トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

江守哲氏監修 MT4 インディケータについて

2021-10-27 11:48:48 | 投資

このブログを読んでいただいている方から連絡を頂き、江守哲氏が監修されたEMORI MT4 Indicator for ATRといインディケータが限定販売されており好評を博していることを知った。

その方もそのインジを購入されたのであるが、一部不便な点があるのでプログラム修正を依頼したが販売会社には断られたとのこと、筆者提携先を通じて不都合部分改善の依頼が寄せられた。インジをメールに添付して送られてきたのである。もとより件のインジのソースコードは明らかにされていない。筆者にハッカーレベルの技術があれば、機械語のデコンパイルができるかもしれないが、それは無理というもの。そもそも市販されるEAやインジにはプロテクトが架かっており、そのインジをチャートに表示すらできないことは自明の理でもある。

そこで、相談者のMT4チャートに同インジを表示させたもののスクリーンショットをお願いしたところ、次のチャートコピーが届いた。OANDA社のJP225の4時間足に表示させたものである。

なかなかの出来に見える。相談者の話では、ザラ場に発生する売り買いサインが出た場合にアラート(警告音とダイアログボックス)が欲しいとのこと、その程度の依頼なら、簡単なプログラムを付加するだけで済むことなのに、販売者がプログラム修正を拒否したのはどういうことであろうか。多くの顧客を前に個別対応はしたくないのであろう。

販売者のインフルエンサーの方が、YouTubeにて同インジの使いかたについて動画を公開されている。https://www.youtube.com/watch?v=QCtpyfUt62w

送付されてきたチャート及び動画からおおよそ次のような見当が付いた。

  • 相場の上昇局面では、ローソク足の下側に、相場の下降局面ではローソク足の上側にパラボリックに似た曲線が表示される。そのパラボリックの計算にはATRが使用されていることは、インジの名前からして間違いない。
  • 矢印は、終値がパラボリックを上下に突き抜けた際に発生する。ザラ場にもシグナルが発生するのは、そのことを物語っている。
  • 太いパラボリックの上下に細い曲線が描かれていて、両者の間には赤または青の縦縞で埋められているが、これはシグナルとは一切関係がない。見た目をよくするための製作者の工夫であろう。

以上の判断から試作してみたのが、次のようなものである。同じOANDAのJP225 4Hのチャートに試作品(Parabolic ATR)を表示させてみた。

オリジナルに酷似しているが、まったく同じではない。オリジナルの論理式は全く不明であるため、計算方法やパラメータ等の数値が若干異なることは当然である。ただ、パラボリックの設定には余裕を持たせているので、オリジナルと比較して明らかにダマシが少なくなっていることを気づかれると思う。

後は、これのEA化を行い過去検証(バックテスト)で相性の良い商品や通貨ペア、それらの時間軸を確認することである。EA作成にはさほど時間はかからないので、公開できる日も近いと考えている。もちろん、インジにはアラートを必要とする人のためにそのオプションも追加しておこうと思う。

言い忘れたが、オリジナルと試作品のパラボリックの色やシグナルは全く逆の色分けになっていること、念のため付け加えておく。

(追記):完成版はインディケータに自動売買ソフト(EA)がパッケージされて、MT Studio21.comにて公開されました。