映画『ゴジラVSキングギドラ』予告編
この作品では、23世紀からやってきた未来人が、ゴジラ禍に悩む日本を救ってあげましょうと、終戦直前の南洋の孤島にタイムスリップして、その孤島にいたゴジラザウルス(怪獣ゴジラの基になった恐竜)を、ベーリング海の海の底にワープさせちゃうんです。
これによって、ゴジラザウルスは昭和29年に米軍が行った核実験の影響を被る事はなくなり、したがってゴジラは現れない。これで日本は万々歳!
かと思いきや。
未来人たちの策謀で、ゴジラザウルスの代わりにドラッドという未来のペットを置いていくんです。で、このドラッドが核実験の影響を受けて
キングギドラになったと。
で、現代に帰ってきたらアラ大変!ゴジラがパっと消えて、代わりにキングギドラが現れたと。
えっ?ちょっと待て。そんなわけないじゃん!?
ゴジラがいた時間軸から、ゴジラがいない、代わりにキングギドラがいる時間軸に移ったわけでしょ?ならば
昭和29年以降、日本にはずっとキングギドラがいた。キングギドラ禍に悩まされ続けていた。とならなければおかしい!
これ、SF的発想の基本中の基本です。
だから当然、人々の記憶にはゴジラはいない。日本人のみならず、世界中の人すべてが
ゴジラなんて知らない。
そうなってなければおかしい!
アニメ映画『君の名は』は、その点がちゃんと整理されています。
隕石の落下から村人たちを救うために奔走した結果。時間軸が書き換えられ、村人は誰一人犠牲にならなった時間軸へと移行します。結果
村を救うために奔走した記憶がすべて消える。当然です。村人は助かったのだから、村人を救うための時間を越えた行動など
「なかった」ことになったから。
主人公の男女二人も、お互いの記憶をなくしてしまう。でも
「魂」に刻まれた「想い」だけは消せなかった。だから
ラストシーンで知らない同士のはずの二人は、互いに惹かれ合う。
SF要素とラブロマンスの要素が絶妙に融合した傑作ですよ。色々批判もありますが、私はこの『君の名は』
大好きです。
それに比べて…。
いやさ、映画としては面白く作ってあるとは思うのよ。基本、楽しい映画だとは思う。
ゴジラとメカキングギドラとの、東京都庁での大バトルシーンなどは、特撮の歴史に残る名シーンだと思う。だからねえ…。
ホント、SFってものを、もうちょっと理解していて欲しかった。
惜しいんです、本当に、惜しい。
平成VSシリーズって、大体こんな感じ。面白いんだけど、なにかこう、今一つ乗り切れないものが残ってしまう。そんなシリーズ。
川北紘一特技監督の特撮演出は、文句なしに素晴らしい!だから余計に
惜しいなあと
思っちゃうのよねえ。
映画『君の名は』予告編
久しぶりに観たくなってきたなあ。