GOGO三国志!

2014年に復活した白井恵理子先生の劉備くんシリーズや長池先生の「破龍」(完結)他三国志作品を応援しています!

長池とも子三国志 「破龍」曹操編第2話

2005-06-28 20:42:28 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍(はりゅう)第4話 「北部尉・曹操」(プリンセスGOLD7+8月号掲載)/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/掲載誌価格600円(込)

内容とコメント「プリンセスGOLD」(毎月16日発売)に連載中の作品で、曹操、孫策、諸葛亮を毎回主役に迎え、その恋愛を主に描いた少女漫画。第4回は若き曹操を主役に、その正妻・危娘(きじょう・丁夫人?)とのすれ違いから和解までを描いています。
曹操の洛陽警備時代の有名なエピソードを盛り込むあたりは、三国志ファンをニヤリとさせてくれます。もちろん、三国志を知らない方でも充分楽しめる内容です。
絵柄は少女漫画調ながらも線画が濃く、しっかりしています。アクションシーンも頑張ってます。曹操を含め、人物のアイラインの濃さは好みが分かれそうです。

この人物がキラキラ♪
十常侍の一人・蹇碩(けんせき)と、その叔父。悪役でありながら展開に重要な役割を担(にな)う、この作品には欠かせない存在です。叔父はトホホでもありますが。

この女性がキラリ!
遊女の華蓮(かれん)。曹操に見初められて側室となるあたりは卞夫人を思わせます。
夫人に劣らない、粋な気質と、その役どころが爽やかな印象で、かっこいいです。


この作品については、単行本を入手次第、改めてご紹介させて頂きます。
単行本第1巻は7月16日発売予定です。
孫策が主役の次回(第5回)は8月16日発売予定の「プリンセスGOLD」9月号に掲載予定です。












幻の三国志その2「天翔ける英雄たち」

2005-06-25 10:59:10 | 三国志/映像作品
天翔ける英雄たち

80年代に日本テレビ系列の「金曜ロードショー」で放送された三部作のオリジナル・アニメ。
原作の横山光輝氏の漫画ばかりか、原典の三国志ともかなり異なる設定で、新規・既存の三国志ファンを混乱させた作品です。製作はシンエイ動画、販売元はvap(バップ)のようですが、販売などの詳細は不明です。(未確認。おそらく販売は無し。一部のレンタル・ビデオ店でレンタル中との事です。)


「真・三國無双4猛将伝」9月発売予定

2005-06-25 10:57:08 | 三国志ニュース
「真・三國無双4」の「猛将伝」が9月予定で発売されるそうです。価格は4494円(込)。
詳細は今後発表されていくと思います。
7月7日には廉価版「3」(4179円・込)と「3・猛将伝」(2604円・込)も発売されます。コーエーメガパック(セット)は6090円(込)です。

情報源:「電撃PlayStation」7月8日号(メディアワークス刊)


←関羽と関平のこんなシーンが見られるかも?!
アイコンの提供は
空色みみずく

幻の三国志 その1「人形劇三国志脚本」

2005-06-22 23:58:47 | 三国志/関連本
幻の三国志では現物入手不可能な作品を紹介します。

コバルトシリーズ人形劇三国志(上・中・下)/小川英・田波靖男 著/集英社/絶版?/価格不明

内容とコメントNHK人形劇三国志の脚本集。こちらは存在したという事しか判っていません。
少女小説のイメージのあるコバルト文庫が版元ということに驚きました。
この作品は現在、復刊ドットコムで復刊をリクエストされています。


やまさき拓味 三国志「さんごくし」その1

2005-06-19 16:27:39 | 三国志/漫画
さんごくし 三国志 1、2巻(以下続刊)/やまさき拓味(ひろみ) 著/秋田書店/刊行中/各410円(込)

内容とコメント「週刊少年チャンピオン」(毎週木曜発売)で連載中の漫画。
人の命が軽んじられる乱世において、「戦場にあっても人を殺さず」の誓いを立て、世に泰平をもたらそうとする若き劉備三兄弟の物語。
どんな人の命も尊いとする劉備、現実的な考えのため憎まれ役、汚れ役になってしまう関羽、大儀の他自分の信念も貫こうとする張飛…誓いで結ばれた三人の前に、幾度も試練が立ちはだかります。1巻は、民に食糧を分けようとする劉備たちの強引な作戦と実行、その結果招いた波乱を、2巻では曹操たちとの邂逅と戦い、1巻で出会った少年・趙雲の活躍と参入、そして待ち受ける更なる困難を描いています。1巻の導入部には諸葛亮も登場します。
劉備たちや曹操はさすがにかっこ良い絵柄です。その他の人物の絵柄、キャラクターはかなり個性的です。
劉備たちの「誓い」を強調するため、敵将には凄い武器を持たせ、人命を奪わせるという対比がはっきりされています。
全体としては、線画がくっきりとしていて見やすいです。髪のツヤベタもキレイです。
各巻には中国でのカルチャーショック(?)を描いたおまけ漫画と、意味深なコマを使った次巻予告も収録しています。

