山を歩いていたら
つんざくような、セミの声
ハチに襲われている
緑色のちいさなセミ
ハラハラしながら見ていたら
転がって、
水がながれる溝に転落し
ハチは水を嫌って飛び立ち
セミだけがとりのこされた。
溝の水流はちょうどセミが踏ん張れるギリギリで
助けないと死んでしまう。
付近を探したけど適当なものがないので
足を差し入れてスニーカーの上にセミがしがみついてきたのを救い上げようと
したが、セミが途中で転落して２度失敗したので
セミを直接手掴みして
溝からすくいあげた
手掴みされたセミは驚いて大きな声で鳴いた
山の斜面に放り投げて、ひっくり返って羽をばたつかせていたので
ひっくり返して戻してやって
言った
「あんた、七年間も潜っていて、やっと出てきたのは飛ぶためなんだろう？
飛びなよ、生きろ！」
いいながら、自分の七年間と重なる
みんな、どれくらい我慢してきたの
どうしたいの
なんのために、がんばってきたの？
誰かに 奪われてもいいのですか？
セミのつんざく声に動かされて、救い上げながら、
生きるかどうかわからないセミの行く末を思いながら、
自分に重ねる
なにをしに、地球に生まれてきましたか？
いままで、どれだけ我慢してきましたか？
なにをしたいですか。
いま、なにをしたいですか？
思いを叫ぶ
いやだ いやだ、今死ぬのは いやだ
セミの声は叫んでいた。
強い思いが、ワタシを動かす
強い思いが、誰かを動かす。
あなたは、いつか かなえるつもりだった夢を いつ 叶えるのですか？
今ですか？
いつか ですか？
もしかしたら 明日は いつかは ないかもしれない。
今、思いを叶えるためにできることはなんですか？
今、思いを叶えるために、実行できることは？