例えそれが誰かの利益になるのだとしても、自分でそれを為そうと決めたのならそれはすべて自分のためでしかない



『空の中』読了。
意外とあっさり読めました。
電撃、というだけあってなりはごついが内容はライトノベルそのもの。

内容はSF。

民間超音速旅客機開発計画の試作機「スワローテイル」と自衛隊次期主力偵察機としてテスト飛行中のイーグル改が四国沖の自衛隊演習空域で立て続けに事故を起こしたところから始まる。

高度2万メートルに何万年もひっそりと存在していた謎の知的生命体。

事故を起こしたイーグルのパイロットの息子。
彼が事故の日に海岸で見つけた謎の生物。
そして彼の幼馴染。

イーグルのテスト飛行に同行していた若い女性パイロット。
スワローテイル事故原因を突き止めるべく開発から出向された技師。

そしてスワローテイルのパイロットの娘。

彼らの思惑、未知の生命体に遭遇したことへの人々の惧れ、好奇などの様々な反応。
そして未知との邂逅、理解と反目、その末に訪れた混乱と許し。

いろんな登場人物の視点で描かれているので一瞬理解に苦しむ部分がありますが、きちんと噛み砕いて読めば問題は無いです。
ライトなSFが好きな方にはお薦め。
グッと来たところといえば

間違ったことは間違ったこと。
それを正しいことには出来ない。
出来るのは間違った、ということを認めること。
何度も間違えるけど、次は間違わないように、と思いながら生きるしかないんだ。

かなり意訳ですがこんな感じ。
正当化に意味はない。
過ちを認め、自分を律しながらやっていくしかない。

律する事、戒める事。
みんな忘れてますけど大切ですよね。

空の中

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