本誌では孫堅と周瑜が登場済みで、現在は黄忠と魏延が活躍中です。(2005年6月現在)

この武将の今後に期待!
劉備たち一行。「殺さず」の信念でどこまで行けるか(連載で描かせてもらえるか)、期待より不安が大きいです。
その他は曹操たち。特に夏侯淵は弓(の性能)の方がかっこよく見えてしまうので、当人も貫禄をつけて是非再登場して欲しいです。

三国志コラム「カイ越とカイ良について」

2005-06-17 20:31:28 | 三国志コラム
朝香祥三国志・角川版「運命の輪が廻る時」で、自分でも錯覚・混乱していた蒯越と蒯良について調べてみました。

蒯越、字は異度(いど)。襄陽郡中廬県の人。荊州に赴任した劉表に招かれ、荊州を平定する。
後に荊州を手中にした曹操に「異度を手に入れたことの方が嬉しい」と言わしめる。
「演義」では蒯良の弟で、出身地も異なる。兄・蒯良ゆずりの馬相見の知識で、劉備が劉表に贈った馬が凶馬「的盧(てきろ)」と見抜き、手放すよう勧める。
また、蔡瑁の劉備暗殺計画にも加担する。

蒯良、字は子柔(しじゅう)。蒯越と同姓で同郷だが、兄弟であるかどうかは不明。役職名も不明。
蒯越と共に劉表に招かれ、荊州を治安の面から平定する。
「演義」では蒯越の兄。呂公に策を授けて孫堅を死に至らしめる。

…この事から、蒯越は孫堅の死には関与していないと考えられます。孫堅の死の諸説については省きますが、私小説では「正史」「演義」とをミックスしているようです。余計、混乱してしまいました…。
「正史」の同姓で同郷だが血縁関係は不明というのが、色々想像を挟めそうです。

参考文献:「三国志 人物事典」(小出文彦/新紀元社)・他



伴野朗 三国志「呉・三国志」

2005-06-15 21:47:50 | 三国志/小説(正史ベース)
呉・三国志~長江燃ゆ~(全十巻)/伴野朗 著/集英社/刊行中/ハードカバー版は各1800円(本体価格)、文庫版は680円~780円(込)
ハードカバー版は1冊に二巻収録(全5冊)、文庫版の表紙絵は正子公也氏

内容とコメント数々の歴史資料をもとに、呉に視点を置いて書かれた三国志。呉が関わった戦、内乱から滅亡までを描いています。
呉、曹軍、諸葛亮の各諜報組織が暗躍して時代を動かしたり、策謀の応酬が主ですが、武将たちの勇姿も見られます。
様々な武技を使う暗殺者たちの死闘が随所に盛り込まれ、適度な緊迫感を与えています。
また、邪馬台国など諸外国との関係や既存の人物に創作を加えるなど、歴史書の空隙を衝いた設定が大胆ながらもリアルです。
衝撃だったのは、諸葛亮がある人の死を画策した事です。その結末の皮肉さと言い、なんともやるせないです。

この武将がキラキラ♪
孫朗(そんろう)と諸葛均。孫朗は孫堅の庶子で、五男。この作品では諜報組織を任されて活躍する主役的存在。
諸葛均は、独特な剣の使い手で、兄・諸葛亮を守るかっこ良い役です。

この武将がキラリ!
曹棄(そうき)と趙雲。曹棄は早世した曹棘(そうきょく)が著者の設定で生かされ、成人した姿。父・曹操に棄てられ、再び取り立てられた諜報組織の非情な頭目、という設定が魅力。
趙雲は、思わぬところで登場します。神業的な槍術を使うという、すごく強くてかっこ良い描かれ方です。人への気遣いが出来る細やかさも好印象です。先生、これはちょっとかっこ良すぎます…

この女性がキラリ!
黄月英。ご存じ、諸葛亮の妻。この作品にも、個性的な武術、能力を持つ女性が多数登場し、技を披露する中、彼女は多芸に秀でているものの控えめに徹してます。(でも多分戦うと強い)
危機を脱した後のおっとりとしたマイペースぶりがまたこの人の凄いところです。







三国志コラム「正史と演義について」

2005-06-13 20:31:23 | 三国志コラム
三国志「正史」と「演義」について


三国志は大きく二つに分かれます。「正史」と呼ばれるもの、「演義」と呼ばれるもの。
今回は混乱しがちな二つの違いを簡単に説明します。

「正史」…三国を統一した晋に仕えた陳寿が著した歴史書。魏・蜀・呉、それぞれの国に属する人物を列伝形式で書いたもの。
後に六朝時代の宋の人、斐松之(はいしょうし)が注釈を付け、この二つがまとめて「正史」と呼ばれる。

