一昨年12月以来3回に亘って、鈴木隆一講師開発のGP-Chartのデコンパイルに挑戦した。よく似た平滑化平均足(Smoothed Heiken_Ashi)にまでこぎつけたが、まったく同型のオリジナルには到達できていない。平滑化の計算式が無数にあるためである。
今回、思い直して別の観点からGP-Chartを再検討してみた。次に示す二つのカラーチャートの左側がGP-Chart、右側がメタジェニック社の平滑化による新平均足である。二つのチャートの下には同じ通貨ペアと同じ時間軸のローソク足(ドル円・日足)が表示されている。
各チャート利用者の予想されるエントリーポイント
① ローソク足利用者
今回の下げ相場で、売りシグナルが最も早く点灯するのはローソク足である。下段のローソク足には3本の垂直線が表示されているが、ローソク足では緑の線の始値(陰転の位置を1とすると2の位置の始値)で下げトレンド発生とみて売り参入した人もいるであろう。ところが上段のGP-Chartと新平均足チャートでは未だ買いのシグナルが出たままである。今回の場合、ローソク足の陰転で売りエントリーした方にとっては大成功であったが、いつもはそううまくはいかない、ローソク足一本の陰転がダマシに遭遇することはあまりにも多いからである。
② GP-Chartの利用者
GP-Chart利用者の売り参入ポイントは、左上のチャートで黒い垂直線の始値ということになる。これと同時点でのローソク足の位置を見てみる。最初の陰転の位置を1とするとそれから遅れること7番目のローソク足の位置に相当する。誰の目にもこれではエントリーのタイミングが遅すぎるという判断になろう。通常の下げでは、この時点ではもう下げトレンドは終息しているかもしれない。
③ 新平均足の利用者
新平均足の右上チャートの赤い垂直線(5の位置)の始値でのエントリーということになる。この時点での他のチャートでの位置は赤い垂直線の位置である。GP-Chartでは未だ売りシグナルは出ていない。
まとめ
GP-Chartは見た目がカラフルで裁量取引には優れているように感じられるが、これを利用して実際に取引をすれば結果はおぞましいことになりそうだ。これまで、GPに似た平均足を作成しようと頑張ってきたが、よく考えてみると、これはおそらく使い物にならない。おそらくというのは、GPのソースコードが公開されていないため、EA化してバックテストもできない状況だからである。
方針は決まった、GP-Chartより実用的な新平均足の赤と青のローソク足の一部をトレンド収束ないしは転換を示唆する黄緑のローソク足に変更するだけである。
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