spin out

チラシの裏

中国史談集

2017年09月22日 | ノンフィクション
中公文庫「鬼趣談義」が面白かったので待望の文庫。
とはいえ「鬼趣談義」が出たのは1998年。え、もう20年弱も前のことなのか。
「鬼趣談義」は中国の怪談奇談を、中国史という大海からすくって聴かせてくれる、
怪談オタクにはこたえられない名作。
諸星大二郎の諸怪志異シリーズが好きな人にはオススメ。

拙ブログ 鬼趣談義

「中国史談集」は「鬼趣談義」とは違って正史、稗史、口碑などを引用して、
中国史上の悪人、悪行を紹介しています。
ともに「談」という語が入っているのは、著者の語って聞かせるような筆致からですね。
中国史上の悪漢、奸凶は本邦とくらべて絶対悪のスケールが桁違いに大きいように思えます。

大昔に読んだ永井路子の「悪霊列伝」「続悪霊列伝」を引っ張りだしてきたら、つい再読してしまいました。
権謀術数の末に敗れた本邦の悪霊は、悪の絶対量は大陸の人間と比べると少ない、
というより、永井路子によると陥れた側の負い目が「悪霊」を見させることになっていて、
生前は悪人でもなんでもなかったりするそうです。



そういえば「続悪霊列伝」のトップに書かれていた平将門については、
ちょっと前に海音寺潮五郎の「平将門」を入手して読もうとしたのですが、
それが文庫で上・中・下の三巻、各600ページの大冊(新聞連載2年半分)。
上巻の最初のほうで挫折したままです。
なんとか平将門と藤原純友が比叡山で反乱の約束をするところまではたどり着きたいものです。
と海音寺潮五郎のページを見たら「悪人列伝」という本を書いているんですね。
これは読んでおかないと。

中国史談集 澤田瑞穂 ちくま学芸文庫
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 翻訳家の蔵書 | トップ | プリンセス・プリンシパル »

コメントを投稿

ノンフィクション」カテゴリの最新記事