今回のテーマは、「基本的な欲求を手放す」についてです。
想像上の制限という、深い森の中で道に迷っている、自分の姿をイメージしてみましょう。
想像上の「制限の木」の構造は、どのようなものでしょう?
無意識で働いている「何々が、欲しいという欲求」は、完全な欠乏を現しています。欲しいという欲求 (3つの基本的な欲求、分離と一体の欲求を入れると、4つになります。) をリリース (手放す) して、持つこと (Having) を許します (所持する許可を与える)。
1. 承認の欲求を手放す
想像上の「制限の木」の土の幹とその根元から横に広がる根は、承認欲求と制御欲求、そしてそれらの逆を表しています。
「愛」は、自己の根幹です。自己を愛することは、自己に承認を与えます。
愛以外の気分や感情や考え (例えば、険悪の感情など) が起きた時には、
「この気持ち (感情) を愛に変えますか?」と自問します。
答えは、「はい」でも、「いいえ」でもかまいません。
この気持ちが「愛」に昇華されるまで、何度も繰り返します。繰り返すことで、この気持ちが少しずつ軽くなります。
「承認の欲求」を手放す例:
家族、友人、知人、仕事関係の人物などで、これから合う予定の人物を、事前に1人思い浮かべます。この人物の姿や顔を想起してから、または、名前を言います。そして、次の質問をします。
1.「私は、この人から承認されたいという欲求を、手放せますか?」と自問します。
そして、「はい」または、「いいえ」で答えます。
2.「私は、それをしますか?」と自問します。
そして、「はい」または、「いいえ」で答えます。
3.「いつ?」と自問します。
そして、「今」と答えます。
4.「私が、できる限り自分に直接、承認 (愛) を与えることを、許可できますか?」と自問します。
そして、「はい」と答えます。
幹と横に広がる根(承認欲求と制御欲求)を切ればようやく、目に見えて変化が表われるでしょう。
2. 制御の欲求を手放す
想像上の「制限の木」の土の幹とその根元から横に広がる根は、承認欲求と制御欲求、そしてそれらの逆を表しています。
「制御」を取り戻すには、あなたに起こるすべてに対して、完全な責任を取ることです。
あなたの思考を調べ、それを修正することによって、コントロール (制御) を取り戻します。
「どこでこれが、私に起こったのですか?」
と、自問自答することで、正直な内省の習慣を身に付けます。
そして、ハプニングを引き起こした思考 (出来事の原因となった思考) が、潜在意識から意識の表面に出るまで (出てくるまで)、それを保持します。
私は、あなたが、あなたにその楽しい、または、不快な経験を引き起こしたと思います。
注記:出来事の原因となった思考が、潜在意識から意識の表面に出ると、自然に解消されます (手放せます)。
「制御の欲求」を手放す例:
家族、友人、知人、仕事関係の人物などで、これから合う予定の人物を、事前に1人思い浮かべます。この人物の姿や顔を想起してから、または、名前を言います。そして、次の質問をします。
1.「私は、この人から制御されたいという欲求を、手放せますか?」と自問します。
そして、「はい」または、「いいえ」で答えます。
2.「私は、それをしますか?」と自問します。
そして、「はい」または、「いいえ」で答えます。
3.「いつ?」と自問します。
そして、「今」と答えます。
4.「私が、できる限り自分に直接、制御を与えることを、許可できますか?」と自問します。
そして、「はい」と答えます。
息長 (おきなが) の呼吸を継続して実践している人は、この瞑想「息長 (おきなが) の呼吸」によって、宇宙の真理と一体になったり、明鏡止水の境地を体験しています。
息長 (おきなが) の呼吸は、古代神道や忍者の家系に伝承されている呼吸法です。NHKの知恵泉 (ちえいず) でも取り上げました。以下は、その時のメモです。
先人たちの底力 知恵泉「“忍者”に学ぶ生きる知恵 その二 心と体を操る極意」
NHK 番組表 | 三重大学では「忍術書」を総合的に研究。その忍者の生きるための工夫や知恵を探るシリーズ。今回は、過酷な任務を強いられる忍者の、心身をコントロールする知恵に迫る。
息長 (おきなが) の呼吸
鼻から細く息を吸います。それを、丹田 (ヘソの下、腹部) にためます。
ためた息を1分かけて、細く長くゆっくりと、鼻から息を吐きます。
その呼吸を繰り返して行います。
注記:継続して実践している人の実験では、息長 (おきなが) の呼吸を開始してから、15分が過ぎた頃から、「睡眠」時に関連する、ゆっくりした波形の、θ波 (シーター波) が優勢となります。
