goo blog サービス終了のお知らせ 

タマの特訓

 そのタマであるが、自分でドアが開けられない。
 実家では、どの部屋のドアも猫が自由に開けられるように、猫おやじである父の工作で、一方からは押せば開き、反対側からは、猫の背の高さに取り付けられた猫用取っ手を引っ張れば開くようになっていて、しかもバネがついているから自動的に閉まるようになっている。ちゃめもデビンちゃんもちゃぷりも、この仕組みを使いこなしている。とくにちゃめのドアの開け方は妙技といってよく、取っ手をちょいと引っ張って自分が通り抜けられるぎりぎりの幅だけ開けて通っていく。バネの力で閉じかけたドアの隙間を、ちゃめの尻尾の最後がするりと抜けていく様を見ると、いつも感心してしまう。
 ところがタマは、この猫仕様のドアを開けることが出来ない。引くのはもちろん、押す方は割合に簡単だと思うのだけれど、もともとがやる気のない猫だから、学習する気も起こらないのかちっとも覚えない。
 もっとも、ドアを開けるのはポチも出来なかった。まだ寒かった頃、居間から台所へ通じるドアを開けたら、台所にいたポチとタマがドアの前に並んで座っていたことがある。暖かい居間に行きたいのにドアを開けることができないから、誰かが開けてくれるのを待っていたのである。大の男二匹が困って、並んで座っている姿はなんだか可笑しかった。
 そのタマに、父と母が、ドアの開け方を教えようと試みた。ドアのこちら側で父がタマの好きな竹輪をちらつかせ、向こう側で母がタマにドアを押して開けさせようとしたのだけれど、ちっとも埒があかない。しまいに、ドアの隙間から手を伸ばして竹輪を引っ掛けようとしたタマの爪に、父が指を引っかかれて、タマの特訓は終わりになった。


にほんブログ村 猫ブログ 猫絵・猫漫画へ ←1クリックよろしくニャ~
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
« シケ猫タマ 母の日 »
 
コメント(10/1 コメント投稿終了予定)
 
 
 
通天キャッツさんへ (千夏)
2008-05-11 00:03:03
いえいえ、そんな本格的なものでは全然なくて、ちょっとしたバネの仕掛けと、取っ手をつけてあるだけです…
(そして、おっしゃるとおり、自分の猫好きが高じてつけてます。猫はドアを開けても閉めることはしないので・・・)

猫の個性の違いにはいつも驚かされますが、血がつながっていても、性格はいろいろなんですね~。
 
 
 
父上って。 (通天キャッツ)
2008-05-10 23:14:52
そんな本格的な猫扉を作れるなんて、すごいですね。
その技術も、サプライズではありますが。
猫や娘の楽しみのために、(いや、自分の楽しみでもあるのでしょうか)そんな仕掛けを作ってるお姿。
なかなかお茶目さんですね。

猫にも器用・不器用ありますよね。
うちも、兄妹・双子のくせに、♀は達者で♂はどんくさい。
 
 
 
タマちゃんへ (千夏)
2008-05-10 21:57:53
同じ名前がついてしまって、まことに恐縮です…しかも、あんまり出来のいい猫ではないので、記事の内容は悪いことばっかりだし…(憎めない猫ではありますが)

わたしもときどき、京都市美術館にいきますが、そこに出品されているお友達、どちらの方でしょう…
 
 
 
むーじょさんへ (千夏)
2008-05-10 21:53:13
むーじょさんちの猫ちゃんは、おりこうさんなんですね~!
前にテレビで、窓の鍵まで開けて脱走する猫の映像を見たのですが、その手の猫ちゃんなのでしょうか。
猫ちゃんが脱走してしまわないように、むーじょさんの発明で、「猫脱走防止ドア」、ぜひ作ってください~。
 
 
 
タマちゃんのこと・・・ (タマちゃん)
2008-05-09 08:36:20
タマちゃんのことをいわれると
自分のことを言われているようで
くすぐったいです。

さあ今日は家に閉じこもっていないで
扉を開けて出かけたいと思います。
京都市美術館で友人の作品を見て
午後からちょっと打ち合わせです。
 
 
 
ドアが開けられないネコちゃんもいるのですか~ (むーじょ)
2008-05-09 06:02:07
ドアが開けられないネコちゃんもいるのですか~

わたしの家ねこは、どんなドアでも引き戸でもサッシでも開けて脱走してしまうので、ホントに困ってしまいます。
家人が外に出てゆく気配を察して、脱走する計画を前準備している時も多いです。

みみにゅが脱走しないように、わが家では、にゃんこと人間の知恵比べが毎日のように行われてます
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。