野焼きの火が放たれて、時間にして1分もかからなかった。
折からの風に勢いをつけた火柱が、見物人が集まる展望台の先端まで届いたのはあっという間だった。
後退をしながらファインダーを覗き、目の前に現れた火柱と顔に降り注ぐ熱風と黒い燃えカスにもめげず
小走りに退避しながらシャッターを押した。
今年は、火の周りが思いのほか早かったみたいで
展望台の先端まで乗り入れた車を、野焼き関係者が慌てて移動させていた。
最初の火が放たれて10分ほどで辺りの風景は、黒一色の世界に様変わりした。
改めて、火の恐ろしさを体感した大観峰展望台の野焼きだった。