ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

石の心を酌み交わすときは・・・

2011-06-28 05:10:30 | 石の仕事誌
 これは、笠間焼きの器です。
お陰さまで、復興に向けた石関係の修復も進み、昨日は久しぶりに日本酒を頂くことにしました。

 美味しいお酒の方程式というのがありますね。
男子の場合、基本的には仕事でしょう。

昨日のキーマンはK建材の親方、Kさんです。
Kさんは、石切山脈で出た、規格外の原石を加工・運搬して、各業界に供給するプロです。
この道40年のベテラン親方ですが、今回、初めての青葉の石工事の現場にご登場いただきました。
現場は完璧、鮮やかな仕事ぶりには、石の町笠間の底力を感じます。
早速夕方、お礼とお会計に、ご自宅に伺いました。

折りしも晩酌中。
以前にも石切り場で何度かお会いしたことありますが、そのときの無骨な印象とは打って変わり、今宵は福の神。
プロならではの、核心をつく現場の話題も面白く、人情家でもあるようだ。
こういう渋くて懐の深い人が、笠間のものづくりを、しっかりと舞台裏で支えてくれているのですね。
親方が石切り場跡地で採ったという美味しい蕨も、自然の香りが口中に広がってとても美味しい。

 さて、青葉の自宅に戻ると、器を手に取りました。
写真の器は、佐藤泰正さんのものです。
泰正さんは、普段使いの器でも、面白いものをいろいろ工夫して作る人です。
震災により、薪窯を含む三つの窯すべてが被災しましたが、現在、再建に向けて奮闘を続けています。
一日も早い復興を祈っております。

今、家にある器は皆、震災前の窯で焼かれた、大切な記念品。
この器は湯飲みですが、右手前面に縁起物の左馬が彫りこんであります。
もしかするとこれは、ご本人に確認する必要がありますが、初窯の作品なのでしょうか。

表面の粒つぶは、稲田の石山の砂の粒子です。
夕焼け空に石の星が浮かんで来たように。
手触りもよろしい、この石の粒。
この手のひらの小さなひと粒にも、生後六千年の、稲田御影の歴史を宿すロマンあり。
今宵は湯飲み転じて、男心のぐい飲みの友に。

ここ数日、当ブログでは水分を連想する日記が多かったので、本日は乾きものの三角野郎をお供に撮影。
少しほんわか、器も一緒に酔っているようです。

 と、いうことで本日は、朝一番でまたもや笠間焼。
しみるなあ~、美味しいお水を一杯頂き、現場に向かう青葉であります。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (梨の木)
2011-06-28 08:07:20
ブログ拝見しました。青葉さんの目線で語られる笠間のこと、身の回りの植物や自然、あらゆる事物についての話は、おおらかで優しくて時にハッとさせられ、学ばせてもらっています。これからも楽しみに読ませていただきます。
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三角?? (とう・しろ)
2011-06-28 20:50:02
素敵な笠間焼の器で飲んだ日本酒はさぞ
美味しかったことでしょうね。
こちらも目覚めのコーヒーを入れるマグから
夕飯時のうつわまで
一日を通して笠間焼で楽しんでおります。
「三角野郎」が
気になる本日のブログ読でした。
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ハットしました (青葉)
2011-06-29 05:10:11
梨の木さん
ご訪問ありがとうございます。
ハッとされたというコメント拝見しまして、私もハッとしました。
そして、ハッとしとことをそのまま書いたからハッされたのかも知れないと考えたりしました。
これからも、あるがままの感じをお伝えしていけたらいいなと、感じております。
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豆でありました (青葉)
2011-06-29 05:20:50
とう・しろさん
ご観察のコメントありがとうございます。
とてもおいしく頂きました。
三角の袋の中には、小さな豆が入ってます。
商品名はじゃりまめ、とか。
普段仕事で砂利さんにはお世話になってますが、何かの呼び名に冠する時にはややさげすんだ響きがあり、豆さんがかわいそうに思いました。
そういえば、野郎という言葉も近頃ばかられるような。
とう・しろさんの日々の笠間焼きのご愛用、本当に嬉しく感じます。
器たちも喜んでいるだろうなと想像いたします。
ありがとうございます。
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