トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

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MT4 人気の裁量取引逆張り型チャートセットアップ

2019-06-01 16:27:37 | 投資

 トレーダーの間で取りざたされているデイトレ用人気の商材がある。〇〇 AI StrategyといういかにもAIで相場を分析するかのようなネーミングであるが、もちろんこれAIとは無関係、狗肉とは言わないが羊頭であることには違いがない。 

 主として2種のインディケータを組み込んだ通常のMT4チャートセットアップである。個々のインディケータ名やその論理式は公開されていない。ただし、動画を一瞥すれば、使われているインディケータはSuperSignal系とRCIであることは明らかである。 

 SuperSignalをチャートに展開すると、過去の高値・安値の相場の転換点が見事にとらえられている。デモ動画を初めて見た人は、これぞ最高の逆張りツールと感嘆してしまいそうだ。でも、だまされてはいけない。過去の転換点は正確無比にとらえられても、将来の値動きに関しての再現性は大幅に低下する。分析可能な値動きは過去から現在までの値動きに限定され、将来の値動きなど誰にも予測することはできないからである。 

 SuperSignalの売り買いのシグナルは有名なFrantalsというインディケータの特殊形としてプログラムされている。

 本来、フラクタルズは上記2図のような山と谷が形成された場合に、現在のローソク足より遡った過去のローソク足である山または谷に売買シグナル(相場転換点)を表示するものである。ところがSuperSignalでは、現在のローソク足において上図の山または谷らしいものが現れた段階(未だ右側2本のローソク足が出現していない段階)でシグナルを発してしまうことになる。 

 もし、現在のローソク足が3本目の最高値または最安値(もどき)となった場合には、売りまたは買いのシグナルが点灯する。それでは次の足がさらに最高値または最安値を更新した場合にはどうなるか。これもまた3本目の最高値または最安値に該当するから、この足にも売買シグナルが描画される(リペイントされる)ことになる。高値を切り上げたり、安値を切り下げたりとトレンドが発生した場合には大変である。チャート上シグナルが重複して画面が汚くなるばかりか指標として使い物にならない。動画でこのことを詳しく説明していないのが誤解を生む要因となっている。 

 動画ではRCIをフィルターに使っている。AI AnalyzeなんてTHV流の気取った表現をしているが、平滑化されたRCIでSuperSignalをスクリーンにかけているにすぎない。実際に使ってみるとRCIでは反応が出遅れになることが多い。こちらも改善の必要がある。 

 SuperSugnalとRCIの弱点を改善した逆張り型チャートセットアップを作成してみた。GBPUSDの1時間足(左の2チャートは5Mと4Hの補助チャート)

 

改善点

① SuperSignal

 買い(青)または売り(赤)の矢印が途中の高値・安値で何度も表示(リペイント)されないようにした。

② アラートとメール発信機能

 最新のローソク足に売買シグナルが点灯した段階では、いまだ高値や安値が更新中である場合が多い。次の足の終値で新たな高値や安値の更新がなされなかった場合に限り、1本前のローソク足が最高値または最安値である可能性が高まると判断し、この段階でアラートとメール発信ができるようにした。設定画面で各機能をtrueとすることで両機能が利用できる。           

③ RCIに替わるオシレータ

 RCIと比較して、より反応の鋭敏なDynamic Trader Oscillator(DT Oscillator)を採用した。「Dynamic Trading」の米著者R.C. Miner氏開発によるもので、海外トレーダー間で評判のツールでもある。SuperSignalのシグナル点灯、アラート・メール機能の発動に続いてDT Oscillatorが高値圏または安値圏を脱したことを確認してエントリーという順に従う。

③ 6σエンベロープを新設

 本手法は逆張り手法ということで、レンジ相場での取引が中心となる。EMA(20)の上下に各6本のエンベロープを配した特製のインディケータを作成した。MT4標準搭載のエンベロープと異なり、計算の基礎を各通貨ペア・時間軸のATRに置いているため、トレード対象の通貨ペアや時間軸を問わず、パラメータを変えずにそのまま利用できる。エンベロープが比較的なだらか(水平に近い)に推移しているときは、高値または安値が±σ1の外に飛び出した際に逆張りで市場参入するのが効果的、反対にエンベロープが急な右肩上がりや右肩下がりにあるときは、トレンド発生の可能性が高いので、逆張りトレードを中止するか、右肩上がりであれば買いシグナル、右肩下がりであれば売りシグナルのみに従う。±σ3超で参入すると比較的大きな利益が出やすい。

④ Price Ticker(画面右上の価格等表示)

 今回、ローソク足の残り時間(次のローソク足が現れるまでの時間)を画面左上に表示できるようにした。オプションをやる方には有用ということである。

 MetaGenic社の同意があれば、近く公開したいと考えている。

6月5日、公開されました。

https://metagenicfx.thebase.in/

 



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1 コメント

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ナンピンとセットにすれば、使えるかな?! (yukio417)
2019-06-02 06:44:39
ナンピンとセットにすれば、使えるかな?!
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