GOGO三国志!

2014年に復活した白井恵理子先生の劉備くんシリーズや長池先生の「破龍」(完結)他三国志作品を応援しています!

「破龍」単行本化再び危機!&6月号で終了…

2007-02-20 20:56:12 | 「破龍」単行本化運動
先日単行本第4巻が発売された喜びも束の間、「破龍」の第5巻単行本化が再び危機に見舞われています。

理由は以前と同じ「4巻が売れないと5巻は出せない」。

…4巻の時は結構早く単行本化が決定したので、もう大丈夫かなと思ったのですが(トホホ)。

それだけでなく、プリンセスGOLDでの連載自体も6月号で終了してしまうそうです。

大変残念な話ですが、それなら第5巻は最終巻となるわけで、なおさら単行本化を実現していただきたいです。

「GOGO三国志!」では今後も「破龍」と単行本化を応援していきます!

長池先生、最後まで頑張って下さい。
赤壁編、楽しみにしております!










長池とも子三国志「破龍」第4巻

2007-02-18 20:42:51 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第4巻/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/410円(込)

内容とコメントプリンセスGOLDで連載中の少女漫画作品。三国志に著者独自の新解釈を加えた描写が特徴。
これまでは曹操や孔明など、一人一人を主役に、関わった女性の視点で描いていましたが、3巻辺りからはいよいよその主役たちが乱戦を展開していきます。
今回の4巻は強敵を撃退し勢いを増す曹操と、その為に犠牲となる人民の命を守ろうと「官渡の戦い」の裏で一人奔走する諸葛亮。2人の関係とその変化を軸に描かれ、その中で呉の思惑も絡められる、複雑で読み応えのある内容です。

最近は戦続きの為か戦闘描写もしっかりしています。曹操軍の様子も丁寧な背景があるお陰で素人目にも戦況が判りやすいです。(曹操は見栄を張るので特に。)
個人的には投石器による攻城戦が描かれたのが良かったです。
また、乱戦の後荒野と化した地に無数に転がる兵士・兵馬の死骸を描く事で孔明の胸中を読者に効果的に伝えたり、その他、戦の絶えない北の地の荒れた様子に対し、江東の平和で活気ある様子など、背景の絵をしっかり描く事で読者にその国や主君の人物像(北は曹操、南は孫策)が伝わる見せ方もさすがです。

単行本終盤では、落胆した孔明がついに劉備と出会い、再び理想を実現しようと決意する話が描かれます。

巻末には「破龍」年表があります。勢力ごとに分けられているので、今までの話がどの時代でどの国の出来事なのかすぐに判ります。年代が前後した話もあるので、これは便利です。年代順に「破龍」各話を読み直すのもいいかもしれません。

ファンサービス!?
今回は何と袁紹と徐庶の紹介ページが収録されています。
構成は紹介文と描き下ろしカット。「破龍」では派手な格好の割には出番が少なかった袁紹とか、三国志に初めて触れた方にも親切な解説コーナーです。
今後も続けて欲しいです。
袁紹のイラストはちゃんと美形に描かれているのでファンの方も安心です。

もう一つは初登場の趙雲が早くも単行本表紙を飾っています。このイラストは第十五話のカラー扉絵のものです。

この人物がキラリ!
徐庶。曹操も夏侯惇も趙雲もさしおいて今回は何と言っても徐庶です。
久々に登場した時の感想は雑誌紹介時の記事に書いた通りですが、それに加えて今回は紹介ページとして徐庶の経歴と、昔のざんばら頭のイラストの描き下ろしがあるのに感激しました。
徐庶の過去は書物や漫画で語られはするものの、そのシーンそのものが描かれる事が無いのでいつか読んでみたいエピソードの一つです。
若い頃は任侠を気取り、その為におたずね者になるわで、思えばお袋(母親)に随分迷惑をかけてしまったな、と思い改心する「古き良き不良」のイメージを抱きます。
剣さばきも見てみたかったです。

関連項目
4巻収録作品の雑誌掲載時の紹介記事で、もう少し詳しいあらすじを書いています。
第十一話「官渡前夜」
第十二話「小覇王・孫策」
第十三話「官渡決戦」
第十四話「三顧の礼」






「三国志マガジンVOL.13」その2(終)その他の作品編

2007-02-10 20:15:25 | 三国志/漫画
今回は残りの漫画、コラムなどの作品を一気にご紹介します。著者はカッコ内です。

鋼鉄三国志アニメ特集…前号から始まった「鋼鉄三国志」の世界観や登場人物を紹介したカラーページ。舞台は現実の中国のものではなく、時空の幻想古代中国と言う事で、この作品はif三国志なのだそうです。(今回初めて知りました…)
他にはラジオ番組やイベントのお知らせなどがあります。

