あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

氷山(血管)

2017-09-11 03:33:43 | 
雲の切れ間から射し込む黄色く白い光が、おれの眼んなかに挿し込んで、その切れ目から、おまえが生まれたんやんか。
そしておまえの男性器は樹になり、おれという実をつけた。
おれが地に落ちて種になり、おまえの樹をいつも見上げていた。
でもおまえの樹は雲を突き抜けて、そこにあったおれの眼を突き刺してきたんだよ。
憶えてるか。Remember Me(リメンバーミー)
あのときも、ほんま痛かったよ。
痛くて、嬉しくて、おれは驟雨を降らせたよね。
おまえにね。おまえはずぶずぶになって、泥となった。
白くて、哀しげで、儚い泥だったので、人はそれを雪と呼んだんですやんか。
おまえがあんまり美しかったんで、おれは血の涙を降らせたよね。
おまえが蜜蝋みたいに生きていたから、おれは可笑しくていつも泣きながら笑っていたよ。
そしておまえは、赤ばんでいったんだ。
朦朧と、無機質なLavatoryのなかで蜜蝋のようなセックスをしたあと、おれがおまえを殺してやったんだ。
おまえの脳みそが蜜蝋でできていたから、びっくりしたけど、おれはそれを紅茶に入れて飲んだら、結構いけた。
そしておまえは、赤ばんでいったんだ。
そしておまえの女性器はウミウシになり、おれのパイプを求めた。
おれのパイプを突き上げると、おまえはおれのパイプのなかを泳いで、
愛おしいおれに会いに来た。
白い蜜蝋みたいな、無機質なLavatoryのなかで朦朧とセックスをしたあと、おまえはおれを抱いたんだ。
おれはおまえを憶えているよ。いつもおれの、海のなかにいたおまえを。
おれの海のなかにいた氷山のおまえがほんとうに邪魔で、ほんとうに美しくて、
赤潮はとまることなくおまえを染めあげていった。
そしておまえは、月のように赤ばんでいったんだ。













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