身にまとわりつく干潟の泥をものともせず競技参加者は前を目指す、進むだけでも大変なのは見ていてもよくわかる。
発泡スチロールの浮島をバランスよく飛び越え、がたスキーにたどり着ければ良しとしよう。
最後に待ち構える長さ5m程の、泥まみれの塩ビ管を滑らないように進むには
よほど体幹がしっかりしていないと、ゴールの旗を手にすることはできそうにもない。
人生も同じようなもので、その場にとどまっていれば進むことはできない。
泥をかぶろうがひたすら手と足を動かすしかない。
すこしでもスタンスに狂いが生じれば、そこに立ち止まって修整することも必要だ。
ゲームと同じでタイムアウトの秒針が前へ前へとせかす。
時間は非情にも待ってはくれず、橋は渡らなければならない。
ゴールの旗が待っているのか、干潟の泥が待っているのか
ともかく橋のたもとまでたどり着き、どんな方法で渡るか作戦を練り覚悟を決めるしかない。
干潟に落ちても、渡ることを躊躇して留まるよりは気分はいいだろう。