三国志ニュースCLIP…三国志情報のコーナー。今回は発売中のDS用ソフト「三国志大戦DS」(セガ)の紹介です。

鋼鉄三国志(作画:KYO 原作:鋼鉄三国志プロジェクト)…玉璽を奪った孫策の弟・孫権に出会い、温和な人柄に驚く陸遜。だが、孫権襲撃に巻き込まれ…。
コマ割りなど、話の見せ方を工夫したのか、前号より話が判りやすい印象です。凌統のキャラクターがユニーク。孫権はせっかく温和な性格なので、あまり変わらないで欲しいです…酒乱とか(汗)。

4ページ1本勝負 三国志演義…タイトルどおり「三国志演義」のあらすじをまとめた読み物。三マガ作品の時代背景を学んだり三国志の簡単なおさらい用に。

火鳳燎原(陳某)…今回は初登場の荀(じゅんいく)がメイン。袁紹の元を去ったり元黄巾夫を曹操配下に引き入れたりと大活躍。
後半は劉備たちにも出番があります。張飛と関羽が献身的です。
発売中の単行本第4巻はカットされたシーンも収録されているそうなので、この作品を楽しみにされている方は、雑誌より単行本を読まれた方が良いかもしれません。
雑誌ではもうすぐ虎牢関…?

三国志新聞(大澤義貴)…三国志の出来事を新聞の形で取り上げています。今回は関羽の斬死(劉備が荊州を失う)、蜀の費禕(ひい)の暗殺事件(とその真相の推察)などが報じられています。

九星気学で三国志占い(杜康潤)…占いで見る三国志の人物達の相性を特集したもの。
始めは「九星気学」についての説明と、各性格や該当する武将たちの紹介、そしてお互いの相性を三国志のエピソードに照らし合わせた内容です。

STOP!劉備くん!(白井恵理子)…おなじみ4コマギャグ漫画。今回も武将たちが好き放題に繰り広げる笑いの数々が個性的です。何だか久しぶりに登場した黄蓋がジョニー・デップの海賊映画を気取ったり、董卓の怖い携帯ストラップ、「天下万民の為」と真面目だけど実際の行動はやっぱりずれている劉備など。
今回出て来た劉備くんのカルタの絵がかわいらしくて、ちょっと欲しいです。…でも内容が曹操暗殺の密談。
董卓は、当時に携帯やストラップがあったら実際に付けそうです…。

明珠銀屏‐メイジュ ギンヘイ‐(ウォン・ズーヤン)…関羽の娘銀屏を描いた新連載漫画。
今回はその誕生時のエピソード(張飛が呂布の頭の飾りを銀屏に贈った)や呉との婚姻を拒否した関羽の危機と最期までが描かれます。
水墨画風の絵で漫画というより絵本(画本)を見るようです。

四海無双(黄十浪)…曹操に仕えた武人・張遼の話。この作品の張遼は呂布の武に達する事を目的に戦場を駆け抜けて行きます。合肥の戦いで呉軍が目にした猛将とは…?
張遼だけでなく、呂布時代から仕えてきた兵たちも勇猛です。

三国志超初級クイズ31問30答(文:島崎晋、イラストレーション:明影)
三国志に関するクイズとその解答。今回は基礎知識編で素朴な疑問に答えた形です。
31問目の三マガに最も多く登場している武将って、関羽…じゃなくて孟獲のような気がするのですが。

疵‐きず‐(立花未来王とダイナミックプロ)…孫権が酒宴で周泰の傷を褒めて配下武将の不満を払拭した話を周泰を主役に漫画化。暗殺された孫策を守れなかった事を悔やみ、ひたすら死を求めては傷ばかり増やす周泰は仲間内や新たな主君・孫権にも避けられるが…。

蛮‐The Wild‐(後藤舞)…孟獲の幼少時を描いた漫画。戦禍を逃れて行き倒れた漢人の少年は、南越の族長に救われ、彼らから生きる掟を教わるが…。
平凡な少年が戦に巻き込まれ、強さを求めて変貌する、三マガでよく描かれる展開の仕方です。

