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流れに任せて

映画『ハロウィンTHE END』

2023-11-23 06:12:05 | 映画

ネタバレあり

 

 

↑このポスターのデザイン良いよね。映画のテーマにもあっている気がする。

 

 

 

1963年、ハロウィンの夜。アメリカの田舎町ハドンフィールドに住む6歳の少年マイケル・マイヤーズは、自身の姉をなんの理由もなく、ナイフでめった刺しにして殺害します。

 

それから15年後、1978年。精神病院に収監されていたマイケルはハロウィンの夜に脱走、故郷ハドンフィールドに帰って来る。

 

殺人鬼”ブギーマン”となって…。

 

 

 

1978年公開の映画『ハロウィン』は低予算、短期間で制作された映画で、なにせ予算がないものだから、派手な特殊メイクなどには頼れない。だから、

 

いかにお金をかけずに、怖い画を撮るか。

 

 

この映画はその見せ方が素晴らしかった。私が初めて観たのは高校生の時、当時TBS系列で放送されていた『月曜ロードショー』でしたが、そのスタイリッシュな映像美にすっかり魅了されてしまい、この作品の大ファンとなってしまいました。

 

 

私のような人は世界中にいたのでしょうね。この作品は世界中で大ヒットを飛ばし、インディペンデント系映画としては世界で最も稼いだ映画として記録されているそうな。

 

 

そんな作品ですから、当然のように続編や亜流の作品が多数作られることになる。私はその辺りの作品のほとんどを観ていません。

 

いや81年の『ハロウィン2』は観たかな?でもほとんど記憶にない。きっと面白くなかったんでしょうね(笑)。

 

 

これら続編等を一端すべて「なかったこと」、白紙に戻して、新たな「正統続編」三部作が制作されることになります。

 

 

2018年『ハロウィン』、2021年『ハロウィンKILLS』、そして2023年今年、

 

 

『ハロウィンTHE END』公開というわけです。

 

 

第1作目で、マイケル・マイヤーズと対決し生き残った、かつての女子高生ローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーチス)が再び主人公として登場。すっかりお年を召したとはいえ、いつ戻って来るかわからないマイケル”ブギーマン”マイヤーズの襲撃に備えて鍛えています。

 

 

一方そのマイケルは、再び精神病院に収監されていましたが、またまた脱走。やはりハロウィンの夜に、例のマスクをつけて、故郷ハドンフィールドに帰って来る。

 

 

ハドンフィールドに起こる再びの惨劇。しかしこの三部作では、必ずしも”ブギーマン”の活躍(?)が描かれるわけではありません。むしろマイケルの帰還によって、この田舎町ハドンフィールドに暮らす人々の精神状態が、どんどん追い詰められていくさまを中心に描いているんです。

 

 

本作では、過去に問題を起こして街の人たちから好奇の目で見られ鬱屈している青年が、地下道に潜んでいたマイケルと出会い、マイケルの持つ純粋な「邪悪」さに感化されて、自らが殺人鬼となっていく。

 

 

それとローリーの物語とが平行して描かれ、結果としてマイケルの登場頻度は少なくなってしまうんですね。

 

 

最終章ということもあって、わざわざ劇場に足を運ぶ観客は、やはりマイケルの大活躍が観たいわけですよ。でも目当てのマイケルはあまり登場しない。

 

 

観客としては、フラストレーション溜まるよね、これ。

 

 

まあ、映画のテーマとしては、マイケル・マイヤーズのような「邪悪」な存在は、実はすべての人間一人一人の中にいるんだよ。ということを言いたいのでしょう。それはわかるけど、

 

 

やはりマイケル・ブギーマンの登場頻度が極端に少ないのは

 

 

マズいよねえ。

 

 

そのせいか評判はあまり芳しくないようです。だろうな、と思いますよ。

 

 

ブギーマンが登場しなくて、なんの『ハロウィン』ぞ。

 

 

 

そう考えてみると、『ゴジラ-1.0』における人間ドラマとゴジラとのバランスは、絶妙な上手さだったのだなあということが、改めて認識させられます。

 

 

『ゴジラ-1.0』まだ観ていない人は劇場へ急げ!

 

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それはともかく…。

 

 

 

主演のジェイミー・リー・カーチスはカッコいいです。1作目の『ハロウィン』で名を上げてから45年。思えばこの方の女優人生は『ハロウィン』と共に始まり、『ハロウィン』と共に歩んできたといっていいのかもしれない。

 

 

父親はハリウッドスター、トニー・カーチス。割とサイコパスな役柄を演じることが多かったなという印象があります。

 

母親はジャネット・リー。一番有名な役はアルフレッド・ヒッチコック監督作品『サイコ』における、シャワー・ルームで惨殺される女性役ですね。

 

 

一家全員、「そっち系」の映画に妙に縁がある。

 

人の縁とは、面白いものです。

 

 

 

 

本作にて、マイケル・マイヤーズの肉体は文字通り「粉砕」されますので、”ブギーマン”はもう、この世には存在しない。これでシリーズは完全に終わりました。

 

 

 

いや、本当にそうなのだろうか。

 

 

マイケル・マイヤーズは、”ブギーマン”は、人間一人一人の心の中に存在するとするなら

 

 

ならば

 

 

新たなマイケル・マイヤーズが、新たな”ブギーマン”が

 

 

再び現れる可能性はないとはいえない、かもしれない。

 

 

いつかブギーマンは復活する。その「純粋なる邪悪」と共に。

 

 

一番怖いのは、誰あろう「人間」自身。

 

 

それがこの三部作のテーマ、なのでしょうな。

 

 

 

テーマの是非はともかく、上に貼ったポスターは、そのテーマを上手く表しているなと思いますね。

 

 

マイケル・マイヤーズとローリー・ストロードは、実は表裏一体なのだ。

 

 

な~るほど~。

 

 

 

 

 

 

『ハロウィンTHE END』メイキング。ジェイミーの目に涙。

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