goo blog サービス終了のお知らせ 

どんぐり拾い

 どんぐりの帽子とか座布団とかいわれているものは、「殻斗」と呼ぶそうだけれど、植物園の雑木林に、がさがさしたクヌギの大きな殻斗が落ちているのを見つけた。拾ってみると、殻だけで中身はない。近くに落ちているだろうと思ってあたりをよく見ると、立派なクヌギの木があって、地面には一面、どんぐりの座布団が落ちている。ところが奇妙なことに、殻ばっかりで、肝心のどんぐりがちっとも見当たらないのである。地面を眺めつくして、やっと見つけたと思ったら、つぶれてしまっているものや、土に埋もれて芽を伸ばしはじめているものなどばかり。
この不思議な現象に、思い当たる節は、先週植物園に来たときにいた、そろいの赤い帽子をかぶった幼稚園児たち。遠足シーズンだから、そういう子供たちが、毎日のように植物園にやってくるのだろう。大きなクヌギのどんぐりは、子供たちにとって宝物だ。みんなして、クヌギの木の下で一心不乱にどんぐりを集めたのではないかと思う。
子供に限らず、私もクヌギのどんぐりが大好きだから、目を凝らして、落ち葉の下や閉じた殻の中を調べて、ようやく10個ほどのどんぐりを集めた。それにしても、殻ばかりが無数に散らばった地面は、なんとなく異様な雰囲気がした。人海戦術というのは、馬鹿に出来ない方法である。
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )