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流れに任せて

Nancy Sinatra [You Only Live Twice]  あるいは「トンデモ日本」

2023-10-11 05:34:51 | 映画音楽

 

 

 

 

イギリス諜報部MI6の諜報員ジェームズ・ボンド。コード・ナンバー007の活躍を描く、シリーズ5作目[007 / You Only Live Twice]

 

邦題『007は二度死ぬ』

 

 

 

シリーズ唯一の、日本を舞台にした作品。ほぼ全編日本でロケが行われています。

 

日本の場合、映画の撮影許可を取るのが難しく、そのため洋画の場合は日本を舞台にしていても、実際に日本でロケが行われることはほとんどありません。

 

 

高倉健や若山富三郎、松田優作などが出演した映画『ブラックレイン』は大阪が舞台ですが、実際に大阪でロケされたシーンはほんの僅か。ほとんどがハリウッドで撮影されています。

 

 

『ラストサムライ』はほぼ全編オーストラリアロケだし、ブラッド・ピット主演で真田広之も出演している去年公開の映画『ブレットトレイン』は、日本の新幹線車内で起こる事件を描いていますが、これも日本では撮影されていない。

 

 

現在公開中でキアヌ・リーブス主演、真田広之、ドニー・イェン共演の映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』でも大阪のシーンがありますが実際には大阪で撮影はされていません。

 

 

しかし『二度死ぬ』は違います。ほとんど国家規模といっていい協力体制の元に撮影されており、地下鉄丸ノ内線を借り切って撮影するわ、当時の横綱・佐田の山が本人役で出演するわ、国宝・姫路城で大規模な武術シーンを撮影するわ、特別にオープンカー仕様にしたトヨタ2000GTが登場するわ、ホント

 

 

破格の協力体制だったと言って良い。やはり

 

 

007は違うね。

 

 

しかしながら、洋画によくある「トンデモ日本」という奴、この作品にも当然のようにあります。

 

 

なかでも際立っているのが、日本の諜報部隊。これがほぼ

 

「ニンジャ」なんです。

 

 

とつくにの方々は、侍とか刀、そして忍者が好きなんですね。ある意味、日本人以上に。

 

上に挙げた映画、ジョン・ウィック・シリーズの3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』でも、最大の死闘を繰り広げるのはニンジャ軍団相手だったし、今回の作品『……:コンセクエンス』では真田広之とドニー・イェンの壮絶なチャンバラ・シーンが描かれています。

 

 

本当は彼らだって知っているんですよ。現実の日本にはもはや、侍もニンジャもいないってこと。

 

 

それでも観たいんです。侍を、チャンバラを、日本刀を、ニンジャを、手裏剣を。

 

 

若い頃は、そんな「トンデモ日本」を観るのが嫌でした。なんだか馬鹿にされているような気がして。凄く不愉快でした。

 

 

でも今は違います。今はなんとなくわかってきたんです。

 

 

なぜ彼らが敢えて「トンデモ日本」を描き続けるのか。

 

 

それはおそらく、日本という国への、日本文化への

 

 

憧れ、リスペクト故のことなんだと。

 

 

エンタテインメントという「ファンタジー」のなかで、たとえ荒唐無稽なかたちであっても、彼らが憧れるニッポンを描きたかったんだなと。

 

 

そう思えるようになってから、この「トンデモ日本」、私も好きになりました。

 

 

すべては「視点」の問題。憧れ、リスペクトとしての「トンデモ日本」という視点に立ってみると、これがメッチャ

 

 

面白いんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニンジャ」バトル・シーン

 

 

天井からロープを伝って一斉に降りてくるカッコよさね。最初は銃を使って攻撃するけど、最終的には刀を抜いて敵をバッタバッタと斬り倒す。んなわきゃねーだろ!なシーンですが、やりたくて仕様がなかったのでしょう。日本の時代劇が好きなのだろうから、赦す。

 

ショーン・コネリーカッコいい!丹波哲郎若々しい!

 

浜美枝さんメッチャ綺麗!ドナルド・プレザンスの重厚感!

 

 

こういう荒唐無稽な楽しさ

 

 

好きだなあ。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みき枝)
2023-10-11 15:07:53
面白い~!
視点を変えれば楽しみが増えますネ!

来月、初めて舞台「鬼滅の刃」観に行くのです。
生身の人間が、美しいファンタジーの漫画のキャラクターには絶対ムリ、、て拒否ってました。
でも炭治郎役の役者さんの真摯な、作品に対するリスペクトと一生懸命演じてくださる様子に、観に行きたくなりました!
実写ドラマとかは相変わらず嫌ですが、舞台の魔法は、かかれば面白そうです。
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Unknown (薫兄者)
2023-10-11 18:44:50
みき枝さん、漫画の実写化って難しいですよね。ほとんどが失敗してます。鬼滅も実写化は止めた方がいいです。
でも舞台はまた違う気がする。うまく言えませんけど、舞台ってのは実写映画よりもずっと漫画の方に近い気がする。世界観の構築の仕方とか、実写より舞台の方がやり易いんじゃないかな。多分実写よりは舞台の方が、漫画との相性はずっといい感じがします。
鬼滅の舞台化、上手く行けばいいですね。
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