北海道の山野でとことん遊ぶ!!
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2023.1.28 『鳩ノ巣山』(622m) ようやく静けさが戻った
土曜日の朝はずいぶん久しぶりに、
新たな降雪がなかった。
ベッドから起き上がり、
カーテンを開いて窓の外を見て「ホッ・・・」。
それでまだ薄暗いうちに家を出て、
夕張に向かった。
あの大雪と猛吹雪の後、
夜間に至るところで除雪車が走り回り、
路面の凹凸を削ってくれたので、
ずいぶん走りやすくなった。
そんな中で夕張の積雪状態はどうなっているのか、
気になっていたので検証に出かけた。
この朝はずいぶん冷え込んで、
我が家の前で-14℃と、
今季の最低気温を記録した。
しかし車で通り過ぎた隣りの南幌町では、
外気温が-20℃まで下がっていた。
まだ1月だもなあ・・・
『鳩ノ巣山』にはずいぶん回を重ねて登ってきた。
この日帰宅して記録を調べてみると、
初めて登ったのが2001年1月13日だった。
もう22年前のことだ。
そしてこの日の登行で42回となった。
いずれも積雪期で、
一度だけ無積雪期に登ろうとしたが、
暑い日だったうえに濃い笹にリタイアした。
樹木がなく笹に覆われた部分の面積が広い山なので、
積雪期に登るのがいいだろう。
また、回を重ねてきた故、
いくつかのルートから登ってきたが、
今回のルートが一番長くて楽しい。
他はルートが短く、
すぐに終わってしまう。
夕張市鹿の谷山手町で、
狭い市道を入って行くと、
ところどころにショベルカーで雪を押し付けて、
車が入り込めるところがある。
今回は大雪と猛吹雪の後だったので、
このスペースができているか心配した。
しかし既に作業が終了していて助かった。
またこのアプローチ地点は、
旧夕張北高校のすぐ裏手に当たる。
駐車地をスタートして、
北側に見える尾根を目指す。
ここには夕張が炭都として栄えしころの名残が見られる。
小さなスキー場だ。
ロープ塔が設置されていたようだ。
周囲には炭住が建ち並び、
子供たちの歓声が賑やかだったことだろう。
雪面に最近人が入った形跡は見られない。
数年前ヤマッパーを連れて登ったところ、
その軌跡を頼りにゾロゾロヤマッパーがやってきた。
近くの『鬼首山』も同様で、
そうなると足が向かなくなる。
じっとヤマッパーの流行が収まるのを待つしかない。
まるでインフルエンザに感染した時のよう。
そんな『鳩ノ巣山』にも、
ようやく静けさが戻ったようでホッとする。
尾根にのるとそれを忠実に登って行く。
この尾根は『鳩ノ巣山』から伸びる、
ほぼ南西向きの尾根だ。
まず地形図上の「417m標高点」に上がる。
樹木の隙間から遠くの風景が見える。
この後平たんな尾根を少し歩いて急登となる。
そしてそれをクリアすると、
一旦高度を下げて再び平たんとなるが、
今度は更にきつくて長い急登が待っている。
それを登りきると「480m標高点」だ。
この標高点がルート中のほぼ中間点となる。
その後ルート中唯一の針葉樹林の中を抜ける。
すると間もなく前方に、
純白のオープンバーンが広がる。
この斜面が『鳩ノ巣山』の象徴的なところだ。
毎シーズン斜度のある斜面には大きなクラックが現れる。
純白の斜面を登って行くと、
背後には高度間に満ちた風景が広がり、
南には「レースイスキー場」の全景を見ることができる。
この日はスキー客が少ないようで、
リフトやゲレンデの人影がまばらだった。
最後の急登を終えると、
あとは平たんな地形を500mほど歩き、
四等三角点「鳩の巣山」となる。
ただその平たんではっきりしないピークには、
もう何度も立っているのでカットして、
雄大な風景を眺めながら下山を開始した。
急斜面の下降は下界に吸い込まれていくようだ。
スキーに向いている斜面だが、
南向き故太陽光で雪がべたつくのも早い。
急斜面をスノーシューで滑るように下り、
往路のトレースを伝って歩く。
往路では雲が多かった上空も、
このころになるとすっかり晴れ渡り、
新雪を豊富に抱いた木々が、
陽光に照らされて美しい。
駐車地に戻っても人影はなく、
そこまでの車道上にも、
私の車以外のタイヤ痕は見られなかった。
この山、このルートに静けさが戻って、
本当に良かったと安堵して帰途に着いた。