あけちのショシマ的生活

ショシマ(初心者マークの略)的な驚きや発見を綴るブログ。

巨峰の丘マラソン③

2013-10-11 19:54:31 | マラソン
9月15日に行われた「巨峰の丘マラソン」

前半10kmの険しい上り坂を何とか走破し、折り返し地点にたどり着く。
時間内にゴールするための10km地点でのタイムリミット(自分が勝手に設定)は10:55。
それより15分遅れての通過。
制限時間内のゴールは難しいが、ここからは待望の下り坂。
やったー

・・・と喜んだのもつかの間。
下りに差し掛かった途端、足に激痛が走った

自然にスピードが出てしまうので、踏ん張ってスピードを抑えながら走る。
すると筋肉が千切れそうに痛い。
これだと重心はかかとに乗っている状態。
事前に読んだマラソンの本によると、「重心は真ん中」ではなかったか?
ここは基本に忠実に。
(重心真ん中・・・重心真ん中・・・)
と心の中でつぶやきながら走る。
・・・と、とんでもなくスピードが出た
無駄な力が抜けたのか、先ほどまでの筋肉の痛みがなくなり、楽に走れる。
・・・が、その代わり着地の衝撃が激しく、痛い。
関節がバラバラになりそう。
このまま走り続けたら、ヒザが壊れるのは時間の問題だ。
いったいどうやって走れば良いのだ・・・

肉離れとヒザ壊すの、どっちがいいかな~ アハハ・・・

とりあえず、スピード抑えながら走ることにする。
ヒザ壊したらその後が大変そうだし、
下りで転倒している人も見かけたことですし。

こんなことなら、自分でスピード調節できる上り坂の方が楽だったんじゃぁ・・・。
下り坂に絶大な期待を寄せていたぶん、余計につらい。
気持ちも辛くなって来た頃、前方に地元の応援団発見。
スポーツの応援などで見かける細長いバルーンを両手に持っている人もいる。
ちょっとオリンピック選手になった気分
自分の家で収穫したのであろうブドウを配っている人もいる。
「こっちが普通の巨峰、こっちが冷凍した巨峰♪」
手短に説明してくれるのだが、とっさにつかんだのは「普通の巨峰」だった。
それでも疲れた体に染みわたる美味しさ
元気が出てくる。
充電できたところで、応援団の少年に無理矢理ハイタッチ
今思えば、この辺りからおかしなテンションになっていたようだ。
これが「ランナーズハイ」というものか・・・?(ちょっと違う気がする



そうこうするうちに、残り5km地点へ。
時計を見る。
11:25くらい。

15km地点の自分設定のタイムリミットは11:32。
10km地点では15分遅れだったのに、んな馬鹿な。
時計、雨で壊れたか?
信じられない気持ちでいっぱいだが、走り続ければ時間内にゴールできそうだ。
そう思ったら、急に元気が出てきた。
ここに来て、一緒に参加しているメンバーの1人が遅れ始める。
しかしゴールの見込みが見えてきたことで欲が出た。
「完走証が欲しい。」
ここは自分のペースを守り、遅れはじめたメンバーを置いて行くことにする。
自分のことで手一杯で、気遣う余裕なかったし。
・・・と心の中で言い訳をしておく。

ペースの速いメンバー2人について行く。
間もなくそのうち1人が靴紐が解け、離脱。

残り2km。
さらに上がるテンション。
上り坂にさしかかった所で、残り1人のメンバーが歩きはじめた!
思い切って抜く。
そしてブレーキをかけてくれる人は誰もいなくなった。
再びコースは下り坂に。
勢いが付くままにスピードUP。
「明日は休み取ってるし、多少動けなくなっても大丈夫さ
そして心のリミッターが切れた。
ブレーキの壊れた暴走列車と化し、一気に坂道を駆け下りる。
あっという間に息があがる。
わき腹が痛くなる。苦しい。
それでも止まらない。止まれない。

この頃には雨が上がり、日差しが出てきていた
暑くなったので、カッパを脱いで腰に巻きつける。
水が滴るほど濡れた服が、速度を上げたことで一気に冷える。
人が走る程度の速度でこんなにも冷えるのかと驚く。

ひらけて見晴らしの良い所に出た。
カッパシスターズ(カッパを着ていた女子2人組みを勝手に命名)が
記念写真を撮っている所に遭遇。
その2人の間を駆け抜ける。

再び上り坂。
気持ちに体力が付いていかない。
ヒザを手で支えながら1歩ずつ上る。
「最後の上りだよ~
地元の皆さんの応援が暖かい。
「あと800mぅ~
そう叫びながら、坂の上から女の子が駆け下りて来る。
とうとう残り1kmを切った。

よし、いける。

坂を上りきったところで再び走り始める。
この残り800mが長かった。
全20kmの中で1番長かったかもしれない。
辛い。やっぱり飛ばしすぎたかも・・・。
そう思い始めた頃、ゴールの小学校がチラリと見えた。

