今日は、結婚記念日、らしい、というもので、丸を手帳にしていた。
朝から、とにかくばたばたしているけど、そういえば、はやく帰ってくるとかいったっけ。
「ああ、いた?まあ、気分転換で、地下のほら、」
めずらしく、だんなさん、メールでなくて、電話をかけてきた。
「どうして、電話?なんか、知らせ?」
「近頃、電波悪いし。メールは届くけどね。とりあえず、つながるかな?と思って」
「携帯?だよね。」
「そう。いつも、メールだけど、気になるし」
「突然、切れたりするし」
「でね、記念日、だっけか」
「あーそうかもねえ。まあ、早いのならいいけど」
私は、地下鉄にのり、待ち合わせの場所でまつ、というより、いつも彼は早くついている。
いつも、10分、早めに行っても、その前に、彼は待っている。
どうしてだろう。いつも「ごめんね」は私だった。
二人でほっとする。ああ、今日も、とりあえず、疲れてはいないという確認のような感じで。
「まあ、思い出というか、ラブホ見物でも」
「そうねえ。でも、すぐあるかなあ・・・」
「近所のところは、ネットですぐとれるじゃない?でも、付き合っている頃って、どうだった?
よく覚えていないんだよね。どうしてかなあ」
「とりあえず・・・どこか行った?はずで。」
「そうそう、でも、いまのシステムって、どうなんだろう。いつもは、ネットでさ、
こういう部屋とか、みて、まあ、気分転換のみだと、こういう部屋とか」
それぐらい、時間がたつので、なぜか、深刻になやんでいる夫婦の会話。
彼と私は、とりあえず、食事をすませて、歩いていた。
普通の町で、あるらしいけども。満室のようで。
「なんで、おさえるのかしらね。スマホとか?」
「誰がは、わからないけどね。別に、普通の日だし、どこかは、あいている時間だしねえ」
「付き合っている若い子なのかなあ、学生さんでもはいれるし、女子ふたりでもはいれるし」
とりあえず、彼と私は、「プラネタリウム」が近いのを思い出していた。
近所にあったよね、という話で、まあ、歩いて行って、上映なし、だと、私は帰ろうと思っていた。
そんなもん。早く帰って、ゆっくりしたいのもあるし。やはり、このところの気候が変だと
記念日も忘れてしまうほどに、へとへとになる。あるニュースで、台風の被害だとか。たしかに
このところ変だ。でも、携帯電話の電池は切れるだろう。いつも備えをしていればそれですむ。
毎日、気象庁の予報をきちんとみて、すぐ避難できるところをおさえておき、それだけですむ。
災害大国なのだから、浸水?決壊?・・・あの震災より、ふつうだけども。こちらも「ゲリラ豪雨」
ありますけどね。でも、ツイッターするひまもあるの?すぐ、緊急にかければそれですむ。
突然、被害はくる。あの震災は、「教訓」になっていないのだろうか・・。
「ほら、やっているみたいだよ、ついたよ、大丈夫?」
「あらら。まだあるの、ごめんね。東北の友人のことをつい」
ふと、我にかえると、とりあえず上映しているようで、ふたりで入ってみた。
すいていた。
彼は、寝てしまい。
なぜか懐かしい曲がかかり、ああ、そういう時代もあった。・・よねえ。なんとなくくつろぐよねえ。
星空・・今は、月しかみえない。でも、あの幼い日はたくさん星をみていて、いつも星座をさがしていた
それくらいに、星がみえていた時代もあり、ふたりは、その頃は、別々の県にいた。
でも、いつも「プラネタリウム」は、定番の、デートスポットで、夫婦になっても、いつも行く場所で
どんどん、終わるような曲がかかりはじめて、起きるかなあ、と。思うと。
彼は、手をぎゅっと握って、起き。
ただ、ぎゅっと握って起き。
「さて、いってみるか」と、いうように。
私たちは、もういちど、街に消えていった。まぎれていく、しぜんにただ、雑踏に。
家ではなく。
夜の、街に。