ゲゲゲの姉女房②

　姉は松下奈緒のファンで彼女の出るドラマは感情移入してよく見ておりました。多少、彼女と似たところもあるようです。自分も、昔、売れない漫画書きだったこともあり、このドラマは二人で割と気になって見ておりました。

　そして、今回、姉の心のようなものを感じてからは、その気持ちは更に強まっていました。

ですが、作品が売れず、さっさと終わらすことになった漫画の中で、悪い世を正そうと頑張ったのに結局、死んでいく悪魔君とかいうキャラクターに感情移入して悲しむ松下奈緒をみていて、現実に人を失う苦痛に比べて、所詮、上っ面だけの悲しさじゃないか、こんな話に本気で、のめりこめるものかと、少々、ひねくれ、ふてくされた気分にもなって見ておりました。

　また、自分はどうしようもない悲しみに沈みかけていたのです。

　しかし、そのことはそこでまた起きました。


　必ず、また悪魔君が復活するのだとの表現があり、感動的BGMの中、そのナレーションと共に番組が終わらんとする時でした。
　その音楽とナレーションにあわせるかのように
　またしても前と同じような強い感情の流れが胸の奥から伝わってきたのです。

『必ず、また復活するから！』・・・と

　それは正確には言葉ではなかったのですが、
　明らかに明確な復活の意思を感じさせるものでした。

　私は混乱しました。



　え・・・？　　

　復活って・・・

　姉がってこと？　

　？？？


　漫画やドラマ、ファンタジーの世界ならともかく、

　本当にあればそれほど嬉しいことはないけれど

　現実にはありえない・・・

　これはただの思い込みか？
　それともホントに彼女の心の声なのか？

　ならばどう復活するというのか？

　いや、やはりありえない。

　おそらくは、単なる自分の願望が生み出した幻覚のようなもの・・・でも復活するんだというその気持ちは高まるばかりだったのです。




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