あとはこの坂を下るだけ。
重力に任せ、一気に駆け下りる。
「・・・あっ!」
応援団と自分の声が同時に聞こえた。
風圧で帽子が飛んだ!
ここで急ブレーキ
ヨレヨレと道を引換す。
無事に帽子を回収し、今度こそ一気にゴールへ



記録:2時間16分38秒

初大会、初ハーフマラソンにして、まさかの完走。
しかも制限時間に14分も余裕を持ってゴールできるなんて・・・

その後、一緒に参加していたメンバー全員が時間内に完走。
参加賞の巨峰も無事GETできました



今回は下り坂の勢いを借りてゴールできたけど、
普通の平坦なコースでどのくらい走れるのか試してみたいなぁ

巨峰の丘マラソン②

2013-10-07 16:06:08 | マラソン
9月15日に行われた「巨峰の丘マラソン大会」。
号砲が鳴り、とうとうレースが始まった。

以下、前日のコースの下見で撮影した写真を交えてお伝えします。
写真ではそこそこ良い天気ですが、大会当日は豪雨。
路面はウエット・・・所により川でした。


スタートラインを切るとともに、後ろの選手にどんどん抜かれる。
つられてスピードUP
すかさず一緒に走ってる人から警告。
「最初から飛ばすと持たないよ」と。
そうだった。
練習の時と同じペースを保たないと。
練習では1時間に5~6kmくらいの、歩くよりはマシなペース。
それではとても時間内にはゴールできないのはわかっている。
しかし、そのペースでも1時間しか体力が持たないのだ。
ましてあの険しい坂道。折り返し地点までたどり着けるかも怪しい。
「完走」が目標ではない。
自分にとってこのレースは、時間内にどこまで進めるかが勝負。
どれだけ体力を温存できるかがポイントなのだ。

スタートして間もなく、ジェットコースターのような下り坂。

転ばないように慎重に下る。

その後は上り坂が続く。
ただ走るだけでは辛いので、選手の皆さんの服装チェック!
たいていの人はランニング用のスポーティーなファッション。
その上に雨避けのカッパや、透明ビニール袋を着ている。
大きく「可燃ゴミ」とプリントされている人もいる。
そういう自分は、急遽コンビニで調達したカッパ着用。
冷え対策でお腹にワセリンを塗ってみた。
コンビニカッパより、ゴミ袋の方が身軽で走りやすそうに見える。

雨対策している人よりは、潔く頭からずぶ濡れの人の方が多い。
前方を走ってる小柄な女性。
あの人が着てるのは水着ですね。
いくら濡れてもOK。ある意味雨対策万全かもしれない。
スタート前にはアンパンマン&ドキンちゃん、タイガーマスクも見かけたのだが、
あっという間に走り去り、もはや姿が見えない。

そうこうするうちに1km地点通過。
かかった時間、9分。
時間内に完走できるペースではないが、これを維持するしかない。


やがてコースは開けた所へ。
一面のブドウ畑を見下ろす気持ちの良いところだったと思うのだが、
雨に加えて、霧が出てきた。
そして背後の霧の中から迫ってくる足音が。
しかも速い。
自分の後ろに、まだこんなに活きの良い選手が残っていたとは!
あっという間に抜かれ、再び霧の中へと消えて行く。
ゼッケンの色は水色。
自分達より10分後にスタートした、10kmコースのトップランナーだ。
もう追いつかれたか。
びっくりする間もなく、続々と10kmの皆さんに抜かれて行く。
悔しいけどつられないよう、自分のペースを維持することに専念する。

時折思い出したように下り坂を交えつつ、着実に標高を増して行く。
やがて5km地点到達。
10kmコースと20kmコースの分かれ道でもある。
10kmコースに惹かれつつ、20kmの道へ進む。
コースの先は霧の中へと消えて行く。
ここから折り返し地点まで、下りはない。
急な上り坂が続くのみ。
厳しさに追い討ちをかけるように、霧は豪雨に変わった。
雨で前がよく見えない。
コースには時折巨大な水溜りが出現し、
路肩の排水用の穴からは濁った水が勢い良く噴出している。
カッパを着ているにも関わらず、全身びしょ濡れなのがわかる。
雨なのか自分の汗なのかわからないが。
濡れちゃったらカッパなんて邪魔なだけ。捨ててしまおうか。
・・・とも考えたが、袖をまくったら空気が冷たい。
保温のために着ておくことにする。

給水所を完全制覇しながらゆっくりゆっくり進んで行く。
しかしとうとう体力が限界に近づいてきた。
次第に一緒に参加しているメンバーから遅れがちになる。
走っているつもりでも、周りの歩いちゃってる人達とあまり速度が変わらない。
だったらいっそ歩いてしまえ。
思い切って走るのをやめる。
ただし進むのは止めない。
ゆっくりでも確実に前へ。
「ウサギとカメ作戦」発動

