「劉備くん」とほぼ同じ。このシリーズにのみ登場するキャラがいます。

この武将がキラキラ♪
「玄徳くん」のみに出るキャラ、何皇后、何進大将軍、ホウ統。
ホウ統は立松和平さんがモデル？
その他、「劉備くん」からの既存キャラも相変わらずの強烈な個性を発揮してます。

この武将がキラリ！
武将ではないですが、徐庶の母。彼女も出る度にパワーアップしてます。
振り回される徐庶ですが出番があって嬉しいです♪