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茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

不ぞろいの石の石垣の顔です

2011-12-06 06:26:27 | 石の仕事誌
 今日は、硬いかたい石の話で恐縮ですが、本業のお話です。
ご覧頂いているのは、去年の6月、地元のみかげ石で積んだ石垣です。
以前には、大谷石の老朽化した土留めがありました。


震災の直後、帰宅途上で、こちらの現場の確認に立ち寄りました。
通学路でもありましたが、幸い地下水のある場所も無事で、道路を守ってくれていました。
見た目の印象から崩れ積みとも言われますが、揺れるほどに締まるという伝承のある工法です。

基礎もこしらえず、コンクリートも使用しない、昔ながらの仕事。
石の自重と、土の圧力を利用して、石の声を聞きながら、組み上げます。
重くて硬い石ですが、しっかりと語ってくれますから、不思議です。


自然の個性のままに、不ぞろいの石を積むことが、強さにつながります。
小さな石たちも、しっかりと全体を支えています。
どこの世界も、じつは脇役や裏方さんが大事なのです。

木組みは人の心組みと、名棟梁は言われました。
石の仕事も同じです。
現場の仲間はもちろん、石山のメンバーも、機械力をサポートする仲間も。
強い石垣には美が備わりますから、美の究極に向かって、感謝を忘れず研鑽あるのみです。



長い距離では管理が困難ですから、隙間から草が生えない設計です。
石たちを彩るヒメツルソバさんや緑色は、石垣の上からの流れ。
通学路のマスコットになれば幸いです。

石垣の内側は、山野草さんたちのエリアです。
昔ながらの石垣は、排水も保水もバランス良く、植物の根っこさんが喜びます。
拝見すれば、エビネランさんの実鞘と、イカリソウさんの黄葉です。


地元の自然石というものは、風土になじみ、古びるほどに味わいが増します。
昔ながらの工法は、災害に強く、劣化するリスクも最小です。
自然さんに感謝して、石という、命が長い宝を、生かし続けて参ります。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ノリーダヨ)
2011-12-06 08:16:26
おはようございます。
崩れ積み、揺れるほどに締まる石積み、
昔ながらの石積みの技術は素晴らしいですね!

石の声が聞ける技術、これもすごい。

ひとつひとつの石の声を聞きながら、
無駄なく個々の石が最大の力を発揮する、
すご~~いです...のひと言です。
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Unknown (青葉)
2011-12-07 05:29:13
ノリーダヨさん 
ご感想をお寄せ頂き、ありがとうございます。

実際、正直なところ、石さんのお声を聞かないことには始まらないという感じです。
立ちたがる石、座りたがる石、伏せたがる石というものが、それぞれあります。
これは、たぶん、やっていれば誰でもわかると思います。
それが証拠に、メンバーの間でもめることはないです。
たぶん、同じ言葉を聞いているからだと思います。
昔の人の仕事を見ても、昔の石、昔の人の声や心境を聞く思いがします。
それが、この仕事の有難いところであります。
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