投げられた餅は放物線を描きながら、大きくスライスをして、男たちの上をかすめて左へと流れた。
男たちの差し出す手をすり抜けた餅は、女の子を喜ばせるには十分な動きを見せた。
押し合いへしあいする男たちの輪の中も笑顔いっぱい。
男たちを取り巻く人々にも笑顔があふれる。
最初は、柄杓で男たちの体めがけて飛んでいた水も、中盤を迎える頃からバケツから飛ぶようになった。
うひゃーといって振り返る笑顔
笑いがあふれた輪の中で、もまれるうちに厄が抜けるのだろう。
餅を持ち帰った人には、この年幸運が訪れるといわれている。