「休みが来ても楽しくも嬉しくもないんだよね・・・」
これはツレの言葉です。
結婚してすぐ、ツレは失業してしまいました。
そのうちなんとか仕事に就いたので、安心したのですが
仕事はとてもハードなものでした。
二時間かけて勤務先に出かけていたのですが、シフト制になっていて
朝8時から始業。帰ってくるのは夜の10時くらいの日もざら。
シフトを組んでる上司は、徒歩五分の距離に住んでいるので始業8時でも
何ともないと思うけれど、ツレが二時間かけて出勤していたことも知っていたはず。
正直なんとかしてもらいたいものだと思っていました。
夜が遅くなるので夕食も、「夜食」のような感じになり、毎日「うどん」
眠れないと辛いからといい市販の睡眠薬を週に3回くらい飲むこともありました。
そんなときにツレがぽつり、といった言葉です。
私はこれはやばい、と思いました。
うつ病の兆候だ!と直感ですが思ったのです。
私は自殺遺児です。二十代前半で、父がうつ病で自殺しました。
うつ病はかかると(治りますが、)ほんとうに厄介な病気です。
不幸中の幸いで、父がうつになりかけた当時のいわゆる「前駆症状」(まえぶれ)
言動、それから不眠、食欲減退、頭痛、などがあげられますが、それを覚えていたことが結果として役立ちました。(全てあてはまっていたので)
とりあえず彼を説得して二週間の休職をさせました。
休職中のその間、近所で評判の良い病院に行って、カウンセリングを受けてもらい、軽い睡眠薬も処方してもらいました。
意外に思われるかと思いますが、睡眠薬も病院では何種類もあり、軽い安定剤も睡眠導入剤として処方されたりもします。なので市販の睡眠薬より結果として軽いお薬ですむ場合も多いのです。
処方してもらったお薬は「うつ病系の」軽い安定剤でした。やっぱり・・。
そして、落ち着いたところを見計らって、会社での事情を聞いたのです。
典型的な「パワハラ」を受けていたそうです。
「休職は妥当だったと思う。でも辞めたら困るじゃない」
「大丈夫だよ。まだ貯金もあるし、結婚前から職歴知ってるけど、あなたの
スキルをいかせる職場は、現在は結果としてそこではないと思う。沢山スキル持っているんだもの独立を考えてもいいくらいだよ・・」
「・・・独立かあ・・僕も考えてはいたんだよね」
ふと言った言葉だったのですが、「独立」をツレが本気で考えていたなんて
思いませんでした。
二人で散々話し合った結果、「辞職」を決断。
ツレの状態がよくなり、体力も気力も戻ったところで「再就職」と「独立」を
てんびんにかけて、徹底的にリサーチしました。
結果、「独立」することに。
現在ツレはとても元気です。
生活はまだまだ安定しませんが、睡眠薬もたまに上手に使いあれほど飲んでいた頭痛薬もすっかり「お守り」になりました。
しかし、これは子供を持たない選択を夫婦でしていたから、思い切って
出来たことです。
うつが疑われる時は、とりあえず「休職」がいちばんです。
内科で薬も処方してもらえますし、内科に入院して治療を受けることも可能なところもあります。
父のことも、気持ちの整理がつかないまま、生きていたのですが、父の死が結果として、無駄にならなくて本当に良かったと思いました。
男性はなかなか職場のことや仕事のことを家族に心配かけるのが嫌で
言わない方も多いと思います。
パワハラなどはどこでもありえることですし、パートナー同士「状態観察」、をこころがけることが、精神疾患などの発病を防ぐ一番の方法だと思います。
この体験がどこかお役にたったら幸いです。