ハワイ旅行記ブログ 行燈徒然日記

雑多に色々と・・・ 読んでもつまらんよ!

重耳

2005年04月05日 | Weblog
今日、少し長めの小説を読み終えた。
「重耳」と言うタイトルで「ちょうじ」と読む。
中国春秋時代の晋の国主の物語だ。
はじめは、長い解説に少しイラつたが途中から面白く
なったきた。上・中・下3冊からなるこの本は、
宮城谷昌光氏の著書である。前半は重耳の祖父が
晋を統一する物語で、その後若い女に狂った重耳の父が、
国政を誤り悪政を引くストリーだ。最後は19年の
放浪生活の後、見事晋の国主となった重耳が、近隣諸国を
支配下に収めて覇者となる結末なのだが、この主人公が
幼い頃はそれ程期待されずに育ち、長ずるつれ人格に厚みが
まして来る成長過程がとても面白い。
本人は至って無欲な人で、時に人の家来になりそうになったが、
家臣たちが認めずに、重耳をひっ担いで逃亡するのだ。
その家臣団の願いにより、天下に覇をとなえる人となるのである。
19年の流浪の日々も、人格形成に大きな影響を与えており、
人の痛みのわかる君主として、人民から大きな信頼をえる。
この祖父・父・重耳の3世代は実在の人物であり、
その思考はまさに大陸的である。自分の仕事を子が受け継ぎ、
さらに孫が頂点に立つと言う途方もない、時間の流れを平然と生きる
人々の話でもある。とかく結果を急ぐ現代では考えられない、もの
の考えでもあり、そこがまた新鮮に感じる部分でもある。
意外に面白かったこの物語を、是非諸兄にも紹介したく感想を
述べて見た。

コメント
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