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北方謙三 三国志

2005-05-04 20:24:55 | 三国志/小説(正史ベース)
三国志(全13巻)/北方謙三 著/角川春樹事務所/刊行中/文庫版 各571円(本体価格)

内容とコメント著者の肉付けによる人間的な群雄、そして女性たちがそれぞれの思惑や信義を持ち乱世に生きる姿を描いています。既存の三国志のイメージで読むと、戸惑いや反発を覚える人物像ですが、その生き様に気付けば惹きつけられています。
戦闘では騎馬隊の描写が圧巻です。騎馬群が生き物のようにうねり、突撃する様や、去った後の戦場の荒涼とした様がそのすさまじさを物語ります。

この武将がキラキラ♪
呂布と張飛。愚かしさも見苦しさも無く、まして野心も無い呂布。乱世を生き抜くべく戦い続け、誇りを貫こうとした、三国志作品随一(?)の「かっこ良すぎる呂布」です。
張飛は、粗暴な言動の裏に温情が隠されている(隠している?)好人物です。

この描写がキラリ!
呂布と馬超の恋愛模様。赤い布と玉璽という、それぞれが作用し、象徴となる「小道具使い」が絶妙で、劇的な場面を鮮やかに印象付けています。馬超は台詞も良いです(少女漫画風?)。

この女性がキラリ!
董香(とうこう・張飛の妻)と甄氏(しんし・曹丕の妻)。張飛に母性的でまっすぐな愛情を注ぎ生きた董香には素直な好感を抱きます。
一方で、曹丕と最後まで愛憎劇を繰り返した甄氏の謎に満ちた胸中に対しては、複雑でやるせない思いに駆られます。二人の他、様々な女性が乱世に翻弄されながらも、健気に生きています。