ハワイ旅行記ブログ 行燈徒然日記

雑多に色々と・・・ 読んでもつまらんよ!

蒼穹の昴

2005年06月05日 | Weblog
久しぶりに、最近読んだ本の事である。
浅田次郎著「蒼穹の昴」(そうきゅうのスバル)
蒼穹とは青空の事で、本の中にしばしば登場する
フィレーズが、神の創りたもうた青空よりも、
蒼い穹(そら)。それを見るもの全ての心に、
安らぎと力を与える。そんな蒼穹を描いた
ヴェネチィアの天才画家ジョゼッペ・カスチリョ-ネ。
彼の描いた天井画「蒼穹の昴」。その時代よりも
さらに百数十年後の中国(清国)が舞台である。

当時の大清国は、フランス・イギリスをはじめ
とする列強に国土を蝕まれ、崩壊の危機にあった。
そんな中、地方の貧しい糞拾い少年「李春雲」と
金持ちだが、妾腹の子「梁文秀」2人の物語で
ある。老婆の予言により文秀は、進士に登第し
大臣となり皇帝を補佐する未来、そして春雲は
西太后の財宝を全て手に入れる未来を予言される。
はたして予言通りに、文秀は受験者NO1の成績で、
進士になり揚々たる未来を掴む。一方春雲は貧ゆえに
男性を捨て、宦官となり宮中に仕える。

お互いを理解し合うがゆえに敵対し、時代の
大きな渦の中に巻き込まれて行く、2人の若者の
物語である。
はたして蒼穹の昴は、どちらに輝くのか。
じっくり読むと、ノスタルジーとナショナリズム。
哀愁と悲哀、運命と天命等、様々ものが去来する。
不思議で破天荒な物語であった。
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