![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/08/8baeef0d57be8fb63aa4e50b51b5a20f.jpg)
それはまだ、コロナが流行する何年も前の話し。
2月。
ハンガリーのなまはげ祭りを見物した、あけち家一行。
その日はお祭りが行われたモハーチ近郊の街に宿をとっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/88/6530bbef40803bf7521345892daf97c4.jpg?1624074524)
街を離れると、ほどなく広大な畑の広がる郊外へと出た。
カーナビは、その畑の畔道へ進めと言う。
畔道といっても、畑の真ん中に車の轍が残っている程度のもの。道と言っていいか怪しい代物だ。
できればそちらには進みたくない。
というか、誰かの畑だよね?
そもそも侵入して良いものか…
が、他に道もなく、
土地勘のない地ではカーナビに従うしかない。
覚悟を決めて、カーナビの指し示す方向へと進んだ。
時折タイヤを取られつつ、畑の中を進む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/a6/a81944cf722b0908f749864411b7388b.jpg?1624074524)
永遠に続くかと思われた畑を抜け、山道へと差し掛かった。
ホッとしつつ、これはこれで心配になる。
かと言って、またあの畑に戻るのも嫌だ。
恐る恐る山道を進む。
砂利道になったので、タイヤを取られる心配がなくなったのだけが幸いだ。
進むにつれ、おんボr…ささやかな古民家もチラホラと見える。生活感があふれ、とりあえず人はいそう。
ほんの少し、希望が見えた…?
「目的地周辺ニ 到着シマシタ。音声案内ヲ
終了シマス」
え?
ナビよ、今、何と?
案内を終了します?
何もないよ⁉︎ここ‼︎
相変わらず山ン中だよ?
こんな所で案内やめないで〜‼︎
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/ba/2364832e9b29c6d333f01f0b4e234264.jpg?1624074525)
車を降りて周辺を少し歩いてみるが、山と木と年季の入った民家がチラホラと見えるだけ。
ナビの指し示す場所には、なにやら作業小屋らしきものがあるのみ。
風雨はしのげそうもない。
冬の日暮れは早い。
今日は野宿なのか?
いや、もう少しだけ先に進んでみよう。
そういうことになった。
そして進むこと数100m。
出た!
唐突に立派な舗装道路に出たのだ。
そしてそこには探していた、今夜のお宿の看板が‼︎
そう。
木と山の斜面で見えていなかったが、ナビの指し示す場所にそれはあったのだ。
カーナビよ、もう少しまともなルートがあったんじゃないのか?
内心そう思いつつ、無事にチェックイン。
ホテルでは夕食はやってないとのことで、最寄りのレストランを教えてもらう。
と、ホテルから13km離れた所にあるとの事。
マジですか?
ナビよ。夜だし暗いし、ちゃんとしたルート頼むよ。
…という願いが通じたのかどうか、
今度はしっかり舗装道路を案内してくれた。
やっぱりあったんじゃん。
この時ほど暖かい料理とお布団に感謝した旅はない。
冬は完全オフシーズンだったけど、夏には川遊びや乗馬なんかができるみたい。
自然豊かな所みたいなので、今度は夏に行ってみたいなぁ。