GOGO三国志!

2014年に復活した白井恵理子先生の劉備くんシリーズや長池先生の「破龍」(完結)他三国志作品を応援しています!

「三国志マガジンVOL.10」その2・官渡の戦い特集

2006-07-31 20:38:15 | 三国志/漫画
今回は三マガの特集「官渡の戦い」関連作品(コラムと漫画)のご紹介です。著者はカッコ内です。
イラスト
おなじみの中井覺氏が描く表紙イラストと、巻頭カラーの原色武将図絵vol.3(今回は「火風燎原」の陳某氏が担当)は袁紹。ふくよかな中井氏版、凛と立つ陳氏版2通りの袁紹を鑑賞できます。
「袁」の字の後光にさらされる袁紹、陳氏のは何だか色褪せたような描かれ方で、立派な袁紹一門が薄れてやがて消えていく運命を表している印象を受けます。

導入
官渡の戦い復習編…タイトルどおりこの戦いがどのようなものだったかのあらましを説明したもの。関羽の活躍や弓や兵器を使用し、或いは地下から潜入を試みる激しい攻防、それにより戦が長引き、弱体化した曹操軍が起こした逆転劇、と、曹操寄りの視点で戦いを振り返っています。

漫画作品
官渡大戦(立花未来王&ダイナミックプロ)…すっかりおなじみになった立花先生の漫画作品ですが今回はギャグマンガ風に官渡の戦いを描いています。漫画でざっと戦の流れを、漫画の下には各勢力や思惑などの具体的な解説があります。
劉備はここでもしたたかです。

悪夢(加倉井ミサイル)…曹操と、彼を支えた軍師の一人、荀(じゅんいく)の話。荀が健闘したエピソードを入れる事で2人の信頼関係の描写やささいな言葉が招いたすれ違いを自然に見せています。

袁家かく戦えり(黄十浪)…官渡の戦いで敗れたものの、未だ兵力に余裕がある袁一族だったが、袁紹の死後、後継者争いの為に曹操の進撃を受けてしまう。
この作品では次男の袁熙(えんき)の視点で展開し、彼が三男の袁尚(えんしょう)を励ましながら袁家の再起を図る姿が描かれます。

コラム
三国志新聞(大澤良貴)…主に官渡の戦いの裏側(人間模様)や曹操の逆転につながった烏巣の補給基地奇襲が報じられています。
おまけ漫画は「アレ国さん」(末弘リョー子)。「アレ国志」で呉の人々やちょ^せんたちにすっかり出番を取られたとうたくさんが官渡で大暴れします。

官渡の戦い噂の真相(島崎晋)…官渡で曹操と袁紹が争っていた頃の劉備や趙雲、曹操の背後を突ける立場の劉表や孫策ら呉の勢力、在野の諸葛亮や司馬懿など、曹軍袁軍の周囲の勢力の動向を解説しています。
さらに、官渡の戦いで曹操に降伏した(裏切った)張コウ、高覧、沮授、許攸(きょゆう)の降伏した動機を追及した供述書もあります。

今回の特集で膨大な兵力と名家で優秀な人材も豊富だった袁紹軍が大敗し滅亡した様々な要因があった事が判ります。


「三国志マガジンVOL.10」その1・関羽登場漫画編

2006-07-28 20:52:54 | 三国志/漫画
コミックフラッパー9月号増刊 コミック三国志マガジンVOL.10/著者はカッコ内/メディアファクトリー/刊行中/550円(込)

いよいよ10冊目に入った三国志マガジン。そんなおめでたい記念の雑誌なのに内容は関羽ファンには試練の連続で過酷です。という訳で、関羽ファンの方は下記の順番で漫画を読まれるのがオススメです。

夷陵(いりょう)に想い燃ゆ(倭日向)…関羽を油断させて討ち、夷陵を焼いて劉備を追い詰めた「陸遜」の正体は…?その人物設定は面白いのですが人物描写は恐ろしく、怖い印象を持たれるだけになってしまうかもしれません。
この作品では「陸遜」に斬首されてしまう関羽ですが、プライドの高さはそのままです。

風に帰す~呉範伝~(繁泉光太郎)…孫権に仕え、関羽捕縛の時間まで正確に当てた占い師・呉範の一代記。彼が予言した一連のエピソードを描いていますが、孫権に認めてもらえないという所は前号の陸遜の話に似ています。孫権が暴言を言ってしまう点でも。優れた占い師でも人間的、という見せ方は伝わっていると思います。

呂布が起つ!(島崎譲)…曹操の留守を狙って城を占拠したものの、引き返して来た曹操に追われた呂布は陳宮の提案で徐州に向かい、そこで再会した劉備の世話になっていたが…。
サブタイトルが「主君自慢編」だけあって呂布は劉備を見て日輪比べ、関羽と張遼は主の魅力を語り合っています。2人の武将が意気投合する場面がすがすがしいです。
酒で失敗するも憎めない張飛やお人よし気味な劉備の人物像にも安心感があります。

島崎先生版の関羽ですがすがしくなった所で、最後に「STOP!劉備くん!」(白井恵理子)の真面目だけども笑いを誘う関羽をお楽しみ下さい。
他の漫画にも少しだけ顔を見せています。

長池とも子三国志「破龍」第3巻

2006-07-15 20:31:31 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第3巻/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/410円(込)
内容とコメント「プリンセスGOLD」に連載中の少女漫画版三国志。三国志の各武将を主人公にその活躍を描いた作品で、今回からは2巻遅れでいよいよ劉備三兄弟が旗揚げします。劉備が黄巾賊との戦いの中関羽、張飛と出会う「桃園結義」、曹操との出会い、疫病の原因を探る事になった「両雄の邂逅(かいこう)」を収録しています。
曹操が主役の話では従兄弟の夏侯惇との絆がテーマの「盲夏侯」、董卓と呂布を離間させようと美女を仕立てて送り込む「美女連環」を収録しています。
今回の見どころの一つは人物の外見や心理の変化です。例えば外見では劉備の顔つきが「桃園結義」と「両雄の邂逅」で微妙に変化していたり、関羽のヒゲだったり。
でも曹操たちの顔は少女漫画なので年代を経ても老けていません。
心理の変化は「盲夏侯」ではサイボーグのような呂布が「美女連環」では普通の人間のようになってしまう所とか、3作品での曹操の印象が違うのも注目しながら読むと判ると思います。
表紙のカバーイラストは表が曹操と劉備(手前)、裏表紙が曹操と貂蝉。貂蝉のイラストはとてもきれいなので単行本でもカラーで見られるのは嬉しいです。あと、貂蝉の微笑カット

各作品のもう少し詳しい内容はこちらをご覧下さい。
第七話「桃園結義」
第八話「両雄の邂逅」
第九話「盲夏侯」
第十話「美女連環」
雑誌掲載時の紹介文です。

と、いう訳で無事に単行本第3巻が出ました。次は第4巻発売、の筈です。
これも決定事項にして欲しいです。
4巻出ないと曹昂出ませんし、(その前に孔明の活躍を挙げるべきです)次回(9月号掲載予定)のあの人物も雑誌でしか見られなくなってしまいます。
次回予告書いてしまっても大丈夫かな~?書きたいです…ともかく発売がとっても待ち遠しいです。官渡の戦いの話の筈なのですが
今まではそれぞれの武将ごとの話だったのですが、いよいよ武将同士が一つの舞台で動いていきますし、予想の付かない展開もあるので今後がますます楽しみです