「演義」…曹操を悪人に、劉備を善人に脚色した、物語り調で書かれたもの。その他、「正史」とは扱いの違う武将が多い。
明の時代に登場するまで、多くの過程を経ており、今日に至るまでも改訂を繰り返されている。
時代考証や地理的検証が甘いため、矛盾した記述がある。
日本で知られる「三国志」は「演義」の事を指している。

ここでは省略しましたが、「正史」と「演義」の著者の事、成立や違いをもっと知りたい方は…

三国志の舞台の巻末年表
偕成社版三国志第一巻のあとがき
中国の歴史04・三国志の世界をどうぞ。
「三国志 人物事典」(小出文彦/新紀元社)←これもオススメです。



第3の三国志

日本では、多くの作家による私小説、漫画などが登場し、「正史」「演義」をしのぐ力作振りで高い評価と人気を得ています。






三国志コラム「伍子胥について」

2005-06-10 20:32:05 | 三国志コラム
三国志コラムは作品紹介の補足や人物・事柄を取り上げるコーナーです。

伍子胥について

既にご紹介した三国志マガジン「白眉最良号」に収録された「伍君神」(佐々木泉 著)の伍子胥(ごししょ)とはどんな人なのか、簡単にご紹介します。
伍員(ごいん)、春秋時代の人で、楚の国出身。楚の王位争いに巻き込まれ殺された父と兄の復讐のために、敵国の呉に仕え、楚軍を打ち破り続けるが、肝心の仇・楚王は既に死亡しており、伍子胥はその墓を暴(あば)いて死体に鞭打つ。
その後、呉が破った越の国の王・句践(こうせん)や美女・西施(せいし)の処遇などの諫言や他の呉臣のざん言により、主である呉王・夫差(ふさ)に疎(うと)まれ、自殺を命じられる。 その時残した「私の目をくり抜いて城門に掲げよ。そうすれば呉が越により滅亡する様が見られる」という言葉が更に夫差の怒りを招き、伍子胥の遺体は袋に入れられ長江に投げ込まれる。
その霊を憐れみ、また恐れた人々により、伍子胥は祀られ神格化されていく。
中国の歴史04・三国志の世界によると、伍子胥は水神として祀られたとあるので、関羽や甘寧のように水神と結び付けられたのかもしれません。(同書では関羽、甘寧の神格化について詳しく記述されています。)
尚、「伍君神」の祭りの内容やその由来については、勉強不足のため判っておりません。
伍子胥について、もっと知りたい方は…↓これが判りやすくてオススメです。
参考文献:中国武将列伝 上巻(田中芳樹 著/中央公論社) 他

ここでは省略しましたが、呉王、越王らのエピソードからは有名な言葉が多く生まれています。
また、春秋戦国時代(周の衰退から秦による統一まで)の兵法、思想、人々の生き方が三国志の時代の人々にも影響を及ぼしています。



桑原祐子 三国志「空明の哥」

2005-06-08 20:48:29 | 三国志/漫画
三国志断簡(だんかん)空明の哥(うた)/桑原祐子 著/ホーム社 発行 集英社 発売/刊行中/762円(本体価格)

内容とコメント集英社版の朝香三国志で挿絵を担当された桑原女史による、「正史」をベースにした作品で、郭嘉、陸遜、姜維を主人公にしたオムニバス形式の漫画に、趙雲に憧れる少女と、医者を目指す少年の交流を描く書き下ろし漫画を加えています。
絵柄の美しさに目を奪われがちですが、時代考証の点でもしっかりしています。
巻末の参考文献紹介も親切です。

この武将がキラキラ♪
軍師・郭嘉。人物像がほぼイメージ通りで、外見も女性受けしそうな美形になってます。
美形という点では陸孫と同じ字を持つ伯言と、陸孫の従僕・子岐(しき、字)、そして諸葛亮(髭有り)も女性に受けそうです。この3人はキャラ付けも良いです。

この目力(めぢから)がキラリ!
曹操と関羽。桑原さんの描く曹操は朝香さんの「引き合うか、反発するかしかない目」という曹操像にピッタリ当てはまっています。
関羽は漆黒の美髯に、プライドの高さが表れた目の描写が素晴らしく、とてもかっこ良い関羽になってます。
その他、透明感のある瞳は、智将の聡明さを感じさせる上手い効果を出してます。

この武将がキラリ!
主役をさしおいて曹操と関羽の他は、夏侯惇と2コマしか出番の無い趙雲。
一般のイメージでは青年の姿をしている趙雲を桑原さんが描くと…渋くなります。一瞬目を疑うほど。眼帯無しの夏侯惇も然り。
脇役の荀、呂蒙、孫権も、ファンにとってはキラリ!