


こちら、うちのインテリアで定位置を確保しているフクロウ。
中国青銅器骨董品のレプリカです。
中国の少数民族の調査を手伝うため、雲南省昆明市に住んでいたことがあります。
頻繁に奥地に住む少数民族地域に出向き、
彼らの神話、歌垣、口頭伝承、稲作文化を中心とした習俗を取材していました。
ときには、トイレも水道も電気もないような村もあって、それはそれは大変だけど充実した旅でした。
昆明市では大学の宿舎に住んでいたのですが、市の中心地に大きな骨董店があって、
あの中国としてはごまかしのない真っ当な店でした。
そこにあったのが青銅器製のこの不思議な鳥。
ところで、外国人は特別許可の証明書がない限り中国の骨董を国外に持ち出すことはできません。
それがないまま空港で見つかると、即刻没収です。
しかしこれは中国古代青銅器のレプリカだから、
税関では全く問題ないそうで、その旨の証明書も出してくれるということでした。
書いてくれた証明書にあった名称には、「猫頭鷹」とありました。
「猫の頭をした鷹って何?」と思いつつ、
形と青銅器の色合いがもつ雰囲気に惹かれて買ってきました。
宿舎に戻って中日辞典を調べてみると、それはなんと私が大好きなフクロウだったのです。
なるほどね、中国ではフクロウのことを「猫の頭をした鷹」と名付けたらしい。
言い得て妙。
たしかにフクロウは、猛禽類の鷹の体に丸顔ドングリ眼の猫の頭が乗っかっている。
ただしこの青銅器のレプリカ、かなりデフォルメされているから、猫顔とはほど遠い。
しかも耳があるからミミズク系ですね。
首はポンと外れて胴体が空洞なので、ポプリを入れています。
フクロウは鷹や鷲と同じ猛禽類で夜行性、
夜間になるとちょっとした気配からネズミなどの小動物を素早く見つけて急降下、
鋭い爪で掴んでムシャムシャ食べるのですから、食性はかなり獰猛です。
でもなんといっても人間くさいあの丸顔にドングリ眼が好き。
そして体は正面のままぐるりと回るあの首の動きがおもしろい。
ふつうの鳥は顔の両面に眼が付いているのに、
フクロウの目は人間と同じで顔の真面についています。
ふつうの鳥より視界が狭いので、首を右に270度、左に270度回してカバーするのだとか。
だから体は正面を向いたまま、首を回せば360度以上見渡すことができるんです。
そこの仕草は見ているだけで可笑しくって、ついクスッと笑ってしまう。
でも、なぜそんなことができるのか、詳しくは朝日新聞のこちらのサイト↓を読んでくださいな。
〔ふくろうの首はなぜ一回転できる?〕
体の構造に理由があって、とっても興味深いです。
ところで、ミミズクとフクロウも目の左右両端に耳がありますが、羽根で見えないだけ。
そこの部分に飾りの羽根、つまり羽角(うかく)が付いているかどうかだけの違いです。
ミミズクの「ズク」はフクロウの意味で、
耳のような羽角があるから「耳フクロウ」つまりミミズクなんだそうです。
違いが判りにくいようだけど、すごく単純で解りやすい!


さて、中国滞在当時、
雲南省とミヤンマー国境のワ族(1970年末まで首狩り族)の調査に行く道すがら、
立ち寄った雲山村で遊んでいた少年が大事そうに抱えているものを見ると、なんとフクロウでした。
思わず駆け寄ってパチリ、肩組んで記念写真まで撮っちゃいました。
少年の家のペットだそうで、あとで調べたら「ニセメンフクロウ」でした。
ちょっと白いお面をつけているようだから、偽面(ニセメン)フクロウなのかな?
どことなく伎楽面に似ています。
こちらは、数年前に行った富士花鳥園のフクロウ。
ここは花溢れる植物園の一角にたくさん種類のフクロウが展示されていて、
フクロウ好きにはたまりません。

「アフリカヒナフクロウ」。
体長30~35㎝。夜間にネズミやカエルなどを食べます。
このまん丸の頭、可愛いなぁ~。

アメリカにいる「スピックスコノハズク」。
小型で、主食は昆虫やクモ、ときにはネズミも。
日中は木に止まっていて、名前のように「木の葉」に擬態しているんだとか。
木の幹に似たまだらな羽模様と、きゅっと見据える目つきが魅力的。
コノハズクやミミズクには耳があります。

植物園の広場では、フクロウのショーがあります。

こんなふうに肩に乗せてくれるサービスもあるんです。あぁ、幸せ幸せ。
あれっ? これも中国の少年のと同じ「ニセメンフクロウ」でした。
フクロウの顔って、見ていてホントに飽きない。
さて、うちにも丸顔ドングリ目の頭ならここに。

耳があるから、ミミズクかコノハズクでしょうか。
ま、しばらくは、あみたろうの頭だけでがまん、がまん。
ただしこちらはちょっと難あり、あまり首が回りません。
【フクロウつけ足し話】
フクロウ好きが集まるフクロウカフェはあちこちにあります。
東京の月島、木場、高円寺、三鷹、杉並、国分寺、他にも、北海道、名古屋、大阪、福岡など。
そういえば、ここ国立駅前の大学通りを
自転車のハンドルにフクロウ2羽を留まらせて走っていた名物おじさん、最近見かけませんねぇ。
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