勇気を出して歩いてみてわかったのだが、
どんなにゆっくりでも走っている方が速い。
次第にメンバーとの距離が離れて行く。
傾斜が緩くなった所で再び走り、みんなに追いつく。
また歩く・・・それを繰り返しじわじわと距離を伸ばして行く。

やがて9km地点を通過。
折り返し地点を通過した人達が、急な下り坂を駆け下りて来る。
目線を上げると、折り返してくる人達の姿が連なっている。
もう少しで折り返し地点でうれしい反面、
まだあんな高い所まで上るのか、という思いとで複雑な気分に

そんな時。事件は起きた。
突然、ドサッという鈍い音。
振り向くと、折り返してきたランナーが倒れている。
勢い良く駆け下りて来た勢いで鉄板を踏み、足を滑らせたようだ。
起き上がり、何事もなかったかのように走り去るランナー。
気を引き締め、前に向き直った。
自分も気をつけないと・・・。

やがて前半最後の上り坂を何とか登りきり、折り返し地点到達
現在の時刻11:10くらい。
スタートから1時間30分が経過していた。

坂道を考慮せず、単純にタイムリミットから逆算すると、
10:55に通過していなければ、時間内の完走は厳しいところ。
しかし今回のコースは、後半10kmは下り坂である。
いくら疲れていても前半よりスピードが出ることに期待

タイムリミットまであと1時間。
行ける所まで行こう!

巨峰の丘マラソン①

2013-10-02 15:18:19 | マラソン
9月15日の話。
ついにやってきた「巨峰の丘マラソン大会」当日。
・・・雨
天気予報は台風の接近を告げている。
そのわりに風がないのが、せめてもの救いか・・・。



山がすっぽりと雲で覆われているけど、
今日走るコースって、たぶんあの辺だよね


会場に近づくにつれ、明らかにマラソン中の人達の姿が増えてきた。

地元の人は会場まで走って行くのか?
いやいや、会場まであと5kmはありますよ?
20kmも走る人達にとって、5kmなんて準備運動にしかならないのでは?
それにしても、みんなゼッケン付けてるよね。
自分達はまだゼッケンもらってないのに?
えっ!まさかもう、マラソン大会始まってる?!

あわてて時計を見る。
・・・大丈夫。まだ受付も始まってない時間だ。
走っている人達は、どうやら別の大会でウルトラマラソン中だったらしい。
100kmも走るなんて、コンディションの良い日でも凄過ぎです。


なんとか会場近くの駐車場を確保し、会場へ。
途中、参加賞の巨峰を持った人達とすれ違う。
え?まさか、走る前に参加賞渡されちゃうの?!
もしそうなら、巨峰を置きに駐車場まで戻るしかないけど、
そのわずかな体力も今は惜しい。

ドキドキしながら受付を済ませる。
渡されたのは、ジップロック付きビニール袋に入れられた紙数枚とゼッケン。
この中にブドウの引換券が含まれているようだ。
いきなりブドウを渡されなくてホッとする。
そして雨の中でこのビニール袋はうれしい。
それでも、ゼッケン付けたりしているうちに雨水が浸入し、
紙類はクチャクチャになってしまったが。

さて、このビニール袋。
持って走るわけにもいかないし、どうしよう。
辺りを見回してみる。
他の選手の皆さんは、雨の当たらない所にレジャーシートを敷いて、
そこに荷物を置いているようだ。
なるほどねー。自分の陣地を作るとは思いつかなかったなー。
次、マラソン大会に出る時には、レジャーシートを持って行こう。
どうやら貴重品だけは預かってくれるところがあるようなので、
そこに預けることになった。
巨峰の引換券、自分にとっては1番の貴重品ですから


そうこうするうちに、ぐちゃぐちゃのグランドで開会式。
それを横目に、雨宿りしながら準備体操
雨宿りできるスペースには、選手達がギュウギュウに詰まっている。
その中で邪魔にならないように動くのはけっこう大変。
充分とは言いがたいが、できる範囲で体をほぐす。

スタート5分前。

スタート地点へ移動し、後ろの方の位置を確保。
・・・したつもりが、後ろを見たらけっこういっぱい人がいた
雨が小降りになった隙に、スタート直前の写真をケータイで撮影。
ジップロック付きのビニールの小袋に入れて身に付ける。
ちなみにデジカメは、お泊りグッズと一緒に荷物の中だ。
雨だし、写真撮ってる余裕ないだろうし、何より身に付ける荷物は極限まで減らしたい。
コースの途中には、プロのカメラマンがスタンバイしていると思われる。
レース中の写真はプロにお任せしよう。

「クロスカントリーに近い非常に厳しいコースです」
「無理をせず、中止する勇気を持ってください」
スタート地点に流れるアナウンスを、半分上の空で聞く。

そして鳴り響く号砲。
過酷なレースがついにはじまった。