そして、「緊張や不安、イライラ」を示す、速い波形の、β波 (ベータ波) が減少しています。さらに、睡眠時に出現することはあり得ない、α2波 (アルファー2波) が、同時に増えています。
この脳波は、「リラックスと集中」を示す波形です。この時に瞑想者は、見た目には、眠りに入ったように見えますが、意識は、「リラックスと集中」をしています。
ストレスを減らして、健康に良い呼吸
鼻から細く息を、4秒で吸います。それを、丹田 (ヘソの下、腹部) にためます。
ためた息を6秒かけて、細く長くゆっくりと、鼻から息を吐きます。
その呼吸を繰り返して行います。(1分間で6回の呼吸になります。)
以下に、この研究をしている、小森照久・医学系研究科教授の記事がでています。
呼吸法「息長」で精神休息 : 三重大発!忍び学でござる : 企画・連載 : 三重 : 地域 : ニュース : 読売新聞オンライン
以下は、脳波を測定した図の説明です。
息長 (おきなが) の呼吸を開始してから、15分が過ぎた頃から、「睡眠」時に関連する、ゆっくりした波形の、θ波 (シーター波) が優勢となりました。これは、大脳の活動が低下しています。
それに対して、「緊張や不安、イライラ」を示す、速い波形の、β波 (ベータ波) が減少しています。見た目には、明らかに眠りに入ったように見えます。
特に注意することは、睡眠時に出現することはあり得ない、α2波 (アルファー2波) が、同時に増えたことです。α波 (アルファー波) の中でも、特に「リラックスと集中」を示す波形です。
この状態は、「睡眠」とは違う、「瞑想」の状態と解釈できます。体験者は、この瞑想によって、宇宙の真理と一体になり、明鏡止水の境地を味わったと話しています。
幹と横に広がる根(承認欲求と制御欲求)を切ればようやく、目に見えて変化が表われるでしょう。
3. 分離と一体の欲求を手放す
想像上の「制限の木」の土は、分離欲求とその逆である一体欲求を表しています。
承認と制御と安全の欲求を手放すと、分離と一体の欲求は、自動的に手放せます。
「分離の欲求」を手放す例:
家族、友人、知人、仕事関係の人物などで、これから合う予定の人物を、事前に1人思い浮かべます。この人物の姿や顔を想起してから、または、名前を言います。そして、次の質問をします。
1.「私は、この人から分離されたいという欲求を、手放せますか?」と自問します。
そして、「はい」または、「いいえ」で答えます。
2.「私は、それをしますか?」と自問します。
そして、「はい」または、「いいえ」で答えます。
3.「いつ?」と自問します。
そして、「今」と答えます。
4.「私が、できる限り自分に直接、一体を与えることを、許可できますか?」と自問します。
そして、「はい」と答えます。
Wanting to be Separate (分離の欲求) :土 (分離欲求とその逆である一体欲求)
Wanting to be One (一体の欲求) :土 (分離欲求とその逆である一体欲求)
4. 安全と死への欲求を手放す
想像上の「制限の木」の主根、つまり、「安全欲求とその逆である死への欲求」を切り始めて、ようやく、この想像上の木を消せることが、ほぼ確実になります。
レスター・レヴェンソンは、講演でレスター自身がどのようにして、億万長者になったのか説明をしています。その時に、「安全の欲求」を手放したと話しています。
具体的に何を手放したのかは、記載されていません。
「安全の欲求」を手放す例:
家族、友人、知人、仕事関係の人物などで、これから合う予定の人物を、事前に1人思い浮かべます。この人物の姿や顔を想起してから、または、名前を言います。そして、次の質問をします。
1.「私は、この人から安全にされたいという欲求を、手放せますか?」と自問します。
そして、「はい」または、「いいえ」で答えます。
2.「私は、それをしますか?」と自問します。
そして、「はい」または、「いいえ」で答えます。
3.「いつ?」と自問します。
そして、「今」と答えます。
4.「私が、できる限り自分に直接、安全を与えることを、許可できますか?」と自問します。
そして、「はい」と答えます。
以下は、リリーシング (解放の手順) の説明です。
Step 3: No matter which question you started with,
ask yourself this simple question:
Would I?
