さかざきが綴る「アンティークな日々」

アンティークディーラーさかざきがアンティークのこと、日常のことを綴っています。

久し振りに「ボヌール・デ・ダム百貨店」を

2013-01-10 | 日常生活

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 このお正月は自宅でゆったり読書。そんな時にうってつけだったのがこちら「ボヌール・デ・ダム百貨店」、分厚いこの本はゆっくり腰を据えないと読む気になりません。結局名古屋にいる間には読破できず、また東京に持ち帰って読んだのですが…。

 この本、改めて読んでも本当に面白い!著者のエミール・ゾラは、当時のデパート、ボン・マルシェやルーブル百貨店(百貨店自体は既にありませんが、その建物は今もルーブル美術館の前に存在しています。現在はアンティークモールのLouvre des Antiquaires ルーヴル・デ・ザンティケールとして営業しています。ひょっとしたら足を踏み入れたことがある方もいらっしゃるかも?)で、かなり取材をしたそうで、19世紀後期のデパートの様子が克明に描写されています。兎にも角にも私の興味のあるものがいっぱい登場!すべて女性のための物ばかり、様々なドレス生地やアランソン、マリーヌ(メヘレン)、ヴァランシエンヌ、ニードルポイントなどのレースの数々、既製服、下着、帽子、ファン、パラソル、…どれも今私が実際に扱っている物ばかりなのです。

 例えば「ボヌール・デ・ダム百貨店」の一節に、貴族の女性がレースを万引きしたこんな描写がありますが、そんなところからも当時のレースに対する女性の思いが分かります。

…1,000フランのアランソンレースの裾飾りが、袖の中に隠されていたほか、胸元から、ハンカチ1枚、扇1本、襟飾り1枚が、平らになり、生温かい状態で出てきた。合計1万4,000フランほどのレースであった。1年前から、ド・ボーヴ夫人はこのように激しく抗いがたい欲望に正気を失い、万引きを重ねていた。…(「ボヌール・デ・ダム百貨店」より)

 アランソンのボーダーは、当時も格別に高価で、貴婦人達の憧れの的だったことが分かります。「1000フランのアランソンのボーダーって、今だったらいくらぐらい?」と思い、インターネットを駆使して19世紀後期の物価を調べた結果、だいたいの目安で1フラン¥1,000程度だったということ。ということは1000フランは100万円!?金額が分かるとより現実的に思えます。それにしても万引きの金額が1万4000フランって、凄いですね!

 こちらはビブリオテーク(フランス国立図書館)による『ボヌール・デ・ダム百貨店』についてのホームページ。フランス語ですが、当時の資料や画像が沢山あって興味深いですよ。

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