この武将がキラキラ♪
白地将軍‐びゃくじしょうぐん‐(中島三千恒)の夏侯淵。曹操の親類で挙兵した時から共に戦って来た夏侯淵。昔と違い、多くの領土を持ち、日々の生活や戦にも余裕が出来た現在、夏侯淵の命がけで戦う昔ながらの戦法は主君・曹操からも諫められてしまう。それに寂しさを覚えつつ、戦い方を変えなかった夏侯淵の信念が定軍山の戦いでの壮絶な最期に繋がります。
夏侯淵の孤独を深める効果になったとは言え、敵の黄忠の人物描写が、夏侯淵の信念に応えずただ勝ちを得たいだけの武将になってしまったのが残念です。
曹操の「妙才が見たい」の話も良いですが、この作品の戦に命を懸ける武人という人物像も良かったです。



「三国志マガジンVOL.13」その1・もうすぐ単行本編

2007-02-03 20:29:25 | 三国志/漫画
コミックフラッパー3月号増刊 コミック三国志マガジンVOL.13/著者はカッコ内/メディアファクトリー/刊行中/550円(込)

内容とコメント漫画、コラム、情報が三国志のみの専門誌。今回は単行本化が予定されている作品を簡単にご紹介します。

もうすぐ発売される作品
黄河の一滴(志水アキ)…劉備と同郷の簡雍(かんよう)が主役の話。不遜な態度で劉備幕僚に不審を持たれる簡雍だが、実は劉備を幼なじみとして後押ししている。その理由は…?蜀志の禁酒令時のエピソードを描くなど、この作品の簡雍はユニークな人物像になっています。
単行本「異郷の草」(2月23日発売)には黄忠を描いた「巌のごとく」が収録されるのかが楽しみです。

守護神(佐々木泉)…三マガ創刊号から続く魯粛シリーズ。長江を挟んで強敵の曹操と開戦する事になったものの、今ひとつ士気が上がらない呉。信心深い人々に魯粛たちは地道に戦の必要を説いていくが…?
今回もいつものように激しい描写はなく、全体的に静かに話が進んでいきます。
3周年目にしてようやく初登場した孫策がものすごいカリスマ性の持ち主として効果的に描かれているのが印象深かったです。周瑜は色々な作品同様にどうしてもこの辺りで少し弱音を吐いてしまう人物に描かれてしまいますが、良い見せどころもあります。
単行本「江南行」は3月23日発売。

アレ国志(末弘)…何故か2本立ての4コマギャグ漫画。1本目はバチョーとバタイの感動の再会、ソーヒと新登場の弟ソーショク(ポエマー)の対立などが壊れ気味のキャラクターで描かれます。ちょーろも何気に出番があります。
2本目は蜀サイド。と言う事で新しく蜀の人々が何人も出て来ます。
「アレ国志」の参謀の人たちって、良識のある人と何だかよく判らない人のどちらかに分かれているようです(汗)。
初回時は主役だったとうたくさんはすっかり出番がなくなってしまいました。
単行本は3月23日発売。「特別編:赤壁反省会」や三国志新聞掲載の「アレ国さん」も収録して欲しいです。ソーヒって、昔はいい子でした。

単行本化企画中の作品
うまなみ三国志(大澤義貴+荒木風羽)…創刊号から毎号続いている皆勤賞作品。
三国志を深く味わう為の教養・雑学漫画。今回のテーマは「三国志と暦」。
古代中国の暦の作られ方や一年の行事の過ごし方、日本の暦にも影響している事などを漫画でわかりやすく解説しています。
太陽暦(西暦)を使い始めたのは中華民国(今の中国の前の国の頃)だとか、古代中国ではいちいち星を観測して毎年の暦を作っていた事(この辺は国家予算みたいです)は今回初めて知って驚きました。
「うまなみ三国志」単行本化は是非実現していただきたいです。出来れば「随筆三国志」も同時収録して欲しいです。

随筆三国志(大澤義貴)…テーマは同じく中国の暦ですが、こちらは困った祭日について書かれています。元は春秋時代の故事で、自分が焼き払ってしまった人を悼んで行った事が後世にエスカレートして悪習となり、それからまた長い年月を経てようやく元の供養という穏やかな行事になったそうです。

三国志名言譚(原作:寺島優、作画:末弘)…三国志の名言を生んだエピソードを漫画化した作品で、前号で惜しまれつつも完結した作品。
これも単行本化が企画されているという事で、発売が楽しみです。
個人的には三マガ「天下三分計」号(VOL.2)掲載の「決戦 陸抗(りくこう)VS羊祜(ようこ)」(原作:大澤義貴)も末弘先生の作画繋がりという事で収録して欲しいです。
この漫画の羊祜が実は「三国志名言譚」にも出ています。