In other words:
Am I willing to let go?
ステップ3:どの質問から始めたとしても、
次の簡単な質問を自問してください。
「私は、そうしますか?」(私は、そうするつもりですか?)
言い換えると:
「私は、手放す気がありますか?」(手放してもいいですか?:私は手放すことをいとわないのですか?)
注記:Would:「するつもりである」willing:「するのをいとわない」の意味です。
If the answer is “no,”
or if you are not sure,
ask yourself:
“Would I rather have this feeling,
or would I rather be free?”
答えが「いいえ」の場合、
または、わからない場合は、
自問してみてください:
「私はむしろ、この気持ちがありますか (注:この気持ちのままでいますか?)、
または、私はむしろ、自由になりますか?」
注記:迷った時に、自問します。
Even if the answer is still “no,”
go on to Step 4.
答えがまだ「いいえ」であっても、
ステップ4に進みます。
Step 4: Ask yourself this simpler question:
When?
ステップ4:あなた自身にこのシンプルな質問をします:
「いつ?」
注記:質問に「今」と答えます。「今、この瞬間、手放す」という決意、決定した意思を表明します。これは、重要です。
Remember that letting go is a decision you can make any time you choose.
手放すことは、いつでも選択できる、「決定である」ことを忘れないでください。
手放すことは、あなたが選択した任意の時間を作ることができる、「決定である」ことを覚えておいてください。
5. 参考サイト:パラマハンサ・ヨガナンダの祈り方 - 01
- バーナデット・ロバーツ『自己喪失の体験 』より
パラマハンサ・ヨガナンダの祈り方 - 01 2014-05-21 22:49:23 | 参考-話題 (opinion)
『‥‥広く開けた谷間の風景を眺めて丘を下ってゆくとき、ふと内部に注意をむけたところ愕然として思わずそこに立ち止まりました。
私の内部にあるはずの中心がなく、そこは空っぽなのです。それを知った瞬間、静かな喜びがあふれて来ました。無くなったものが何かやっと分かったのです。それは私の自己でした。』
『‥‥とにかく自己の客体化の機能は永遠に止まってしまったのです。後から考えると、これが通常の意識から純粋主観性への移行の第一歩だったのです。』
『自己がなくなれば事物を差別相において見る相対的な心も無くなって、「それ」だけが残るのです。
それは時に非常に強烈にもなりますが、何か異常なものではなく、自然で平明なので、どこを見てもあるという意味でむしろ通常なのものなのです。』
『旅が終わった後では、現在の瞬間に生きることしかできません。心はその瞬間に集中していて、過去や未来を顧慮 (こりょ) することがないのです。
そのために心はいつも一点の曇りなく晴れていて、既製の観念が何一つ入る余地もなく、観念が一瞬間から別の瞬間に持ち運ばれることも、他の観念と照合されることもないのです。
要するに、考えるべきことはいつも目の前にあり、何を考えるか何を為すかに迷って停滞することがないのです。』
注記:こりょ【顧慮】とは。ある事をしっかり考えに入れて、心をくばること。例:「相手の立場を―する」。
2020-02-18 08:31:49 記述しました。